映えのために2500円払う女と、私。

今回は攻めたタイトルでお送りします。

先日、やっとteamLab Planets TOKYOに足を運ぶことができたので思うことを書きます。

まずは写真から。愛機のFUJIFILM XT-2とROKKOR 58mmで撮影しました。

恋人と行ったのですが、彼の写真をいっぱい撮ったので、編集するときに作品だけの素材が思ったより少なかったことに驚きました。

画像1

画像2

画像3

本編はここからです。

私のteamLabへの想いは、とても強いものです。どのくらい強いかというと、2018年に知ってから驚くほどに魅了され、2019年の高校3年次に書く卒業前レポート(大学で何をしたいか的な感じ)で初めて扱ったのがteamLab ARTのThe Infinite Crystal Universeでした。当時はteamLabの空間演出エンジニアになりたいと、芸術も学べる情報系の学部に進学したいと考えていました。それから超主観空間、Relation Among People、Body Immersiveなどの概念を深掘り、今では私の価値観に欠かせなくなっています。

仙台に住んでいることもあり、最も近距離にあるteamLab ARTの作品が東京です。なかなか遠出ができず、大学生になってすぐ新型コロナウイルスの流行で入館は完全事前予約制に。クレジットカードが使えない私は、東京に行く機会があってもずっと行けずにいました。今回は恋人に予約してもらい、先日やっと初めて新豊洲を訪れることができました。ただ、前述の通り、作品は常にオンライン上で追いかけていましたし、他の展示に関しても遠くていけないなぁと思いながら情報を得ていました。

オンライン上で得ていた情報と、実際に体験することは全く違います。

入館してすぐ黒で統一された空間が広がります。入館後、スタッフの方がモニター前へ案内してくれます。ある程度人数が集まったら、モニターを見ながらteamLab Planetsの説明を聞きます。スタッフのおねいさんが黒幕を開けると「teamLab Planets TOKYO」と書かれた身長より大きいロッカーが現れます。世界観の作り込みが半端無いです。ここでまず「すごいな」となります。

カメラとスマホ以外を大きなロッカーに預けて、裸足で作品へ向かいます。この、作品へ向かう道中がまぁ素敵です。足元だけ照らされた、真っ暗な細い廊下を進みます。初めに出てくるのは滝の作品です。水粒子に光を当てることで輝く滝が作り出される、というものです。

坂を登り、滝を眺めたら、足を拭いて次の作品に進みます。ここでもまた、足元だけ照らされた真っ暗な細道を進みます。続いて対面するのはThe Infinite Crystal Universeです。

この作品は、特に思い入れのあるものです。実際に体験して、圧巻だったことを鮮明に覚えています。作品名の通り「The Infinite Crystal Universe」でした。立体作品の中に入るという新鮮な体験に加え、二次元画像からは感じられない没入感を得ました。これは正直、意味がわからないほど圧倒的に感動しました。

これはかなり写真を撮りたくなりますが「写真を撮っても伝わらんだろう」と悟り、作品内をずっとウロウロしていました。光の点描は、数パターンの彫刻群になります。この作品は、鑑賞者が干渉できるもので、私もteamLabアプリを用いて作品に干渉してみました。スマホから投げた光のパターンがすぐに反映される瞬間は、なんとも言えないポジティブな気持ちになります。恋人が撮ってくれた動画が、この体験を捉えているのですが、直接載せられないのが残念です。

多くの人は、奥の方にある広いスペースで座っていました。スマホを片手にずっと写真や動画を撮っています。作品そのものだったり、鏡越しの自分だったり。

次は、Planetsといえばという作品である人と鯉の作品。

これは、水面を泳ぐ鯉が人と干渉すると花になって散ります。一定の時間になると鯉の残像が線になり、人の周りに円を描くものです。

私が作品に入った時は、水面に鯉が泳いでいました。身長155cm(足短め)の私が作品に入ると、膝下まで水に浸かります。恋人と入って立ち止まっていると、鯉と干渉したくさんの花が咲きました。鯉は私たちの周りを囲み、鯉の群れは円形となりました。時間が経つと、鯉の残像が強くなっていき、次第に水面にはたくさんの線が描かれていました。

ここは本当に楽しくて、鯉にぶつかって花にしまくってました。散った花が水面が揺れてゆらゆらしているのがとても綺麗で、儚かったです。

Planetsの中で一番滞在時間が長かったように思います。水の中に入るのが楽しいのもあって、ずっと居座っていました。2周目では、この作品の隅に行くと見れる作品を体験しに行きました。憑依する炎です。

超主観空間で描かれた炎の作品です。これはPlanetsの中でも独特な作品だと感じました。超主観空間が、東洋(日本)の掛け絵インスパイアなので、今まで体験したことのないもので、しかも動いているので、かなり面白かったです。

