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としょかんでしりとり 「や」

ヤングアダルトサービス

大人に成りきれてなく、かつ、もはや子供のように純真無垢ではない(子供は純真無垢か?という議論は横に置いといてください)あなた、と言われれば、ほとんどの人がうちあたい(注)するはずね。
そんなあなた向けに、多くの公共図書館ではヤングアダルトサービスと称した活動を展開しています。
これはただ単にその年齢層むけの図書・資料を収集・提供するのではなく、課題を自主的に解決する能力の獲得を目指したサービスであるというところに特徴があります。

で、このサービスに積極的に取り組むことが先進的な図書館というイメージがなぜか公共図書館業界にはあり、こぞっていろいろ企画してます。

私ももちろん取り組みましたよ。手始めに学校図書館との連携を密にし…とか考えて知り合いの学校図書館司書に連絡したんです。
したらね、
「子供たちのことは学校図書館が一番よくわかっていてる。お前ら公共図書館の出る幕はない。公共には公共にしかできないことをしろ。余計なことをするな」
と、あっさり一蹴されちゃった。

これね、考えてみたら当たり前です。
子供たちは思った以上に忙しい。
勉強しなくちゃいけないし、部活もしなきゃいけないし、バイトもしないといけないし、遊ばないといけない。彼氏彼女とかいたらもっと大変。
マルチタスクで日常をこなしていかないと学生生活は送れません。そんな時に公共図書館なんかに行ってる暇なんかないね。学校図書館司書はそのことがよくわかってるので、忙しい学生生活の隙間に手軽かつ効果的に利用できるサービスをピンポイントで提供しています。そんなこと公共図書館ではできません。
公共図書館が必要とされるのは、せいぜい自習室を用意することぐらいでしょうか。
全国の司書の皆さん、子供たちはあなたに何も期待していない、ということは憶えておいてください。

ま、何もしないより、一応なんかやってるふりは見せたほうが予算獲得や図書館協議会への報告には都合がいいので、コーナーぐらいは作ってテキトーに毎月テーマを決めて本の紹介ぐらいはしてもいいかもね。
そんとき紹介する本は、是非これにしてください。内容的に学校図書館で受け入れられない可能性があるので、公共図書館が提供する価値はあります。


できればイースト・プレスの『よりみちパン!セ』シリーズを揃えてほしいですが、新刊じゃ無理みたい。新曜社の同シリーズに期待すっか。

次回は「」だよ! お楽しみに!

※本稿ではヤングアダルトサービスの対象を学生に絞っています。就労または未就労で学校に通っていないヤングアダルトについても同サービスの範疇ですので、その観点からサービスの展開を考えてもいいと思います。


【やんぐあだるとさーびす】
おおむね12歳から18歳までの青年期利用者に対して主として公共図書館が行うサービス。(中略)他の年代と異なる独自の行動様式と興味を持ったヤングアダルトへの対応においては、専用の資料や施設よりも、むしろアプローチの仕方や力点の置き方に留意した、専門的知識と経験に基づく方法に重点が置かれる。(←何言ってんのか分かんねえや。)
(日本図書館情報学会用語辞典編集委員会『図書館情報学用語辞典』第5版 丸善出版 2024)


注:うちあたい
思い当たる節がある状態。内当たり。ちょっと恥ずかしい気分になったりする。
例)
友人「あい、あのバック駐車の人、何回切り返ししてるかねー。あい、諦めて別のところ行ったさー。あい、あっちでもちゃー切り返し。大変ねー。」
私「うっ(うちあたい)」(訳:私もバック駐車が苦手で何度も切り返しをする。ハズカシ!)


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