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「音楽」

年末年始の帰省中に何人かに勧められた「音楽」をアマプラで観ました。昨日、年に数回たまーにやってくる「映像作品を観よう!」という気持ちの日でした。感想です。

シンプルすぎるタイトルですでに述べているように、この映画は原体験を、ミニマルという言葉を結び付けて表現し続ける作品なのだと感じました。全員の記憶の中にある地方都市の風景、セリフ、間、バンドの構成、演奏、すべて最小限で、その小ささこそがすべての物事の始まりだと言われてるような感覚になりました。

バンドをかじっている人間からすると、あるあると思うような体験が詰まった映画というよりも、ギタリストの森田に自分を投影してしまうような(あんなに上手くないけど)、そんな感じです。音楽好きで、やりたいことをある程度は表現できる環境や知識を手に入れたけど、音楽が好きだからこそ失いたくない原体験の感覚を、自宅の部屋というこれまた原体験な場で、研二たちに眼前に広げられたことへの感動、そこから生まれる葛藤、そして新たに昇華し生み出される音楽、そうやって続いていくんだって、思いましたよね。音楽室に楽器を探しに行くシーンが好きです。

こちらの方の解説が完璧すぎました。

読書感想文的に自分の体験と照らし合わせると、無意識に、暇だからバンドをはじめて、とりあえず鳴らしてみるっていう無鉄砲なことは俺は全くできなくて、音楽を聴き始めたころからバンドやりたい→ベースやりたい→周りにも音楽好きな奴がいたからバンド組めた→始めるのに何が必要で何を練習すればよいかをネットで調べる という段階をしっかり踏んできた。当時は今のように教則動画的なチャンネルが少なかったので、ニコ動やyoutubeで弾いてみた動画を観ては見様見真似で練習した。これはこれで2000年代中盤の、ネットを扱える人間がバンドを始める流れっぽくて気に入っている。俺たちには俺たちなりの原体験がある。

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