続いては、浮遊する球体が人と干渉して変化する、Water Area最後の作品です。

この作品の中では、童心に帰ることができます。純粋に、巨大な球体をバフバフして色変わったりするのとても楽しい。しかも、上に持ち上げたりできるし、急に上がったり下がったりするのでワクワクします。HPのように広角レンズで撮れたらとても楽しそうです。個人的にはエメラルドグリーンが好きです。

ここまで回るとWaterAreaから抜けて、最初にみた巨大ロッカー群に戻ってきます。どんな建物の構造なのでしょうか。続いてGardenAreaに向かいます。入口がWaterAreaと同じ、WaterAreaとは反対方向に進みます。

GardenAreaの最初の作品は卵形体と苔の庭園です。

そういえば、茨城での展示でも卵形体を使った作品ありましたね。

私は10:30に入場したので、「呼応する小宇宙の苔庭-固形化された光の色」は昼バージョンを鑑賞しました。HPのメイン写真は日没後のものなので、日中とは結構印象が違います。銀色のOvoidと苔庭、視界には霧がかかっています。

この作品が、一番意味がわかりませんでした。勉強不足です。

teamLabは、色の概念を更新しようとしているそうです。この作品のOvoidは「固形化された光の色」と名付けられた新しい概念の色で、61色に変化する。日中に訪れたというもの原因かもしれませんが、この色の概念は理解できず。これもあって、次回は日没後に訪れようと思っています。

最後の作品は今回期待していたFloating Flower Gardenです。

この作品は禅インスパイアで、自身の研究が禅芸術に密接していることから、新エリアがリリースされた時からずっと楽しみにしていました。

ラン科の植物は、夜が最も香りが強いようです。ここでもまた「夜に来たい」と思わせられました。GardenAreaは日没後の方がより楽しめる作品が集まっているようです。

Floating Flower Gardenは想像以上に神聖な空間でした。この作品は、人がいるところに空間ができる(植物が人のいる場所に合わせて昇降する)ものです。この植物の空間創出が、想像以上に精密でした。もっとざっくりと空間が作られて他の鑑賞者の存在が透けて見えるのかなと思っていましたが、実際には、植物の密度が濃く、静かに植物と人との距離が近くなっていました。写真を撮るのに夢中になっていると、気づいたら植物に囲まれています。また、人が多いと一気に広い空間が作られます。他の鑑賞者がいることで空間がつながるという感覚を体験することができました。

GardenAreaを抜けると、再び巨大ロッカー群に帰ってきました。

実は、WaterAreaだけ2周しました。

「憑依する炎」という作品に出会えなかったので、2周目でスタッフさんの話を聞き、出会うことができました。

荷物を持って退館、出口のところにはボーダレスの電子広告と他の展示のリーフレットが。全種類持って帰りました。ボーダレス行きたくなりました。

さて、本題です。

teamLab Planets TOKYO に行って、体験した作品名を覚えている同年代は何人いるでしょうか。

どんな想いで作品が作られているかを知っている人は同年代で何人いるのでしょうか。

私は正直、体験した人の8~9割の同年代が作品名を言えない、どんな作品かを理解していない、どんな想いで作られたかを理解していないと思っています。(あくまでも個人的な見解です)

綺麗なところにいる自分が可愛い、そんな感じだと思うのです。(わざと攻めた言葉を使っています)

2500円という大金を払ってただ「綺麗」で終わるなんて。

現代アートは「コンセプトの理解」の上で成り立っています。teamLab ARTは、現代アートの中でも先端的な印象を与えますし、何も知らなくても「美しい」と思える素晴らしい作品がたくさんあります。

しかし、写真で時間を切り取ることができる今、ただ「美しい」だけではあまりにも受動的すぎると思うんです。

作品の楽しみ方は人それぞれなのは承知しています。

でも、私たちZ世代はもっと、世界を知ろうとする力、自分の好きとか美しいという感性を探究する力を持つべきだと思います。

Z世代の私たちは、他の世代よりも圧倒的に発信も受信もできるし、スマホネイティブだし、正直なんでもスマホがあればできるんです。

だからこそ、一瞬でも美しいと思った瞬間を大切に、自分の感性を探究してほしいです。

teamLab ARTの作品は特に、幅広い世代に人気のデジタルなインタラクティブアートです。あの圧倒的な没入感は、teamLab ARTならではであると思います。

実際に体験した時の感動を探究して、感性をより豊かに、多くの同年代が自分自身と世界との繋がりを考えるきっかけを作ってほしいと願っています。

私は、teamLab ARTの作品の根底にあるビジョンが好きで、ずっと追いかけています。その手段であるデジタルアートの技術にも興味があります。なので、その情報を頭に入れてから実際に体験する、という楽しみ方をしています。

人には人の楽しみ方がある。みんながもっと好きを探究できますように。

4000字も書いてしまいました。

結論、teamLab Planets最高!また来ます!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?