リモートでも出社でも!ディレクションがはかどるヒント#タスク管理編
こんにちは。トリイヲシコです。(株)ギャプライズでデザインディレクターをやっています。
コロナによる第2波の懸念もされるこの頃ですが、第1波で急に慣れないリモートワークに移行したことで苦労したわ・・
という方もいたと小耳に挟んだので、
リモートと出社、どちらの状況であっても、こうしておくとディレクション業務がスムーズに進むよ、という話をちょっとしてみようかと思います。
セールスデザインの話はちょっとお休み。
◎WEBディレクターってどんな仕事してるの?
さてさて。で、「ディレクション」ってどんな仕事をイメージされるでしょうか?
あくまでも私の経験値ベースのお話にはなりますが、ディレクターの仕事って私が思うに
プロジェクトにおいて無形(形無いもの)から有形(形有るもの)に仕上げるために、
クライアントと社内スタッフの「ハブ(HUB)」となる「現場監督」なイメージです。
企業によって担当する領域はかなり異なりますが
スケジュール組みからスタッフアサイン、指示出し、顧客対応・・やることが非常に盛りだくさん。
私が今所属している部署だとディレクション業務はざっくり下記のような感じです。
上記は、ディレクション初心者向けの社内で勉強会を開催した時の資料から抜粋したものになりますが、
見ての通り、主な仕事は関係各所との調整や指示・管理となります。
うちのチームは少数精鋭なので、「コンサル兼ディレクター」とか「デザイナー兼ディレクター」といった形で動く事が多く、領域をまたぐのでさばく業務量もボリューミー。
資料にもありますが、ディレクターは「あぁ、、千手観音になりたい・・」
・・そんな気持ちを心に抱きながら、日々業務と向き合いつつ、
願わくば脳みそも千個とか贅沢言わないから、あと3個位あると幸いでございます、
・・とか手を合わせてナムナム祈ってみたり。
そんな状況だからこそ、意識して効率を上げていかないと永遠に仕事が終わらない沼へズブズブ…と沈みかねないのです。
◎ディレクションはコミュニケーションの質が肝
コロナ禍で対面でのコミュニケーション機会がなくなり、一時的に全てが非対面に集約した感がありましたが、
WEB系のディレクション業務をしていると、コロナ禍以前からほぼ対面せずにプロジェクトを進行させる事は比較的多く、
中には10年以上お仕事を一緒にしているパートナーさんの顔をまだ一度も見た事もないまま、今日もお仕事を依頼してる・・という事もよくある話です。
オンライン上でのやり取りは、MTGのために電車で移動・・といった時間が不要な分、実業務に充てる事ができて非常に効率的ですが、
非対面下でのプロジェクト進行には、コミュニケーションのクオリティが業務の進行や信頼にダイレクトに影響してきます。
コミューケーション、と聞くと直接人とのやり取りをイメージするかと思いますが、
人とのやり取りをする前段階次第で、その後の業務クオリティを左右することになるのです。
私の周辺でもちょくちょく聞こえてくるお悩みも交えつつ、対策ポイントを見ていきましょう。
◎あるあるお悩み:メールの山に埋もれる
「受信トレイの振り分け設定が追いつかない。もう、俺は諦めたんだ・・」
そう言って肩を落とし、長梅雨の曇天をぼんやりと薄目で眺める同僚。
受信箱の未読が999になって銀河鉄道のお迎えが来る日も近そうです。
確認すべきものが埋もれ、気づかずに返信が遅れて
「あの件確認まだですか?」と相手から連絡がくることもしばしば。
「えぇとすみません、何日の何時頃送って頂いたメールでしょうか、、?汗」
慌てて受信箱を開き、目を皿のようにしてマウスでぐるぐる上下スクロール・・
なんて事・・、ありませんか?
