見出し画像

こうして残業は生まれた


サラリーマンとして仕事をするにおいて、残業というものがある。

捉え方は人それぞれだが、一般的にはよくないものとされている。

残業は毎月決まったお金をもらうために必要な規定時間外、つまり自由時間に働くという選択をしたときに発生する。

その分お給料に還元されるとはいえ、中にはその選択をしなければならない状況や環境に置かれている人もいるかもしれないし、本来は帰っていいのにどうして働かないといけなんだという精神的な疲労や、純粋な体力的な疲労などを考えるとあまりプラスに働くことがないのが残業だ。

私は数年前まで残業にまみれた仕事を仕方をしていたので、しっかりと残業の苦しさを知っている。

ただ私が勤めている会社は残業体質の会社ではなく、経営層やマネージャー層はできる限り早めに帰ろうという姿勢であり、上司より先に帰るんじゃねぇよ。ではなく、早く帰ろうよ。というスタンスなので、会社の体質に影響をされたという訳ではない。(一部会社のシステムがアナログ過ぎて、業務量が増えていたこともあるが、今は改善されている)

ではどうして、残業にまみれていたのか。
今後、新しい挑戦をした時に同じ轍を踏まないように、形に残したいと思う。

1.優先順位の決め方が感情優先

私が残業生活に突入した原因として、ここが大きく影響していたと思う。

仕事は期限のあるものがほとんどだ。

基本的に仕事は期限の近いものの方が優先順位が高くなり、影響の大きいものの方が重要度が大きくなる。来月あるプレゼンの資料作りよりも明日期限のメール返信の方が優先順位は高いし、同僚からの依頼よりもクライアントからの依頼の方重要度は高い。(内容にもよるが)

これはタスク処理系のビジネス本だとほぼ絶対書かれているものだし、できるビジネスマンなら基礎スキルとして実践しているものだと思う。

しかし、私はその考えは理解していたものの、感情を優先してしまっていた。
なので日中に済ませておけばいいような明日提出期限の対応を放置しながら、やりたい仕事を優先してしまい結果、定時ギリギリになり焦りが出てくる。明日までなのに、全然終わってない。時間がない。
結果、残業を覚悟する。ということが非常に多かった。
これ、簡単に言えば学生時代、明日テストなのに急に部屋の掃除したくなって、結局途中で昔のジャンプ読んじゃう奴と同じパターンなのだ。

私は学生時代からしっかりとそういったタイプだったので、優先順位を決める際に感情を抜くことが非常に大変で、かなり時間がかかった。

おかげ様で当時の上司からは残業する際に日中の8時間何してたんや、とよく言われたものである。

要は自分に甘いんだな
自律できていない人に多いのが、この自分の感情を優先する、という行為だと思う。

仕事ができる人はもれなく、処理をするという意味での優先順位のつけ方に感情を持ち込まないし、感情を抑える力があると思っている。

感情を優先しない。

肝に銘じておこう。

2.理想が高すぎる

2つ目として理想が高すぎるということがある。

私は業務をする上でまず①理想系を描くところから始める癖があり、次に②その理想系を完成させるには何から取り掛かるべきかを考え、③次にどんだけの時間を確保するべきかを考え、④最後にとりかかるという工程を踏んできた。

これは一見、正しいように思えるが、間違いだと思っている。
正しくは④から始めることだ。

なぜなら最初に理想を高く持つということはいいことではあるが、高すぎると一歩を踏み出せない、要は業務にとりかかるのにハードルが高くなるという問題が出てくるからだ。

私はきっちりこの罠にはまり、②を頭で練る途中で、「あ、でもこれをするには〇〇さんの△△を先に処理しておかないと進められれないな」など違う業務のことを考えてしまい、結局面倒だからあとでやろう、と後回しにしてしまうとということを何度も繰り返してきた。

おかげで仕事は何一つ動いておらず、手付かずで期限を迎えるという危機的状況になり、適当にやった感を出すというロクでもない仕事の仕方をしていた。

まずはとりかかる。
やってみて、途中で出てくる問題は比較的解決しやすい。
それは直面する問題が1つずつだからだ。

例えば、カレーを作ると考えたときに【理想系を考える】から始めたら、どんな味にしようから始まり、その為には何をいれるか考え、どれだけ煮込む時間などがかかるかを考えてから作り出すと、スパイスはどれがいいんだろうとか、その時に求める味ってなんだろうとか色んな視点から考えすぎてしまい、取り組むべき課題が大きく見えてしまうが、【動き出してみる】から始めれば、①具材を切る、②具材を炒める、③スパイスを配合する、④煮込む、⑤味を調整するという各項目ごとに向き合うので、比較的スムーズに物は完成する。

