超簡単 式による説明(1) 数の表し方
★最初に知っておかないといけないこと
整数をnとして、次にあげるそれぞれの数を、nを使って表すことができないと、『式による説明』はできません。
nを整数とすると、
(1)偶数は2n、奇数は2n+1
(2)3の倍数は3n、5の倍数は5n
(3)連続する整数はn、n+1、n+2、…
さらに、10の位の数字がa、1の位の数字がbとすると
(4)2けたの数は10a+b
最低限、以上の4つを理解し覚えている人だけが、『式による説明』の問題を解くことができます。
覚えられない人は(アルファベットも知らない人が英語の問題を解けるわけがないのと同様に)、問題を解く資格自体がありません。無理やりでもいいので、暗記してください。
★それぞれの数が上のように表せるわけ
(1)偶数・奇数
偶数は0、2、4、6、8、・・・ですが、2×0、2×1、2×2、2×3、2×4、・・・と考えることができます。
だから、整数nが0、1、2、3、4、・・・となるときの2倍を並べたものが偶数だと言えるので、2nと表すことができます。
奇数は1、3、5、7、・・・であり、偶数の0、1、2、3、・・・より1だけ大きい数です。
偶数が2nで、それより1だけ大きい数だから、奇数は2n+1です。
(2)3の倍数・5の倍数
3の倍数は3、6、9、・・・であり、3×1、3×2、3×3、・・・となっています。それぞれの数が、1、2、3、・・・という整数の3倍です。
だから、1、2、3、・・・と並んでいる数を整数nと考えると、その3倍を並べたものなので、3の倍数は3nです。
同様に、5の倍数は5、10、15、・・・で、5×1、5×2、5×3・・・と整数の5倍になっているから、整数をnとすると、5の倍数は5nです。
さらに、例えば「3でわると1あまる数」もnを使って表せるようになっておきましょう。
3でわると1あまる数は、3で割りきれる3の倍数より1だけ大きい数と言えます。
ゆえに、3でわると1あまる数は、3n+1です。
だから、例えば「5でわると2あまる数」は、5n+2ということになります。
(3)連続する整数
連続する整数とは、最初が5であれば、5、6、7、8、・・・のように、1ずつ増えながら続いていく整数のことです。
5、5+1、5+2、5+3、・・・と、1ずつ増えています。
最初の数をnとすると、次がn+1、その次がn+2、・・・となっているので、連続する整数をnを使って表すと、n、n+1、n+2、n+3、・・・ということになります。
「連続する偶数」なら、どう表せるでしょうか。
連続する偶数とは、最初が例えば8であれば、8、10、12、14、・・・と続いていく数のことです。
偶数なので2ずつ増えていきますから、最初の数をnとすると、n、n+2、n+4、n+6、・・・ということになります。
同じように考えると、「連続する奇数」も表すことができます。
例えば最初の数が7であれば、7、9、11、・・・と、やはり2ずつ増えますから、最初の数をnとすると、n、n+2、n+4、・・・です。
(問題によっては、偶数が2nと表せることも考慮しないといけないものがあります。このときは、最初がnではなくて2nになるだけで、2ずつ増えることは一緒ですから、2n、2n+2、2n+4、・・・と表すことになります。)
(4)2けたの数
例えば58という2けたの数を考えたとき、10の位を表している数字は5で、1の位を表している数字は8ですが、58=5+8とは言えません。
58=10×5+8です。
10の位の数字をa、1の位の数字をbとすると、このとき5=a、8=bですから、58=10×5+8であったように、2けたの数は10×a+b、つまり、10a+bということになります。
100の位がa、10の位がb、1の位がcのとき、「3けたの数」はどう表せるでしょうか?
100がa個あって、10がb個あって、あとcですから、100×a+10×b+c、つまり、100a+10b+cです。
また、10の位がa、1の位がb、小数第一位がcである数なら、10a+b+1/10c(または、10a+b+0.1c)ということになります。
★覚えよう
(1)偶数は2n、奇数は2n+1
(2)3の倍数は3n、5の倍数なら5n
3でわると2あまる数なら3n+2、5でわって3あまる数なら5n+3
(3)連続する整数はn、n+1、n+2、n+3、・・・
連続する偶数はn、n+2、n+4、・・・(または、2n、2n+2、2n+4、・・・)
連続する奇数はn、n+2、n+4、・・・(または、2n+1、2n+3、2n+5、・・・)
(4)2けたの数は10a+b
3けたの数は100a+10b+c
★整数をnを使って表すわけ
多分、「数」にあたる英語がnumber(ナンバー)だから、その頭文字のnを使っているのだと思われます。
また、2つの別のものを表すときのように、nだけで足らなくなったら、アルファベットで連続しているmを使います。
例えば、2つの偶数が出てきたら、2m、2nと表します。
俊英塾代表。「塾学(じゅくがく)」「学道(がくどう)」の追究がライフワーク。隔月刊誌『塾ジャーナル』に「永遠に未完の塾学」を執筆中。関西私塾教育連盟理事長。