◎お悩み解決:メールをやめよう
え、無理だろ。と思ったアナタ。まぁ、そうですよねぇ。
とはいえ。
関わるプロジェクトが増えれば増えるほど、関わるメンバーが多いほど、比例して受信メールの量も膨大になります。
その上、営業メールやいつ登録したかも覚えていないようなメルマガまで、毎日容赦なく玉石混交で受信箱に積み重なっていきます。
たとえ、プロジェクト毎に振り分け設定していたとしても、
自分の担当する範囲以外のタスクもccで「とりあえず送信」されるケースもあるあるで、
自分に関わる必要な情報は結局埋もれがちに。
また、「Re:」の返信のやり取りで状況が遡れるさ、とたかをくくるのも禁物。
なぜなら、あるタイミングで急に件名を変えてくる猛者が現れ、以降一つのタスクに対してのメールが2軸、3軸と分かれて散漫になり、
砂山で砂金の粒を探すような苦労をすることになるのです。
◎具体策:タスク管理ツールを使おう
全てのメールをやめろ、というのは無理難題ですよね。相手の環境や都合もありますし。
私も全部はムリです(笑)
なのでまずは、プロジェクト化した案件についてのみで良いので、タスク管理ツールを使ってプロジェクトを管理しましょう。
巷にはタスク管理ツールが色々あるので、その中でチームに、または個人で仕事をしている場合は自分に合ったものを選べば良いでしょう。
関わっている業種や業務内容によっても適しているツールはおそらくそれぞれ異なるかと思います。
選ぶ際のポイントはこの後記載しますが、使うツールはできるだけ集約した方が作業効率は上がります。
「こっちのプロジェクトはクライアントが使ってるSlackで」
「こっちのプロジェクトはchatworkで・・」
というケースもよくある話ですが、
複数のツールをまたいでプロジェクトを管理するのは、チリツモながらも結構非効率です。
クライアント側に合わせる必要があるケースももちろんあるかと思いますが、
できれば、プロジェクトが開始するタイミングで、
自分側のタスク管理ツールで「ではこちらで早速プロジェクト作りますね!」と、
とりあえずポジティブにアピールして自分が管理しやすい方向に誘導してみましょう。
◎ツール選択のオススメポイント:
タスク毎に番号が自動で付与される機能がある
10年以上、色々なプロジェクトでタスク管理ツールを使いながらディレクションを行っていますが、
「これが無いなら使う価値無し」
くらいに個人的にポイントとして推したいのが、
1タスクごとにタスク番号が自動で付与される機能があるか否か、です。
なおかつ、簡易な番号でありながら、どのプロジェクトのタスクなのかを瞬時に視認できるものでなければ意味がありません。
例えば
・「CON_12」は「コンサル部プロジェクトのタスク番号12」
・「YN_C-23」は「パートナー山中さんとコンサル部のタスク番号23」
と言ったように。
タスク管理ツールによって仕様は異なりますが、大抵これらが毎日ツール側で投稿される度にメンションがメールに飛んできます。
タスク番号の冒頭部分が任意で設定できると、どのプロジェクトのどのタスク番号で進捗があったのかがひと目で把握できる、というメリットが一つ。
もう一つは各タスク毎に独立させるので、他のやり取りに埋もれる事が無い点。
該当するタスクに関する情報がそのスレッドに集約されているので情報が遡りやすく、メールの山から捜索する必要もありません。
そして、最も利便性を感じるのが
非対面でのコミュニケーション時に、短時間で的確に相手にどのタスクであるかを把握してもらいやすい点です。
例えば、とある商品のセールを実施するにあたって、広告出稿用バナーを制作する事になったとします。
同時期に同商品のキャンペーンが、媒体や内容が微妙に変わって複数タスクが発生する、とかもあるあるですよね。
「スーパーダイエットマシン期間限定夏セール:リス・リマケ広告バナー5点制作」
とか
「スーパーダイエットマシン夏20%OFFキャンペーン:リマケ・Facebook広告バナー6点制作」
とか
「スパダ+痩せサプリセット夏得30%OFFキャンペーン:リスBパターン+Criteo12点制作」
みたいな。
これをパートナーさんやクライアントと各制作の依頼や管理をする際に、電話で連絡をするシーンもあるかと思いますが、
その際、どうやってどのタスクの件と伝えるか?