要は全体像で見すぎると課題がたくさん見えてきて嫌になるよ。という話である。
既にこすり倒されている格言として、失敗から学べばいいという格言ややりながら覚えたらいいという格言があるが、これはまぎれもなく正しいと考えている。

とにもかくにも一歩踏み出す。そうすればクオリティはともかく、仕事は進む。やっていく中で徐々にクオリティはあげていけばいい。と私は思う。

3.真面目過ぎる

最後は少し上2つと異なり、仕事の仕方というより、精神的な話になるが、真面目すぎると残業沼にはまりやすいと思っている。

私は自分でいうのもなんだが、真面目だ。
先日の記事でほどほどに部活の練習をサボっていたなどと書いたこともあるが、根は真面目だ。宿題は基本的にやっていたし、部活の練習に行かないなんてこともなかった(練習は足痛いとか理由つけて見学してることがあったけど)、大学も必修授業は必ず出席するぐらいの真面目である。

要は人並み外れた行為、やらないと誰かに怒られるということに対してはきっちりかっちりやってきた真面目ちゃんであり、ビビりちゃんなのである。

おかげでしっかりと残業沼に毎日ハマる人間になった。

仕事はお金をもらっている、やらなければ迷惑がかかるという考えの基、全ての与えられた業務は完璧にやらないといけないと考えていたので、【きっちり】やらないといけないというある種の強迫観念が強かったのだと思う。

そのおかげで仕事ではある程度の評価をもらうことはできたが、その分自分をたくさん犠牲にしてきた。
その最たるが時間であり、残業という底なし沼に足を踏みいれた要因の1つにもなったと考えている。

完璧にしなきゃ、怒られたくない!という誰からも責められていないのに、自分自身で決めた観念に追われ、誰も求めていないのに、勝手に勤怠を切って朝まで仕事をするということまでやっていた。(残業は悪だという考えから、残業をしたと会社にバレてはいけない、でも仕事は完璧にしないといけないという狭間での活路をこうやって見出したのだと思う。)
単純にあほなのだが、当時の自分はそうしないと仕事は完璧にならないと思っていたし、そうすることが正しい仕事の仕方だとすら思っていた。

一度、朝から19時ぐらいまで社外で仕事があり、終わってから事務所に戻ってきて請求業務をするというとんでもないスケジュールがあったのだが、ストレスからか、全身に蕁麻疹が発症したことがあった。
そんな状態なので、今であれば同僚にお願いし業務を振り分けるなどすればいいものの、私は誰にも言わず、夜中まで仕事をし、夜中に夜間病院に行き薬をもらい、そのまま事務所にもどって朝まで仕事をするというとんでもない暴挙をしたことがある。
本当にあほである。

きっと自分の与えられた業務は自分でやらないといけないと思い込み、自分自身で自分自身をパワハラしていたのだと思う。
今思い返しても自分が可哀想だ。

自分で自分をいじめる必要はない。
このレベルでやらないといけないという考えは本当にそうなのか。
常に自分に問いかけて冷静さを取り戻すことも大切だと思う。

4.結婚という解決策

残業沼にはまった原因を3つ挙げたが、これをどうやって解決したのかというと、私の場合は結婚だった。

結婚をし、仕事に対するモチベーションもあがり、業務のクオリティがあがった。という綺麗な話ではなく、結婚をして半ば強制的に家に帰らないといけなくなった、つまり仕事をしていい時間に制限ができたことが残業沼から抜け出す解決策になってくれた。

これは自分の性格に奥さんの求めるものがうまくハマったからともいえる。
奥さんは食べることが好きで、しかも誰かと食べることが好きだ。
なので、晩ご飯は基本的に一緒に食べたい派であり、一緒に食べられないと機嫌を損ねることが多い。
私は私で前述しているが、やらないと怒られるということは絶対にやる真面目ちゃんであり、ビビりちゃんなので、奥さんの期限が悪くなるは、私を必然的に真面目モードにさせるのだ。

おかげ様で、今では定時に仕事を終えるスキルを身に付け、奥さんと晩ご飯を食べ、のんびりnoteを書く時間も確保できるようになった。

仕事のクオリティを上げるために、あえて仕事をする時間を強制的に制限する。それが飲みに行くでも、ジムに行くでもなんでもいい。
強制的に仕事を終わらせる環境をつくる。
こうした考えは仕事の生産性を上げる上であってもいい考え方だと思う。

今は結婚を機に脱出しているが、いつか新しい環境に身を置いたときに同じ沼にはまり、奥さんの考えだけでは通用しない時が来るかもしれない。

そんな時にこれを思い出して、同じ沼にはまらない、成長した自分になっていたいと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?