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4月20日 お金がなくて働きに来る人たち。もしもさらに食べ物もなくなったら? の仮定。

 バイト先に、やたら体格のいいニイちゃんが入ってきた。何者かと思ってたら、現職の板前だって。
 板前ってあんなに体格いいものなのか……。ジャージ着て仕事しているのだけど、その上からでもふくらはぎの筋肉がモリってなってるのがわかるくら(←いい形なんだ)。なんにしても体力仕事だから、ガタイのいいやつが来てくれるのはありがたい。

 なんで“現役の”板前がこんな仕事をやっているかというと、「例のアレ」で店が休業となり、仕方なく働ける場所を探して……とそういう話だそうだ。今の世相を考えると、働ける場所って貴重だもんね。
 若い世代は貯金があるわけじゃないから、休業になったから優雅にひきこもり生活……というわけにはいかない。現金が必要だ。
 これを書いている時点で、政府はようやく一律1人10万円給付を決定した(つまり、私のような人間にも給付されるって話だ)。しかしそのお金はいつになったら支給されるのか……。市役所に取りに行く? ……そこでパンデミックが起きるぞ。一律給付を決めたがいいが、具体的にどうやって、はいまだに決まっていない。収入が途絶えてしまった人達はつらい状態に陥っているだろうに。

 ふと思いついた話。
 私のバイト、仕事内容を話すと食料品の仕分け・配送だ。私の仕事は食料品を詰めた積み荷を、トラックの運ちゃんに渡すこと。この仕事がいま、尋常でない物量で激増している。一つ前の記事に「早目の年末進行が始まった」と書いたがこれは誇張でも何でもなく、工場内の風景が本当に年末状態になっている。お正月前は「年末特別商品」があってあの状態だったが、現在は通常の状態であの有様だから、状況の異常さが見えてくる。
 しかしもしもこの配送センターが例のアレで閉鎖したらどうなるか? ここから食料を供給してもらえることを期待している数千の家庭に食料品が届かず、飢えることになる。
 そう考えると、ちょっと怖くない?

 毎朝、おにぎりを買いにローソンへ行く。ローソンのお弁当はまだ供給されているようだ。ということは、こちらの工場もまだ無事なようだ(私はローソンの弁当製造工場でも働いたことがある。私が毎朝行っているローソンのお弁当も私が作っていた)。もしもあの工場が閉鎖という事態となったら、ここの棚もいきなり空になる。

 私が住んでいるような田舎の町だと、食料品を加工・配送している工場はいくつぐらいになるのだろう? そんなに多くないだろう、と思う。
 仮に食料加工工場の数が10だとしよう。そのうちの半分が例のアレで閉鎖になる。すると住人は残りの半分の食糧を求めて殺到する。しかし今の私の職場がそうであるように、一つの工場で供給できる食料の量には限りがある。従業員が働ける時間・量には限界があるし、ラインの数をいきなり増やせるわけがない。工場の話ではなく、その工場に食料を供給している農家や酪農家まで話を延長しても、やはり同じく食料を無限に提供できるわけがない。無限に肉やリンゴを生産できるわけではない。工場が1つ2つ駄目になったから、他でそのぶん供給してもらおう……というわけにはいかない。
 食料加工工場のいくつかが閉鎖となっただけで、現代の町は食糧不足に陥り、衰退する。こうなると自宅に引きこもって優雅にゲーム・映画鑑賞というわけにはいかなくなる。生き残れるのは備蓄のある家庭か、自給自足をやっている家庭だけ。

 『文明崩壊』という本では、自然が供給できる食料・富には限界があり、その限界値を越えて人間の方が多くなる、都市が大きくなると一気にカタストロフが起きる……という話が書かれていた。
 現代の状況はちょっと違っていて、食料供給ができる工場が2~3駄目になっただけで地方にカタストロフが起きる。それが「例のアレ」でいきなり起きてしまう可能性が起きてしまっている。
 現代人は「加工された食品」ばかり食べていて、その加工するための工場が消失すると、カタストロフが起きる。自然の崩壊を待つまでもなく、だ。
 そうなると、もはや現金がいくらあっても駄目。飢えには勝てない。飢えで地方が崩壊する……そういう話はどこかで起きそうだ……まだ起きてないっぽいけど。

 今回の「例のアレ」で店が完全休業になってしまった……というところも結構出たという話も聞く。そういう店に対して政府は……なんにもしてくれないんだろうね。なにかしよう、という話は出るけど、具体的に何をするかで紛糾して(良案があってもどうせ野党が潰すんだろうし。連中は「とりあえず全部反対」しか言わないから)、そのうちにも別の新しい問題が起きて、話は忘れられうやむやになる……だいたいそういう展開になるんだろう。
 ネットを主力としていた事業、ゲームやネット配信動画なんかはこれを奇貨にしたようだけど。むしろダメージの方が大きい。
 例のナントカ要請が解除された後でも「後遺症」はあちこちに残りそうだ。

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