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7月8日 ひさしぶりに『ゆゆ式』を見る

 ニコニコ動画『ゆゆ式』7月7日~7月15日まで無料!

 もちろん見る!
 ただし、作業があるので映像はなし、横で流しながら音だけ聞く。

 音だけで聞いてると、面白いラジオを聴いている感じがする。
 私が好きなとある番組……番組名を出したら怒る人が出そうだから伏せておくけど、その番組ではおじさん2人が、世にもしょーもない事をひたすら言い合って、ケラケラ笑っている……というそれだけの内容。これがものすごく面白い。あまりにも楽しいので、毎週欠かさず聴いている。
 で、『ゆゆ式』を音だけで聞いていると、あのラジオを何となく思い出すような気がして。あのおじさんの喋りを、ものすごく可愛い声でやっている……みたいな感じ。世にもしょーもない話を、ひたすら言い合って、話もどこかに脱線して、内容もなにもないのだけどただただ楽しい……あの感覚が似ているような気がするし、そういう「意味もないけど楽しい」感が愛おしくなってくる。

 『ゆゆ式』にはゆずこというボケの子がいて、縁というおっとり天然の子がいて、唯というツッコミがいて……というバランスで作られている。
 この図式だけを見ると、「トリオ漫才」ふうに取られるかも知れないが、それとは味わいが違う。おそらく、漫才というほど1つのテーマに向かってないからかな。時間の制約も緩め、というのもありそうだ。やっぱり……ラジオに近い感じがする。
 ラジオと違うのは、『ゆゆ式』の場合、話のネタをネットから拾ってきている。ネットからひろった話題でちょっと広がって、また次の話へ進む。この対話の感触があまりアニメ脚本らしくない。妙に自然に喋っているような感じがする。この辺り、『ゆゆ式』脚本の良さと、声優の芝居の良さがあるのだろう。

 それで、ちらちらと画面は見ているわけだけど、やっぱり絵もいい。色彩が薄めだから、線が際立って、線が動いている気持ちよさがある。
 といっても、『ゆゆ式』は一切活劇をしない。ほぼ座っているか立っているかだけ。そこだけで動きを作っているわけだから、ちまちましたような動きしかない。ただ、その動きの一つ一つが気持ちいい。不思議なことに、動いている瞬間の絵を見るとリアリティを感じる瞬間がある。
 ……いや、リアリティなんてあるはずがない。あの妙な体型、細い体に、細すぎる手足、大きな頭。バランスがおかしい。でもふとした瞬間、動きにリアルだと思ってしまうものを読み取ってしまう。そう感じさせるのは、いいアニメーションの条件だ。

 第3話には、伝説的な名シーン……走りながらコーラを投げるシーンがある。このシーンに惹き付けられた人は多い。こういう話の主軸とは違うところで、クリティカルな印象を作りだし、主題をより強調できるシーンを作り出せる演出家ははっきり優秀。『メイドインアビス』にもそういうシーンがあちこちににあったし、キネマシトラス的な感性なのかも知れない。

 作業しながら音だけで『ゆゆ式』……結局、2周したわけだが、楽しかった。いい作品だな、とつくづく。いつになったら第2期が作られるのやら。

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