見出し画像

7月7日 『Splatoon』の謎めいた歴史

スプラトゥーンベース | Nintendo

 わっ、すごい! これまでゲーム中で断片的に解説されていた歴史が一つにまとまっている。
 へー……。内容はどれもゲーム中で語られていたけれども、全体像こうなっていたのか……。

 アタリメ司令が、かつてのイカタコ戦争に参加していた……ということは、インクリングの歴史ってさほど長くないんだ。
 若き日のアタリメ司令がイカタコ戦争を指揮し、タコたちが地下生活を送るようになった。それから時を経て、タコたちは再び地上に這い上がってくる……これが『Splatoon1』のストーリーだ。
 そもそも、なんで「オオデンチナマズ」が盗まれたのだろう……と疑問に思っていたのだけど、話は単純で、この世界における発電はほとんど「オオナマズ」がやっていたようだった。それでハイカラシティの電源を全て供給していたというから、「オオデンチナマズ」の発電量は相当なものだ。
 うーん、ある意味、理想的な「バイオ発電」といえるかも知れない……。

 そして『Splatoon2 オクトパスエキスパッション』のストーリーを経て、タコたちは再び地上に這い上がってくる。この現象について、イカ達は……特に気することなくタコたちを受け入れている。別種族だと気付いていない可能性すらある。
 アタリメ司令の孫達がアオリとホタルだから、戦争があったのはだいたい2世代ほど前の話なのだが……どうやらイカ達はもう戦争の話なんか忘れてしまっていたようだ。再び戦争が起きるかも知れない……という時のための予防策すら何も用意していない。これはイカ達特有のおおらかさゆえなのか、それとも、そもそも記憶力がないのか……。

 Splatoon史を読んでいて引っ掛かる設定は、イカ・タコ戦争の切っ掛けとなったナワバリ問題。単純に地上では住める場所が少ないのだろう。
 領土問題は深刻な問題を生み出す原因になりうる。
 一つの土地に許容できる人間の密度は限られている。これは「人が一杯たらストレス」とかいう話ではない。一つの土地で生成できる食料の絶対量は限られていて、それを越えて人口が増えると、飢餓の問題が発生する。日本は相変わらず「飽食の国」だからこの状況はあまり自覚しづらいが、世界中のあらゆる国で起きている問題である。人口密度は飢餓の問題ばかりではなく、すべての人間がまともな社会生活を送れない――つまり「格差社会」の原因にもなる。
 アタリメ司令現役時代、一度その問題に直面してしまったのだろう。それで、どちらが「豊かな地上」を支配するか……で対立することになった。
 Splatoonの世界観というのは、ゲームではハイカラシティやハイカラスクエアといった賑わった街が舞台となっているが、その周りの世界はどうなっているのだろうか? 『Splatoon3』のPV映像でも紹介されていたように、かなり荒廃している。Splatoon世界における繁栄は、実はかなり薄氷のもの……。
 しかしイカ達はあまりにも脳天気かつおおらかすぎて、その問題に直面せず、フェスを楽しんでしまっている。
 ある意味、現代文明人の現実感のなさを描いたような感じになっている。(そんな意図はないでしょうけど)

 このお話は次回に続く。

つづき


とらつぐみのnoteはすべて無料で公開しています。 しかし活動を続けていくためには皆様の支援が必要です。どうか支援をお願いします。