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労働2.0―“今最も面白い経営者” が説く 「最強の働き方革命」

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はじめに
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こんにちは。伊藤 航です。
いつも本の紹介をご覧いただき、誠にありがとうございます。

本日は吉本興業株式会社のベテラン人気芸人、オリエンタルラジオ中田敦彦氏の『 労働2.0―やりたいことして、食べていく』をご紹介いたします。

本当に良い働き方とは何か

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 世の中では働き方改革の流れに乗って時短化を標榜する企業が増え、「残業禁止」「6時以降はオフィス消灯」といった方策がさかんに取られています。しかし、業務量自体が減ったわけではなく、オフィスを追い出された社員たちはカフェや家に仕事を持ち込んで調整している、といった混乱も多数ありますよね。

これ、何かに似ている気がしませんか?
私が思い出すのは、あの「ゆとり教育」です。

詰め込み教育の旧弊から脱するべく、文部科学省は全学校に向け一律に、授業時間の削減と内容の簡易化を断行。その末に起こったのは、教育レベルの低下でした。これが、勉強が苦にならない子供の存在を無視した結果であったことは明らかです。一時期問題になった「全員で一緒にゴールする徒競走」と同じ間違いが、ここにも見られます。

人間には差異があり、その差異を効果的に組み合わせていくのが社会というものだ、と私は思います。実際、「標準化」「平均化」の試みは歴史上、いつも失敗に終わっています。社会主義国家などその典型でしょう。賃金を一律にすることで訪れたのは平等ではなく、社会の停滞でした。同じように労働時間も、「平均」の中に閉じ込めるべきではないのです。

 では、私自身はどうかというと、平均よりも「働きたい」と感じる人間に属することがわかりました。コスパを考慮して仕事の取捨選択をし、働く時間を大幅に圧縮したことで、自由な時間ができました。そのとき、その時間はやはり働いて過ごしたい、と思ったのです。

それも、ただ働けばいいわけではありません。
取捨選択の過程で、私は自分の中に、「やりたいこと」かどうかという軸があることに気付きました。

「自分は本来何がしたいのか」という根源的な問いが、そこにありました。「働き方改革」について私たちが今抱いているイメージは、「働く時間を短くする」ことだけに傾きすぎています。少し考えてみたら、「良い働き方=短く働くこと」なんておかしな話だ、とすぐ気付くはず。

では本当に良い働き方とは何か。もうおわかりでしょう。
「やりがいがあって、かつ稼げる」ことです。

やりたいことをしてお金につなげること、これこそ理想の働き方です。

これを実現するには、とことん自分と向き合わなくてはなりません。何をやりたいのか、なぜやりたいのか、何のために働くのか。働く誰もが、明確にしておかなくてはいけないポイントです。

【NKTの仕事術12】
やりがいがあり、稼げる仕事を見つけるためにとことん自分と向き合う

能力は「不足」から開花する

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現在仕事をする中で、もっとも役に立っている自分の才能は、「人の才能を見つける才能」と言えるでしょう。

この才能に、最初から気付いていたわけではありません。音楽の仕事を始めてから発見し、磨くことができました。音楽の仕事をしたいと思い始めたとき、私は何一つ音楽に関する才能を持ち合わせていませんでした。

音楽が好きなのに歌がうまくない。作曲もできない。ダンスだって上手とは言えない。なのに、ステージに立って歌って踊りたいという大それた願いを抱いたわけです。

となると、取れる方策は1つ。

周囲の人の力を借りることです。

これは、すべての仕事の基本ではないか、と私は思っています。「何かをやりたい人」がいて、「何かができる人」を集める、仕事はすべてこの構図でできています。会社もそうです。経営者の志がまずあって、それを実現できる技能のある人材を集めるわけです。

私はあのとき図らずも「経営者」と同じことをしていたのです。まず、プロダンサーである弟・FISHBOYに協力を仰ぎ、彼の人脈でダンサーを集めてもらいました。そして歌の上手な藤森にも参加してもらい、RADIO FISHが結成されました。

自分の力量を超えることをなすには、人を頼らなくてはいけません。そして人に頼るには、相手の優れた点を見極める力が必要です。その必要に駆られて、私は人の強みを見つける才能を、やたら発達させてしまいました。

そう考えると、才能は「弱さ」を起点に進化するもの、と言えます。鳥は、強い天敵から逃げるために、飛ぶ力を進化させました。タンポポは自分では動けないから、綿毛を風に飛ばすという形で子孫を残す力を手に入れました。

