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【掌編】令和三年白躑躅

 恋に落ちてはいそいそと、本を求めた。その人を好きなのか本を読みたいのか分からなかった、若いころ。うん。後者だねと、恋人はわらった。正直うれしく、愛されていると感じた。
 ほんとうに、本が好きだな。おれよりも。それでいい。わがままでいい。 きみは素直で純粋だ。きみの機嫌の良いように、おれを必要としてくれればいい。 希わくは、いつまでも。

 やはり長くは続かなかった。
 だからその時その気持ちをよく見詰めた見届けた。
 そんなもの。

 あなたを、私が決めることはできない。助けられない。役に立てない。私も私が決めている。
 お互いそれぞれ生きゆくまにまに。よかったら、遊びにいらしてね。


(了)