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社会福祉士がベビーシッターをして感じたこと

こんにちは。とりです。
今回は社会福祉士のベビーシッター業についてです。

私は現在業務委託とマッチングサイト経由でベビーシッターとして活動しています。他のベビーシッターのプロフィールを見ると、有資格者の場合はほとんどが保育園又は幼稚園勤務経験者。

児童福祉施設経験、社会福祉士所持というベビーシッターはあまり見かけません。なので、この希少な立場の私「社会福祉士がベビーシッターをして感じたこと」をまとめてみます。

(今後の児童福祉関連の仕事を探すうえで自分でも整理したかったんです)




働く前のベビーシッターを利用する家庭のイメージ

  • 富裕層家庭が利用している

  • 両親が忙しくて子どもと関わる時間がない

  • 賢くておとなっぽい子どもが多い

こんな感じで、働く前の私は偏見が入っていました。でも世間的な印象も似た感じが多いのではないでしょうか。

政府がベビーシッター券を配布したときも「ベビーシッターなんて使わないよ!もっと他のところに財源使え!」と反論が多く出たのをSNSで見かけました。ベビーシッターをしている身としては、ちょっぴり悲しかったです。

確かに、実際に訪問する家庭は上記に当てはまる場合もあります。でも、決してそればかりではなく、福祉的な視点で、子育て家庭と関わることも本当に多かったと思います。


ベビーシッターをして感じたこと

子どもたちは、とにかくみんな可愛くて大切な存在

これはもう、大前提ですね。だから子どもと関わる仕事を選んでいるというのもありますが。福祉施設で出会った子どもたち、ベビーシッターで出会った子どもたち、おまけに親戚や友人の子どもたち、みんな本当に可愛いです。

もちろん、子どものわがままや試し行動、何をしても泣いてしまう、など対応に苦労することもあります。でも、子どもの言動には必ず理由があって、その気持ちに寄り添っていくことで、子どもとともに自分も成長できる気がするんですよね。

子どもたちに対する思いは、書き始めたら長くなるので一旦ここまで。


在宅ワーカーの子どもの預け先不足

ベビーシッターで多くて驚いたのが、保護者の在宅ワーク中の保育

もともと親子で家にいて、保護者がちょっと在宅で仕事を始めましたという段階の依頼や、病み上がりで保育園には行かせられないけど仕事はしないといけない、という依頼がよくありました。

保育園や幼稚園には勤務時間や年齢が足りないため通わせることができず、一時保育は予約が激戦。両親が遠方のため、ベビーシッターしか頼り先がないとしたら家計にとって大きな出費です。

保育園に預けられる優先順位の点数は、自治体によっては出勤と在宅で点数が異なる場所もあると聞きます。「出勤じゃなくて在宅ワークだから子どもを見れるだろう」という考えは全くのお門違いだと私は思います。


習い事、学業で忙しい子どもたちの悩み

富裕層の依頼だからこそ…な部分かもしれません。関りのあった小学生の1週間の予定を聞いたら、私より忙しくてびっくりしました。「疲れた」「休みたい」という言葉を聞くこともありました。

また、きょうだい間の"弱いものいじめ”を目の当たりにすることもありました。どんなストレスでそれが生じていたのかはわかりませんが、一見良い環境で暮らしていそうな子どもたちにも、それぞれ悩みや苦労があるんだな、と実感した経験です。

前に働いていた福祉施設では、虐待や貧困などで困っている家庭との関りがメインだったので、違うストレス源からくる子どもたちの様子を知ることができたのは、新しい学びでした。


子どもたちの経験格差

これは、主に児童福祉施設にいた子どもたちと比べて感じたことです。ベビーシッターとして訪問する家庭で特に感じたのは英語教育の充実・習い事・玩具の種類や数の多さです。

やはり家計の状況によって、家庭内で経験できることに差があるんだなと実感しました。子どもたちが「こんなものがある」「私はこれが好き」「私はこれが嫌い」と気付いて成長していくには、色んな経験が必要です。

家庭内で経験できない分は、地域社会が色んなイベントやプレゼントを実施して、できるだけ多くの子どもたちが、できるだけたくさんの経験をできるような、環境作りが大切だよなと感じました。

育休中のお母さんの孤独・孤立、復帰時の不安

育休中の家庭に伺うことも多いです。「大人と話せて良かった」「子どもとどうやって遊べばいいのか分からない」と、孤独・孤立感を抱えているお母さんも少なくありませんでした。

年子のお母さんなど、幼い子が2人以上いる状況ではスーパーへの買い物や子育て支援施設へ出向くこと自体も大変な場合があります。そんな時、家庭に訪問するベビーシッターやサポーターの存在は大きいだろうなと感じました。

また、3月~4月の依頼では春から保育園が始まるため「スケジュールがどうなるか分からない」「子どもがすぐ熱を出すかも」「仕事をどれくらい調整できるか」と復帰時の不安を吐露されることもありました。

子どもが保育園にどれくらいで慣れるか、体調は崩れないか、やってみないと分かりません。でも、そうなる前の対策や、そうなった時の対応について、あれこれ考えることもまた大変です。環境がガラッと変わる3~5月の時期に集中した手厚い支援があれば、お母さんも安心して職場復帰できるのかなと感じました。


リフレッシュで利用する人が少ない

ベビーシッターを利用するのに理由は必要ありません。大きなベビーシッター会社や個人のベビーシッターのHP等でも、「保護者のリフレッシュ」目的でベビーシッターを利用できることを公にアピールしています。

それでもやはり金額がちょっと高め、、な影響もあるのか、仕事・家事・通院・役所手続きなど理由があって頼まれることがほとんどです。

夫婦のお出かけ、お買い物、家で睡眠、だらだらなど、お母さんお父さんが自分のリフレッシュのために気軽にベビーシッターを使えるくらい身近なサービスになるといいのにな~と思います。

そのためにはベビーシッターのアピールと、値段に見合った保育内容の充実が必要ですね。頑張ります。



以上、「社会福祉士がベビーシッターをして感じたこと」でした。

社会福祉士として、子育て世帯のリアルな現状を知れることはとても勉強になります。自分は「こんな意識を持って親子に関わりたい」「お母さんお父さんのこういう気持ちに気を配ろう」など考えることができます。

「とりあえず、今できる子どもと関わる仕事なんだろう~」と考えて選んだベビーシッターですが、自分のキャリア形成にとって大切な仕事だと実感しています。

子どもとその家族のスーパーお手伝いさんになれるよう、日々精進します。
ここまで読んで下さってありがとうございました。


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