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7月6日 初音ミクでジグソーパズル

 『初音ミク 一緒にジグソーパズル』全ステージクリア!

 見ての通り、ジグソーパズルをするだけの簡単なゲーム。ちょっとした隙間時間の暇つぶしにちょうどいい1本。できあがると初音ミクさんをはじめとする可愛いボーカロイド少女のイラストが出てくるのが嬉しい。
(たまに男も出てくる。男が出てくるとモチベーションが下がるんだよなぁ……)
 ゲーム内容は「ただのジグソーパズル」なんだけど、これが意外に面白くて……。空き時間を潰すつもりで買ったのだけど、やっていると「あ、私、ジグソーパズル好きなんだ」と気付いて、ちょっとの空き時間を見付けるたびにこのゲームを開いていた。たぶん私、こういう作業っぽいものが好きなんだろう。

 音楽は前作になる『初音ミク ロジックペイント』から進化していて、ステージ選択のたびに
「全曲リピート」
「全曲シャッフル」
「特定曲リピート」
さらに「ボーカルあり/なし」を選択できる。
 私のオススメは全局シャッフルのボーカルオフ。パズルをやっていると、意外とボーカルってノイズになって集中しづらいんだ。
 この仕組みは『ロジックペイント』の時に欲しかったなぁ……。『ロジックペイント』は同じ曲をえんえんリピートする仕組みだったから、曲を聴くことに飽きてしまう。こういうところで進歩したということがわかる。

 難易度は
「かんたん 63ピース」
「ふつう 130ピース」
「むずかしい 300ピース」
 から選択できる。
 クリアにかかる時間は、私が実際にプレイした感覚だと、「かんたん 5~10分」「ふつう 15~20分」「むずかしい 1時間前後」。人によって感覚は違うし、選ぶイラストによって難易度が変わるので、いつも同じ感覚でクリアできるというわけではない。

 意外に思われるかも知れないが、解くのが難しいのはこういうイラスト。キャラクターの立ち姿が描かれていて、背景にうっすらとした幾何学模様が描かれている。こういうイラストは、キャラクター部分は簡単だけど、背景部分が難しい。画面左側の、残されているピースを見てみよう。何が描かれているのかさっぱりわからない。手がかりなどほとんどない状態で、どうにか解かなくてはならない。このイラストは解くのに1時間ほどかかったが、背景を解くのに8割くらいかかっている。

 スタートボタンを押すと、ヒントとなる「完成図」を見ることができる。私がこれに気付いたのは、ゲームの後半のほう……。ずっとヒントなしで解いていた。

 一見簡単そうに見えるけれど、実は解くのに時間が掛かったイラスト。なぜかというと、小さなピースに分割すると、あまりにもカラフルすぎてかえって見当が付けづらかったから。

 では「解きやすいイラスト」がどういうイラストなのか。こんなふうにピースに分割しても、特徴がはっきりわかるイラストは解きやすい。こちらのイラストの場合、髪の毛のグリーン、衣装のブルー、帯のレッドと特徴的な色が置かれているし、背景も幾何学的に見えて、意外と特徴を拾いやすい。ピースだけを見ていても、それがなんなのかすぐにわかる。

 全体をざっと見て、一番早く解けたのがこちらのイラスト。41分57秒。見ての通り、わかりやすい特徴だらけなので、ほとんど迷わず解ける。

 一番時間が掛かったイラストはこちら。キャラクターの立ち絵シリーズの1枚。1時間29分36秒。なぜこの1枚に時間が掛かったのか、というと、立ち絵シリーズの中でも背景比率が高いため。キャラクターはあっという間に完成するけど、背景にものすごく時間が掛かる。一見すると時間かかりそうに見えないイラストほど、大変なくらい時間が掛かってしまう。

