(感想とか)映画「BLUE GIANT」いい仲間は自分で作り出すものなのか

本当は、映画館で観たかったんですよ。
それが今になったのは、どういうわけか。
なかなか自分の時間が取れないのが、現代人なんですかね。
そしてこのタイミングでアマプラで観られると。映画館で見れないと、アマプラ待ちになってしまう。もう、レンタルショップも近くにないし、お金もないしね…ネトフリ限定とか、ディズニープラス限定とかやめてくれーと思ってしまう。

評判は見たりしていたんですが、良いものも、悪いものも。最初は酷評が多かった気がする。
でも、あとからは評価が上がってきて、日本アカデミー賞とったりしてたんで、結局どうなのよ、という感じでしたが、まあ、良かった。すごく良かった。
音楽が、良かった。
映像表現も、良かった。
ちょっと涙が出ました。ひとりで見て良かった。

音楽を題材にした映画で、それが良ければ、もう大成功でしょう。それでいてストーリーもあるのだから、たまらないですね。
THE FIRST SLUMDUMKも、バスケシーンがすごく良かった。最初バスケシーンしかないので、もうバスケだけで終わるんじゃないか、と不安になったが、まぁそれでもいいか、と思わせるくらい、バスケシーンが良かったです。

脱線しました。以下、ネタバレしてたらすみません。
原作も、読んでました。だから、この東京編の話は、ズルいというか、救いがないというか、よくここまでやったな、と思うところがあったんです。
でも、映画は、ちょっと原作と違くて、少し、救いがあったのかと。そのために、この映画が作られたのかもしれないと、感じてしまったのは、言い過ぎなのでしょうし、多分私だけなのでしょう。

BLUE GIANTの原作マンガは10巻あります。これを、映画で、2時間にどうまとめるのか。という余計な心配もありましたが、キレイに、いいとこ取りしたな、と思いました。
東京編、なんですね。その前の話(あえて言えば仙台編)は、ちょこちょこフラッシュバック的に入ってくる。
そのぶん、原作読んでいたほうが、楽しめるんだろうな。インタビューシーンとかは、原作ファン向けの演出なのでしょう。しつこいですが、原作と違うストーリーも感じられるし。

この作品の主人公は、宮本大というテナーサックス奏者なんですが、この映画に関して言えば、JASSの、つまりは玉田と雪祈の成長の物語なのかと。

すべての物語は、主人公が挫折からどう這い上がるかが、描かれているものだ、と聞いたことがある。
その点で言えば、玉田は大学に意味を見出だせず、サックスに、ジャズに突き進む大の影響から、ドラムを始める。
玉田目線で物語を追うと、ライブでソロを叩くシーンはクライマックスで、胸が熱くなる。

一方、雪祈は、鼻をポッキリと折られ、それでも這い上がって、壁をぶち破って、その上でさらにどん底に突き落とされる。自分ではどうすることも難しい、不条理な出来事。しかし、そこからも立ち上がり、進んでいく。夢を諦めないのだ。

彼らに火をつけたのが、主人公、宮本大ということになる。いい仲間に恵まれた、といえばそれだけかもしれない。物語だから、ご都合主義ができるから、といえば、そうかもしれない。
でも、前を向いて全力で取り組むと、そういう人が集まって来るのかもしれない。いい仲間に恵まれるのではなく、周りの人をいい仲間にしていくものなのかもしれない。

二人だけではない。東京に送り出した家族も、サックスの先生も、TAKE TWOのママも、チラシを渡されて最初のライブに来てくれた人も、それ以外も、宮本大の情熱で、火をつけられ、それぞれが、動き出したのだろう。

BLUE GIANTは、青く光る大きな星(青色巨星)の意味があり、熱すぎて、赤を通り越して青く光るホシなのだそうだ(中学とかでやるガスバーナーとかと同じですね)。
熱い巨星はその周りも熱くし、動かしてくれるのかもしれない。そしていい仲間になり、ともに成長していくのだろう。

情熱。それを強く持っている人が、大成する。そんな世の中であることを祈りたい。

原作は、ヨーロッパ編まではよんだのですが、続きも読みたくなっていくしまった。ブックオフに行ってみるか…

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