どれも似たような案件内容だし、一部媒体も被ってて
口頭で全部タスク名を伝えるのは早口言葉並に鬱陶しいし、絶対途中で噛んじゃうし…。
そういう時に
「YN_C-23の件ですが」
「はいはい、23ですね」
と一瞬でお互いに認識が揃える事が可能になるのです。
あぁ端的って素晴らしい。
◎ツール選択のオススメポイント:
ガントチャートでスケジュールが視覚的に見える機能がある
スケジュールはプロジェクトの大小に関わらず必ず組むものですよね。
大きい全体の流れから、細分化してなんらか画像1つ作るまで、それぞれにスケジュールは存在します。
わざわざスケジュール表を別途作成しなくても、一つひとつをタスク化して期限を登録していくと、
同時並行でスケジュール表が完成し、しかも随時更新が反映される機能がついていると非常に便利です。
また、私はパートナーさんに仕事を依頼する機会も多いのですが、同じパートナーさんを複数のメンバーが利用するケースも多く、
パートナーさん毎にタスク管理用プロジェクトとして立てておくと、
どの案件でどの期間アサインが埋まっているのかをパッと見で把握できるので
「このパートナーさんはここは埋まってるから、こっちのパートナーさんに依頼しよう」
というような感じでガントチャートは実に重宝しています。
◎ツール選択のオススメポイント:ステータス・担当・カテゴリ・タグなど設定がカスタマイズできる
大抵のタスク管理ツールはカスタマイズ機能が付帯されているものですが、下記の3点は特に気にしたいポイントです。
・ステータスの文言を任意で変更・追加できるか
・カテゴリ・タグ分類を任意で変更・追加できるか
・担当者を複数選択できるか
それぞれのプロジェクトによって、「伝わりやすい文言やキーワード」というものがあったりします。
例えば、私の所属する部のプロジェクトにおいて、「ABテスト」という案件があるのですが、管理ツールの基本仕様として
「未処理」「処理中」「処理済」「完了」
というステータスが登録されていた場合、これをよりプロジェクトに沿った形に変更すると
「待機」「進行中」「実装完了」「テスト開始済」「テスト終了」
といった形にすることで、よりステータスが細分化されて状況を明確にすることができます。
担当者を複数設定できるか、についてはタスク管理の視点からは賛否があるようで、
ボールの所在が不明確になるといった声も聞かれるようです。
ただ、個人的にはタスク管理者が明確に一人既にいる場合においては、例えば
「この提案資料に対してプロジェクトメンバー全員が疑問点を記載する」
といったようなタスクだと、
一つのタスクに一括で複数担当者設定ができた方が効率がよく、あると便利です。
◎ツール選択のオススメポイント:
テンプレートを設定できる
冒頭でも話しましたが、ディレクションは関係各所との調整や指示・管理が主な業務です。
依頼や指示などにおいて、あらかじめ揃えなければならない情報の項目は、ある程度決まっているものが多く、
それらをテンプレートとして設定しておけば、いちいちゼロから書き出す必要もなく、作業工数の効率化にかなり役立ちます。
上記はパートナーのエンジニアに依頼する際のテンプレート枠です。
パートナーが作業時に必要な情報を、あらかじめ項目としてテンプレートに登録しておき、
後は各タスクごとに細かい情報を記入するだけで指示書が完成する仕様です。
テンプレート機能があると、ディレクター初心者のメンバーでも抜け漏れなく依頼をする事ができて、
業務の平準化という面でも質が一定量担保されるのでオススメですよ。
◎まとめ
まずは、各プロジェクト&各タスクごとに明確に切り分けて見えるように管理した方がディレクションは進めやすいよ、
という話をしましたがいかがでしたでしょうか。
とはいえ、日常の全ての業務がプロジェクトに割り振れるわけではありませんよね。
そこに含められない細かなタスク管理をどう円滑に進めるか・・、という点はまた次の機会に話せればと思います。
本日はこの辺で。
お付き合いありがとうございました。
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