 アナログゲームをデジタルに落とし込む……という時に現れてくる問題が「スケール」。難易度が3段階に設定されているけれど、30ピースでも300ピースでもできあがる絵のスケールは一緒。アナログパズルだと、300ピースになると物理的に大きなサイズになり、「やりきったなぁ」という達成感が出てくるのだけど、これをデジタルゲームに落とし込むとモニターのサイズという限界に押し込まれてしまう。これがどうしても「達成感」という問題に絡んでくる。たぶん、同じパズルをアナログでやったほうが、達成感でいうと上になるはずだ。
 もう一つは、ピースのサイズ感。Switchにはテーブルモードとテレビモードの2種類あるわけだけど、テーブルモードだとどうしても画面が小さくなって、ピースも小さくなってしまう。すると、何が描かれているかわからなくなってしまう。
 この体感差は攻略時にも関わってきて、単純にいってテレビサイズでゲームをやったほうが、早く解ける。ピースに何が描かれているのか、テレビサイズで見たほうが明らかにわかりやすい。

 キャラクターの立ち絵だけのシンプルすぎるイラストは、背景を解くのにものすごい時間が掛かってしまう。しかし、テレビモードでやると、ピース1つ1つになにが描かれているのかわかるので、解くのも早くなる。
 テーブルモードとテレビモードは画面のサイズが変わり、この違いは「気分の問題」とよく語られがちだけど、「画面の見やすさ」という点ではっきり違いが出てくる。パズルのような、細かいものを見るようなゲームの場合、テレビで遊んだほうがいい。

 パズルが完成すると、ギャラリーモードでそれぞれのイラストを閲覧することができる。
 ここで引っ掛かるのは、63ピースのパズルと解いた時と、300ピースのパズルを解いた時と同じ絵が出てくること。せめてギャラリーモードでは「300ピースぶんのスケール」を感じさせてほしかった……。

 今の時代、なんでもモニターで閲覧できるようになったものの、その結果あらゆるものがモニターサイズになってしまった。大きなモニターを持っていれば……例えば100インチくらいの巨大なモニターを持っていれば、画像が持っている臨場感を味わえるのだけど、私みたいな20インチくらいのモニターだとどうしてもいまいち……。20インチ程度のモニターだと、どんな画像にも実在感が得られることはない。これは「解像度」の問題ではなく、サイズ感の話。
 例えば『ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠』という絵がある。ナポレオンの戴冠式を描いた絵だが、この絵は幅10メートル、高さ6メートルもある。私はこの絵の実物を見たことがないのだけど、テレビで美術館に展示されている状態を見たのだけど、絵画と並ぶと人間が小さく見えて、絵画中の人間と実際の人間が同じくらいだった。あの絵画の前に立ったら、きっと私は圧倒されただろう。
 でもあらゆるスケールがモニター……という時代の今は、こういう「スケールで圧倒される」という感覚が希薄になっていく。
 ゲームの体験も、私もあまりテレビの前に座らなくなったので、だいたいいつもテーブルモードでやっているのだけど、そうするとスケールを感じる機会が少ない。それで損しているもの……つまり、感動が薄くなってしまっているもの、はきっとあるだろう。

 と、話は脱線したけれども、そういうモニターサイズでも少しは臨場感を感じさせる工夫が欲しかった……という話をしたかった。

ステージ数はぜんぶで39。「ミク」合わせでこうなっているのだけど……もう少しステージ数が欲しかった。

 私はこのゲームをクリアするのにどれくらいかかったのかな。そうはいっても、常にこのゲームをやっていたわけではなく、やらなかった期間はあったし、別のゲームをやっていた期間もあった。このゲームは「いつもやるゲーム」ではなく、合間にちょっとずつ遊ぶゲーム。私の場合、寝るまでの時間に、1ステージずつ進めていく感じ。
 デジタル上でジグソーパズルをやるという、ちょっと変な体験をしたのだけど、思いのほか面白かった。全ステージを解いた後も、「もうちょっとないかな」とか思ったり……。実は全ステージクリアした後も、暇になった時はこのゲームをやっている。それくらいに楽しいゲームだった。
 でもこういうタイプのゲームって、他にないものかな……。「イラストロジック」は意外とあるけれど、「ジグソーパズル」はそうそうないなぁ。ジグソーパズルが楽しい……なんて、ほとんどの人はあまり気付かないものだから、仕方ないのかな。


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