西荻を愛してやまない西荻スーパーラバー俺龍が、もっとみんなに広めたい「俺龍的西荻名店録」シリーズ。vol.1
西荻窪のInstagramをフォローしている方なら、一度はアイコンを目にしたことがあるであろう、「俺龍_2」(通称 おれたつ)さんをご存知ですか?
西荻の飲食店を無数に食べ歩き、Instagramに日々情報を投稿している俺龍さん。
西荻のお店で、俺龍さんが行ったことのないお店はないのではないかというくらいのフットワークの軽さで、「昼、夜の活動報告」として惜しげもなく、たくさんのお店やメニューを丁寧に紹介し、西荻の情報を広めてくださっています。
テイクアウトが主流になっていたこの4月5月も、西荻のたくさんのお店のテイクアウトを買いに行っては、Instagramで紹介してこられました。
私も俺龍さんの投稿が勉強になって、西荻のお店の数々を知ることができたひとりでして。
取材にお伺いするたびに、お店の方から俺龍さんの噂を耳にすることもあり、ぜひ西荻の情報を教えていただきたいなと思っていました。
今回、俺龍さんのご好意により、“俺龍がおすすめする!もっともっとみんなに知ってほしい西荻窪の名店”を教えていただくことができました。
何店舗かご紹介いただきましたので、「俺龍的西荻名店録」としてシリーズで取材させていただきます。
第一回めの今回は、
「雑居ビルの一角にひっそりたたずむ、謎のイケメン店主が営む小さなビストロ」とのふれこみをいただきました、
山下食堂さんです。
確かに、女性の私にはちょっぴり勇気のいる雰囲気…。
山下食堂は、永和ビル西荻というビルの2階にあります。
階段をのぞいてみたら…あった!
確かにここだ。
”山下弁当あります“って書いてある。
取材と言えども、私もやや緊張しながら階段を上ります。
扉を入ると、雰囲気あるイケメンシェフがいらっしゃって。
こちらが、山下食堂のオーナー、三戸部豪(ごう)さんです。
奥で出迎えてくださったのが、奥さまのあこさんと、4歳のかわいいboy!
職場と保育園がお休みの今だけ、少しお手伝いにいらしているそうです。
お子ちゃま、可愛すぎる…!
最近おうちで髪を切ってあげたばかりだそうで、「後ろがトラ刈りになってませんか…?」って心配するあこさん。
いえ、全然問題ないです!(だってかわいいから!)
山下食堂では現在、12:00-15:00でお弁当の販売、17:00-22:00をテイクアウト&店内営業という形で営業しています。
(お昼の時間帯でも、お電話いただければお弁当以外のテイクアウトメニューもご準備できます。)
テイクアウトメニューが、こちら。
手書きメニューがかわいい!(メニューは1〜2日おきに変わります。)
さっそく、日替わりのお弁当を見せていただきました。
本日のお弁当は、豚肉ときのこのクリームソースのフジッリ タイムの香り。
鶏もも肉のフリット、鴨の冷製、キャロットラペ、芽キャベツのブレゼ。
開けてびっくり!美しい盛り付けと、この充実感。
Instagramでよく拝見していましたが、山下弁当がしばしば完売するのもうなずけます。
お弁当のパスタも、最初はペンネにしていたそうですが、冷めると少し味がもたついてしまうため、ソースが絡みやすく、冷めてもおいしく食べられるフジッリに変えたり、
飽きがこないよう、パスタだけでなく、肉料理とクミンライスで日替わりにするなど、試行錯誤してこられました。
このねじまきパスタをフジッリと言います。
お弁当に、こんなジューシーな鴨!口の中が一気にしあわせになるお味。
もう一品、おすすめをいただきたいとお願いして作っていただいたのが、こちら。
鴨のロースト アメリカンチェリーソース。
なんて美しい見た目なんだ…。思わず、ゴクリ。
季節のフルーツを使用するので、時期によってソースは替わるそうですが、食べてみて驚き!チェリーソースって、こんなにお肉に合うんだ!
チェリーの酸味が、鴨肉の脂をほどよく口の中で中和させて、最後まで食べ飽きない、不思議なマリアージュ。
んー、なんかワイン飲みたくなりますね。
山下食堂は、ワインも充実しています。
豪さん自ら毎日ワインショップから仕入れるこだわりのワインを、常時10種類ほど取りそろえていて、フルボトルでお持ち帰りも可能。
ワインを買って帰りたい方には、こちらのセットがおすすめです!
前菜4種と、フルボトルのセットで3500円というお得なセット。
これだけで、めっちゃ豪華な家飲みができてしまうのだ…!
