4月25日 勝者不在のVR界隈に希望はあるのか?
まず1本目の記事を紹介。Apple vision proが売れてない……という話。
初年度出荷台数を70万~80万台を見込んでいたが、どうやら40万~45万台まで減らした……という話。
もともとソニー製マイクロOLEDが年間90万台しか生産できず、それを左右1つずつ必要だから年間45万台までしか作れない……という話ではなかったかな。ということは40万台も出荷する、というのは妥当な数字じゃないかな。本気で80万台も売るつもりだったのか……。
ついでにソニーPSVRもあまり売れておらず、在庫を抱えている。今後の追加生産はない、とのことだ。
じゃあ、第3のVRメーカーであるMeta Questは売れているのか……というとこっちもさほど売れておらず。VR界隈は「勝者無し」という状況になっている。
これは、どうしたものかな……。
まずそもそもVR機器は高い! その値段に見合ったものが得られるかどうかわからない。そんなものに、お金を出せるか……というと難しい。それにまだ重い! あれを数時間装着しっぱなしにできるか……というと難しい。
よく聞く話として、買った直後は夢中になって遊んだが、その後、やらなくなて箱にしまい込み、それきり……こういうパターンが多いらしい。繰り返し遊べるものがない。繰り返し取り出す用事がない。それに、やっぱり装着は手間だから、だんだんと億劫になる(昔のように配線まみれという状況からは良くなったが)。なんだったらVRを持ち出さなくても遊べるコンテンツは世の中に一杯あるわけだし。
VRが目指すべきは、まず煩雑さをなくすこと。億劫だ、と思われるとユーザーは敬遠するし、箱にしまいっぱなしにする。毎日でもなにかしらに使えるツールであるべきだ。
そして、なんにでも使える、ということをライトユーザーにこそアピールできるようにしなければならない。まずApple vision proは52万円と、値段からして貴族向け。貴族向けにすると、ライトユーザーは「自分は関係ない」と思うようになる。
ただし、パッと見がサングラスっぽい……というのもダメ。あれだと「VR機器である」というアピールが弱い。それがいい……という人もいるだろうけど、「VRはVRである」というアイデンティティを、まず形から示さなければならない。それができないと、商品として決定的な魅力があるとは言えない。よくある意見として、「キラーソフトさえ出れば、ハードは売れる」というが、私もこの意見には異議があって、まずハードそのものに魅力がなければ、どんな良いソフトも売れない……が正しいのではないかと(例えばゲームキューブとWiiUは良いソフトは一杯あったのに、売れなかった。ソフトの前に、ハード自体の魅力が先……ではないか)。
次はASCIIさんの記事です。vision pro購入者100人に聞きました……という内容。満足した人は7割。分母が少ないけど、visionproの評判自体は非常に良く、たぶん、アンケート対象者を1万人に増やしても、だいたい7割くらいは満足した……と答えるんじゃないかな。商品の品質自体は良いんだ。ただ、購入できるかどうかが問題であって……(値段が…)。
vision proは購入した人からの評判は概ね良く、特にビジネスで使い続ける……という人が多いようだ。これはvision proがそういうものとして開発されている。エンタメ利用ではなく、ビジネスユースという振り切り方がいい。エンタメ利用だと、そのエンタメに飽きちゃうとお終い……となってしまうけど、ビジネスユースならずっと使い続けることができる。もしかしたら、「vision proがなければ仕事ができない」という人も今後出るかも知れない。そういう状況になるまで来たら、vision proに一定の地位ができたと言える。
ただ、それでもビジネスツールとしてvision proが万能なアイテムか、というとまだまだそういうわけではない。まずアプリ自体が少ないし、最適化も完璧ではないらしい。
vision proは今後も、ビジネス・コミュニケーションツールとしてのポジションを作るべきじゃないかな。一昔前、デザイナーはみんなMacを買ってたけど、あんな感じに特定の職業の人はみんなvision proが必須……みたいな流れを作っていけば……。
とはいっても、52万円のデヴァイスはあまりにも高嶺の花。欲しいと思っても気軽に買えるものじゃない。そのうち、vision Airみたいなものが出るかも知れないから、その時が狙い目かも。その頃にはvision pro向けアプリも充実してくるでしょうし。
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