スピッツ「シャララ」 誰でもいい 少しでもいいから 優しくしてほしい
アルバム「おるたな」の11曲目。アルバム初収録曲集であり、多数のカバー曲も収録されている。
シャララは「魔法のことば」のカップリング曲。いつもながら、草野さんの詩は明確な解釈はできないのですが、「引っ込み思案だけど、はみ出しものにあこがれる少年」みたいな存在を勝手に想像しています。
まさにわたし自身。心の中ではいろいろ思っても、結局は体裁をつくろってしまうんですよね。
冒頭の一節で、真面目一辺倒の少年を描いて、
「シャラララ、シャラララ シャラララ」
と繰り返す。
で、次の展開で、
「そんなのは俺じゃない すべてをぶち壊してやりたい」
とちゃぶ台をひっくり返す。
実際に行動に移しているわけではなく、自分の頭の中にだけある妄想のようなものなのではないかしら?共感できるわあ。
この曲で、最も好きなのは次の一節。
「優しくしてくれ 誰でもいいから 少しでもいいから 優しくしてほしい」
という泣き言。これがとっても素敵だ。なかなかこの思いを歌詞にするのは難しくないかしら?みんなの心の声だけどね。優しくしてもらいたいけど、そのまま表現するのは難しいもん。
シャララがリリースされた後に出されたフジファブリックの「タイムマシン」という曲があるんだけど、その歌詞の中で、「誰か 誰でもいいよ 優しくしてくれないかい」という部分がある。全くイメージの異なる曲だけど、共通点があるなあ、と思ったことを覚えている。どちらも、大好きで大切な曲。
その後、2009年12月24日にフジファブリックのボーカル、志村正彦は亡くなってしまったけどね。またの機会に書きたい。
軽快なリズムに乗せた「シャララ」ですが、中身はとっても深い。
誰か、優しくしてくれないかなあ・・・。
2022年6月13日 トラジロウ
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