#パルプ小説
自殺の順番、持ち回り制
「自殺って、持ち回り制なんです」
クラスメイトの女の子がいきなり話しかけてきた。
暗い性格の彼女には友達もいなかった。
だから初めて話し声を聞いた。
「どういう意味だ?」
「自殺って、悲しいからするものじゃないんです。順番が決まっているんです」
「だから持ち回り制だっていうのか?」
「そう、自殺持ち回り制です」
「……」
沈黙のあと、彼女は哀しそうに微笑んだ。
それが全てを語
片想いしていた子から臓器と記憶をもらってしまったらしい。
臓器移植って知ってるか?
臓器が機能不全になっちまった場合に、他人から臓器を移植する医療技術のことだ。
受け取る側をレシピエント。
提供する側がドナー。
ここらへんは聞いたことくらいあるだろ?
じゃあ【記憶転移】って知ってるか?
原則としてレシピエントはドナーの個人情報は一切知り得ないにも関わらず、何故かドナーの記憶の断片や趣味嗜好が移っちまうんだとよ。
もう気づい