見出し画像

【読書と雑記】美術の進路相談

やわらかな絵と優しいブルー調の色彩のカバーが美しさを感じさせる本です。

本の紹介部分は、もくじに書いてあることです。
美術と書いてはありますが、絵を描くとに絞った内容となっています。

なんでこの本を選んだかというと、姪の1人がイラストを描くのが好きで、ちょうど進路を決める頃だったこともあって、どんな仕事があるのかなと思ったからです。この前、仕事にしないのか聞いてみたらイラストは趣味で良いって言っていましたけどね!
わたしの方はと言うと……え?そんなのはどうでもいいですって?
中学の頃は芸術部なる部活動に所属はしていましたが、絵よりも粘土を使った立体派でしたね。アニメキャラを模写したりしていたと思いますけど、ふざけて遊んでいた記憶の方が多いです。


美術の世界の住人は、画家を鉱山のカナリア、漫画家を戦士、イラストレーターを魔法使い、絵本作家を料理人としています。絵を描くことそのものを仕事にしていきたいと思う方向けの内容です。
Youtubeなどで、実際に仕事をされている方が動画をあげている場合も多いので、この辺りの情報を取りにいくのは比較的簡単なようにも思えますね。ただ、動画で情報を取ろうと思うと、動画構成次第では無駄足になってしまうのが難点です。

絵を描くこと以外で、どんな職業があるのかも紹介していて、こちらは純粋に美術を続けられる場所ですね。
編集者やキュレーター(学芸員)といった発掘する人、組み合わせたりする力に長けた設計する人、謎を紐解き意味を見出していく研究する人、美術との距離感を縮めてくれる案内する人、言葉を使わずに誰かを理解しようとする対話する人、まだ名前のつかない職業などを開拓する人が挙げられています。
美術との付き合い方を個々人の得手不得手、好き嫌いから考えていける内容です。

美術の世界の話が終わったあとは、絵を描く準備についてと、生涯美術を楽しむためのことが紹介されています。ここは進路相談とは直接関係するような内容ではないかなと思いますが、美術との付き合い方のようなことが書かれています。
見る力と描く力があれば、いつだって美術の世界を歩くことができるようです。


時間の行方

絵を描くことに限らず、実際に手を動かす創作活動全般に言えることではありますが、時間が必要なんですよね。
現代は特に時間のかかることを避ける傾向があって、世代によってはタイパ(タイムパフォーマンス)なんて言葉もあります。
やりたいことをやるための時間を増やすために、それ以外の時間を圧縮しようとするタイプと、とりあえず全部消化したいから時間を圧縮しようとするタイプの2つが大枠としてあると思っています。隙間時間を無くそうとする動きすらありますね。

スマホ片手に歩いている人々を見かける機会が多くなり、ながら行動をしている姿は日常的な光景になっていますよね。
一歩外へ出てみれば、自転車に乗りながらスマホを操作している子どもたちがいたりして、そんな光景を見ているとちょっとした不安を覚えます。と言っても、わたしが子どもの頃は、手元にあるものがスマホではなくゲームボーイでしたので、とやかく言えませんが……

空いた時間をギッチリ埋めていった先には何が待っているのか気になるところですが、もし時間がたっぷり用意されていて、手元に紙と鉛筆だけが用意されていたとしたら、あなたは何をするでしょうか。

何もせずにいますか?文章を書いてみますか?それとも、絵を描いてみますか?

わたしの話

わたしの絵を描かなくなっていった時期は、中学生あたりでした。
ちょうどその頃は、ゲームの3D化が進んだり、携帯電話が普及し始めたりと何かと機械を扱うことが増えた時期で、絵を描くグループとの接点が薄れていった時期でもあります。少なくとも自分の周りで絵を描き続けていた人は女性で、デッサンとかそういった類ではなく、二次創作や同人といった内容が多かったです。

一時期、Hololiveにハマっていたことがあって、その時は頭の中にイメージがよく湧いたんですよね。こんなイラストを描いてみたいとか、こんな映像作品はどうだろうかとか。周りの熱量に影響を受けたのだと思いますが、喜んでもらえるかなとか、仲間ができるかなといった思いが根底にあったのだと思います。

そんな時に、イラストのオンライン講座を見つけて期間を決めて受講したことがありました。ただこの時期は、他にも並行してやっていることがあったので、結果としてイラストを仕上げるところまで持って行けませんでした。単純に描いていなかっただけなんですけど、描く環境を整えていなかったのは失敗だったなと今になっても思います。

しばらくして、ポケモンSVで登場する新ポケモンが発表されたときに、なぜか無性に描いてみようかなと思い、デジタルツールを使って描いてみました。模写ですが、夕方から始めて、描き終えたのは真夜中だったと思います。時間こそかかりましたが、描いている間は別のことを考える余地もなく、後になってから動きを自由につけられたら楽しくなっていくのかなとか考えていました。
それなりに完成度の高いものを求めやすいので、デジタルツールを持っていなければ、描かなかったかもしれないとも思いますね。

デジタルツールは便利なもので、何度失敗しても簡単にやり直せます。写真などは加工が当たり前な雰囲気もありますね。手軽さと容易さがデジタルの良いところでもありますけど、それが同時に良くないと感じるところでもありますね。

デジタルツールを使って絵と描く時、下敷きを使って描く感覚に近いように思えます。それだけならまだあまり気にすることはないのですが、拡大と縮小が容易にできてしまうので、空間が固定的になることは気になります。扱う画面のサイズを固定しているので、そうならざるを得ないのは仕方がないことなんですけどね。

今に始まったことではありませんが、アナログだけで育った人、アナログからデジタルへ移行する中で育った人、デジタルだけで育った人といったように、さまざまな人が入り混じる世の中になってきています。
振り切ったアプローチが、却って混乱を招いてしまう事態になるなんてこともあると考えていて、そういったことが増えていくと、時間を捨てざるを得ない人が出てくるのではないかとも思います。
時には強制力があった方が良いこともありますが、多種多様な選択が許される世の中であって欲しいものです。

人間の慣れの問題でもありますけど、相乗以上に物理的なフィードバックが案外侮れないものであるとわたしは思っています。このあたりの話は、また別の機会にスマホとゲームの話を交えて書ければと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?