能力は「不足」から生まれるものなのです。自分の「弱み」や「やりたいのにできないこと」に着目するのが、まずは第一歩です。

【NKTの仕事術14】
「今の自分に何が足りていないか」を自問する

お金をもらえたら、その時点で「プロ」

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「やりたい人×できる人」で、仕事は回る。では、「やりたい人」が実際に行動するには、どうするか。自分でやるか、できる人を集めるか、この2つの方法があります。いずれの場合も、絶対不可欠な心得があります。

“ Just Do It. ”

「とにかくやってみろ」ということです。

ナイキの社訓となっているこの言葉、私の信条でもあります。ところが、これが意外と皆できないのです。私が「やってみよう」と呼びかけると、「だって素人だし」「まだ実績がないし」「無名だし」「プロの中に入っていく勇気はないし」・・・・・・まあ出てくる出てくる、生ぬるい言い訳が。

こんな気後れに惑わされるのは、もうやめましょう。
そもそも、素人とプロを分けるものはなんだと思いますか?

スキルの差でしょうか。違います。

プロだって失敗します。ベテランの芸人でもスベることはあります。これができればプロ、できなければ素人、なんて区切りは本来ないのです。

ジャンルを問わず、「お金さえもらえたらもうプロ」だと私は定義しています。私はお笑いのプロであり、音楽のプロであり、ダンスのプロであり、そしてアパレル界でもプロです。Tシャツを売って、お金を得られているのですから、当然です。「いわゆるプロ側」から見ると、面白くない意見かもしれませんね。

たとえばあなたが、自分を何かのプロだと自任しているとしましょう。もしそのジャンルに新規参入してきた誰かが、デキがいいとは到底言えないような商品を出していたら、やはり「素人が出る幕じゃないよ」と思うのではないでしょうか。その気持ちもわかります。

でも1年後、あるいは2年後、その素人は素人でい続けるでしょうか。本人がその場所に身を置いている限り、それはありえません。素人状態で業界に飛び込んで、ときに失笑を買いながらめげずにアウトプットする。すると、スキルはどんどんアップデートされます。

私と音楽の関係もそうでした。RADIO FISHを始めたころのスキルは、楽曲づくりも何もかも“ママゴト”のようなものでした。それから5年経った今、私は人のプロデュースもできるようになっています。かつて、芸人としてリズムネタを作っていたころから考えると、信じられないほどの変化です。

“Just Do It.”の精神でとにかく続けていれば、自分自身でさえ想像しなかったような場所に行けるのだ、と実感します。

その意味では、むしろずっと素人でいるほうがいいとも言えます。素人でいる限り、チャレンジし続けることができるからです。「プロ」に安住すると、習熟したことの繰り返しになり、変化や成長の要素が生まれにくくなるのです。もちろん、何十年も一個のことをつきつめる方々にも素晴らしい価値があります。それを重々承知の上で、あえて言いましょう。

ずぶの素人でも、同じ土俵にズカズカと入っていい。

バカにされることさえ恐れなければ、その先に飛躍が待っています。

【NKTの仕事術21】
素人だからこそ、思いきってプロの領域に飛び込む

おわりに
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今回ご紹介した本書の要点をまとめると以下のようになります。

❶ 本当に良い働き方とは何か

やりたいことをしてお金につなげること。これこそが理想の働き方です。
これを実現するには、とことん自分と向き合わなくてはなりません。
何をやりたいのか、なぜやりたいのか、何のために働くのか。
働く人の誰もが、明確にしておかなくてはいけないポイントです。

❷ 能力は「不足」から開花する 

自分の力量を超えることをなすには、人を頼らなくてはいけません。
そして人に頼るには、相手の優れた点を見極める力が必要です。
私は人の強みを見つける才能を、やたら発達させてしまいました。
そう考えると、才能は 「弱さ」 を起点に進化するもの、と言えます。

❸ お金をもらえたら、その時点で「プロ」

素人とプロを分けるものはなんだと思いますか? スキルの差でしょうか。
違います。プロだって失敗します。
ベテラン芸人でもスベることはあります。これができればプロ、できなければ素人、なんて区切りは本来ないのです。ジャンルを問わず、「お金さえもらえたらもうプロ」 だと私は定義しています。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。

※上記文章はPHP研究所『 労働2.0―やりたいことして、食べていく 』より一部抜粋しています。



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