店内で召し上がる方に1番人気なのが、先ほどの鴨のローストと、
前菜4種盛り合わせなんだそうです。
今回いただいた前菜盛り合わせの内容は…、
芽キャベツのブレゼ、マグロとオリーブ 新玉ねぎのマリネ、砂肝のコンフィ、鴨の冷製 インゲンとナッツのサラダ。
これだけでお腹いっぱいになりそうなくらい、
このひと皿、めちゃくちゃボリューミーです!お肉もお魚も、お野菜も食べられるし、最高!
「山下食堂」という名前は、60年近く前に青森県黒石市にあった、
豪さんのおじいさまが営んでいた食堂の名前を引き継いだものです。
お父さまが料理人だったこともあり、やってみようかな、くらいの気持ちで飲食の世界に入ったそうですが、「実際入ってからですかね、楽しくなったのは。」と話す豪さん。
18歳からフレンチを中心とした料理人として働いてこられました。
漠然と西荻窪でお店ができたらいいなと思っていたタイミングで、前のオーナーさんと飲み屋さんで知り合いになり、“今度店を閉めるんですけど、どうですか?”とお話をもらったそうです。
元々スナックとして営業していたお店から居抜きでオープンした、山下食堂。
センス光る、おしゃれな内装も魅力です。
あこさんの妹さんが、秦まりのさんというシルクスクリーンアーティストなので、店内には秦さんの作品がたくさんあります!
店内が明るくなるようにと、窓の作品が飾られていたり、
壁には、月を連想させるおしゃれなタペストリーも。
店内の壁画とお店の看板のロゴは、豪さんの友人である、西荻窪のBAR スタンド坩堝(るつぼ)のオーナーが手がけました。
西荻に来てから、はしごしてお酒を飲むようになったという豪さん。
「飲み歩いてできた友達が多くて、今もほんとに助けられてます。」と。
「最初はすごく不安が大きかったですね。テイクアウトもやったことなかったし、お弁当も初めてだし、こんなビルの二階に買いに来てくれるかなって。
でも、テイクアウトを始めてすぐ翌日に、常連さんが買いに来てくれたんですよね。涙が出るくらい、その時は本当に嬉しかった。」と話す豪さん。
「不慣れな時は、テイクアウトも出来上がりの時間とかが読めなくて、お客さんを待たせてしまったりしてたんですけど。
テイクアウトと店内営業が重なったりすると大変なので、ある程度簡略化できるように、オペレーションを考えたり、メニューを変えたりと、いろいろ工夫してきました。」
ワインをいただきながら そんなお話を聞いていると、あっという間に、時刻は夕刻になり。
「お、な、か、す、い、た!!!」と、boyが泣き出しちゃいました。
(泣き顔もかわいい…)
見かねた豪さんが、砂肝のコンフィを1つあげると、ひと口でぱくり。
「んーと、つめたくて、中がちょっとやわらかくて、おいしい!」と食レポしてくれました。
立派な息子さんだ!!
まだお腹が空いていたので、急遽、豪さんがboyの晩ご飯を作ってあげることになって。
豪さん特製、お子さまオムライス。
やだもう、これ絶対おいしいやつや…。大人も食べたいー!!
(残念ながら、こちらメニューにはありません。食べたい方は直接ご相談ください…あしからず。)
パパとママの時間をたくさんもらっちゃってごめんね…!協力してくれて、本当にありがとう。
山下食堂では当面、夜の短縮営業と並行して、お弁当とテイクアウトの販売を継続していきます。
テレワークでお家にいる方や、なかなか外に食事に出かけられない方のために、少しでもおいしいご飯を届けたいという想いからです。
山下食堂は来年で10周年を迎えます。
本来なら今年の5月5日も、盛大に周年パーティーを開くはずでしたが、コロナの影響でお祝いができませんでした。
「でも今回、悪いことばかりじゃなかったと思う。」と豪さん。
「新しいことをやれたっていうのがすごく大きい。テイクアウトもそうだし、期限付きの酒類の販売免許をとるのもそうだし。お弁当始めて2ヶ月たって振り返ってみると、お弁当も大変だけど楽しいよね。お弁当にはお弁当の美学があってね。」
「お弁当とかテイクアウトでお店を知ってくれた人もいて。今まで二の足を踏んでいた方が、お弁当でお店を知って初めて足を運んでくれて、今回、本当にうれしかった!」と、あこさんも話してくれました。
大変なことがたくさんあった2ヶ月だろうに、ふたりの笑顔は尽きません。
西荻に根を張り、西荻で家族を作り、西荻のひとから愛され続ける山下食堂。
ちょっと入りにくい雑居ビルの階段をあがるとそこに広がる、静かな大人の隠れ家。
少し無口なオーナーと、魔法みたいにおいしいお料理が、
あなたのお越しをお待ちしています。
ーーーーーーーーーーーー店舗情報ーーーーーーーーーーーーーーー
山下食堂
東京都杉並区松庵3丁目38−13 永和ビル西荻2F
Tel: 090-4750-8590
営業時間: 12:00-14:00/17:00-23:00 (6/23現在)
定休日: 日曜日
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