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動け、日本!国民民主党のスタンスを徹底解説!「与党の補完勢力」なのか?「なんでも反対の野党」なのか?

 読者のみなさんは、「国民民主党」と聞いてどのようなイメージを持つだろうか?この記事は、国民民主党の立ち位置を、より多くの皆さんに知っていただきたきたいと願い紹介する記事である。

 国民民主党は市民連合が仲介する野党共通政策に参加しなかったが、これに参加した、立憲民主党、共産党、社会民主党、れいわ新選組からなる左派4野党(以下「左派野党」という。)と同列に扱われることが多い。他方で、国民民主党を日本維新の会と並べて、「与党の補完勢力」呼ばわりする声も大きい。

 思わず、「どっちやねん!」と言いたくなる人もおおいであろう。国民民主党は、「与党の補完勢力」でもなければ、「左派野党の一員」でもない。国民民主党を批判するために、国民民主党が自公政権か左派野党かのいずれかの一員であってほしいという思惑をもった人々が、一方的にレッテルを貼っているだけなのだ。

 これは、国民民主党が中道というポジションにいることの証左でもある。NHKが左右両方から偏向報道と非難されているからこそ、バランスの取れた報道をしていると実感できることと同様、国民民主党も、左派野党支持者からは「与党の補完勢力」扱いされると同時に、保守系の人々からは「左派野党」「特定野党」の一員にカウントされるからこそ、中道だと実感できるのだ。

 そう、国民民主党は「左派ではない野党」を徹底的に貫いているのだ。安保法制以降、野党の左傾化が進み、野党といえば左派と考える人も多かろう。そのような中で、国民民主党は、中道の野党というポジションで必死に食らいついているのだ。

 この記事では、国民民主党の基本的な姿勢について、具体的に紹介していきたい。これを読めば、なぜ国民民主党が、立憲民主党にも合流せず、与党にも行かずに、野党として独自の路線を歩んでいるかも分かるだろう。

【経済政策】国民民主党はアベノミクスの量的緩和政策に賛成、財政政策は生ぬるいと批判する

 国民民主党は、安倍元首相が始めた量的緩和政策(アベノミクス第一の矢)に賛成の立場を取っている。この金融緩和によって、多くの人々が職を得ることができ、雇用情勢も景気も大幅に改善した。本来であれば日本の衰退が加速するはずの場面で、衰退を食い止めたと評価すべきである。実際に、金融緩和に積極的なリフレ派の日銀委員任命同意人事でも、国民民主党は賛成した。

 他方、国民民主党と政策が近いと一般人におもわれている立憲民主党は、アベノミクスを「失敗であった」と全否定している。上記の日銀同意人事でも、国民民主党が賛成したのに対し、立憲民主党は共産党とともに反対した。

 金融緩和賛成の国民民主党と金融緩和反対の左派野党の間で、根本的な経済政策の違いが出ているのだ。国民民主党は、自民党政権が行う金融緩和は認めた上で、財政政策をもっとやるべきだと提案している。国民民主党と立憲民主党の経済政策は、全然似ていない。

 なお、国民民主党は、衆院選の重点政策として、以下のような積極財政策を掲げている。

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【国会戦略】法案賛成率だけでは見えない国民民主党の「是々非々」の姿勢

 共産党から維新の会までの全野党が、「野党は反対だけではない」というアピールに躍起である。しかし、本当に反対ばかりではないかは、各政党ごとに検証すべきである。

 「法案賛成率が高いからなんでも反対ではない」と喧伝する政党がある。しかし、法案の多くは、反対の余地のない事務処理的な法案が占める以上、どの政党も8割以上の法案に賛成するものである。したがって、法案賛成率でもって、反対ばかりでないと結論を出すことはできない。

 むしろ、与党が提出した重要法案にどのような対応をしているかが重要である。

 国民民主党は、昨年9月の分党(新国民民主成立)後、以下のように多くの「重要法案」に賛成している。これらは国民投票法改正を除けばすべて、立憲民主党が共産党と共に反対し国民民主党が賛成したものだ。

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 例えば、安全保障上重要な土地を外国人や外資が所有する際に規制を行う重要土地規制法も、国民民主党は賛成である。これは、衆院選の公約で示したとおり、「自分の国は自分で守る」姿勢を明確にしたものといえる。

 原発立地特措法でも、政府の原発政策に強硬な反対論を振りかざす左派野党とは異なり、法案に賛成をしている。

 経済政策の項目でもあげた日銀同意人事での賛成も賛成し、アベノミクスを全否定するのではなく、良い点(金融緩和)は賛成をし、積極財政が足りないという悪い点を補うというスタンスを、明確化させている。

 その一方新型コロナ特措法改正では、自民党案が十分な補償を明示しなかったことを理由に反対している。反対ばかりではないことはもちろん、自分たちの考えに合わないものは、修正協議を尽くした末に反対するのだ。

 もはや、維新以外の野党で何でも反対でない野党は、国民民主党だけであろう。

 実際に、国会質疑の時間配分でも、スキャンダル追及を避けて政策提案を重視していることが明らかである。写真は、昨年11月4日の衆院予算委員会における、玉木雄一郎代表の質問時間配分である。学術会議問題など政権へのスキャンダル追及は一切封印し、国民生活に関する議論(経済政策、コロナ感染対策)に時間を多く投下したことがわかる。

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 徐々に第三波拡大の兆しが見えた昨年のこの時期であるが、半分以上の時間を学術会議問題に費やした他党の代表とは、対照的である。

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与党の補完勢力にもならない

 以上のような、なんでも反対ではないスタンスでいると、左派野党の関係者から、「国民民主党は与党の補完勢力だ」と批判されることが多い。

 しかし、国民民主党は徹底的に野党の一員であるという姿勢を見せている。

 野党国対委員長会談には呼ばれて左派野党と協議を行う場面が時々報道される。また、菅内閣不信任案には、菅政権の経済政策を批判した上で賛成した。国会閉会後は、臨時国会開催も要求している。

 以上の理由から、国民民主党を与党の補完勢力扱いする意見も、見当違いであると言える。

結局国民民主党のスタンスとは

 国民民主党のスタンスは、中道の野党である。だからこそ、左翼連合と化している市民連合の共通政策にサインせず独自の政策を掲げているし、与党には国会を開くように求めている。

 その姿勢は、国民民主党のCMにも表れている。最後に添付するこの動画を見てほしい。玉木代表が、「与党のものであれ、野党のものであれ、正しいものは賛成し、間違っているものは間違っていると主張する」と語る通りである。

 国民民主党の目指す国家社会は「みんなが幸せに暮らし将来に希望を持てる国」である。成長だけ、分配だけではなく、「成長も分配も」が国民民主党の目指す国家像である。



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