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歳をとって求められるスキル

先日46歳になった。サラリーマン人生も定年まであと14年だ。

家庭を崩壊させ、別居が始まり10ヶ月が経つ。このまま孤独に歳をとりどうやって生きていくかを最近意識するようになった。家族という最小限の社会共同体を持っていない人間はそれなりの準備をしなければならない。

気にしすぎかもしれないが、1人になるとホームレスの人がよく目につくようになった。ニュースではリストラされ経済力をサラリーマンや、虐待などで悲惨な幼少時を送り社会に出ることなく家を出てホームレスになった人、東大卒の経営者が事業に失敗してなったと言う話も聞く。私のように家族との信頼関係を失って家に居られなくなる人もいるだろう。

独り身の人間が感じる孤独の寂しさは、誰にもすがる事ができない「無縁」と表現してもいいのかもしれない。少子化が進み国際的にも超高齢化となった日本に、これから無縁社会が到来するのは不可避だと思う。

無縁社会を回避する方法は今のところない。昭和40年代まであったサザエさんのような大家族制は現実的でない。男が一家の大黒柱という時代は10年以上前に終わり、昭和の時代に妻がひたすら堪えてきたDVや家庭内モラハラが糾弾されている今、離婚も増えている。そもそも男女ともインターネットをはじめとする自己完結型の趣味が増え、結婚をしない人自体が増えてきている。夫婦子供2人という核家族モデルすら崩壊するのも時間の問題だろう。

しかも行政は無縁社会を回避したくても、目下コロナ対策に予算を取られ支援しようがないだろう。孤独死を防ぐためのNPOによる活動が始まっている地域もあるが、個人情報保護法が進展した今、昭和時代の隣近所のような他人の家の子供の事まで把握するような関係を構築するのは相当な手間と時間がかかるだろう。

必然的に独り身の人間は婚活に金と時間を割く事になる。テレビやニュースを見ると婚活は現代人の不安を象徴しているように見える。誰かそばにいてくれないと寂しい、共稼ぎをしなければ生活をしていけない、女性の場合は出産適齢期という不安も婚活に拍車をかける。

婚活では経済力と若さが重要視される。今の日本の賃金体系は30歳半ばを過ぎないと賃金は上がらず、30半ばを過ぎると紹介される案件も減るそうだ。そう考えると、35歳くらいが参加する旬になりそうだ。

年齢は労働市場でもシビアに見られる。男性の場合、同じ仕事と条件なら、雇い主は中高年より若年層を選ぶはずだ。体力があり、教育内容を吸収する時間も短く、指示するのにも中高年よりは扱いやすいからだ。

結局日本では一般的には歳をとればとるほど生きるのが不利になってゆく。中高年者がこの生きづらい社会を生き抜くための具体的な方法は何であろうか?

仕事であれば年齢に関係なく発揮できる専門性、生活であればば趣味やボランティアといった生きがいを持つことであろう。
ここでも結局、仕事を評価してくれる人、趣味やボランティアの時間を共有してくれる人との出会いが重要になる。

なんだ、結局歳をとって一番必要なスキルとは「人付き合い」なんだと気づいた。


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