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スピッツのライブ「猫ちぐらの夕べ」 2020年11月26日

DVDとCDが届いてから、結局、昨日も夜更かしして一曲一曲、聴いてしまった。今日も仕事から帰ってきてから、聴いている。もう1時か。

2020年11月26日、東京ガーデンシアターで開催された「スピッツ コンサート 2020 猫ちぐらの夕べ」。

先日、有明サンセットが開かれたのが猫ちぐらと同じ、この会場だった。2022年9月には新型コロナもいったんの落ち着きを見せ、有明サンセットはフルで観客を入れての実施だった。たぶん、それが約8000人。

20年11月はコロナ1年目。いろいろな制限が強くて、四国から東京に行くのは非常に難しかった。なので、断念した。猫ちぐらのブックレットの写真を見る限り、かなりの空席を設けて、厳正な人数制限を実施しての「コンサート」。立ち上がることも、声を上げることもできない制限の中で、それでも懸命に開催することを模索して実施された。キャパの半分も入れてない状態に見える・・・。それでも、ライブをやることの大切さを感じとりたかったんだよね。

改めて、セットリストを見ながら、一曲ずつ聞いていくと、声を上げられないことを大前提にした選曲になっている。人を集めることで、新型コロナの感染が拡大して、ファンの健康を害するわけにはいかない。いろいろ考えて、このセトリができあがったんだろう。優しいセトリ。

ものすごく思いがこもった選曲になっていることを実感させられる。

1 恋のはじまり
2 ルキンフォー
3 空も飛べるはず
4 あじさい通り
5 スカーレット
6 小さな生き物
7 魚
8 ハートが帰らない
9 猫になりたい
10 君だけを
11 僕のギター
12 猫ちぐら
13 フェイクファー
14 楓
15 みなと
16 魔法のコトバ
17 正夢
18 初恋クレイジー
19 ウサギのバイク
20 ハネモノ

観客は声を上げられない中で、必死で拍手をしている。そのことを意識してなのか、CD音源にはしっかりと拍手の音を入れている。

コロナ禍の中で、必死で観客とともにつくり上げたこの空間にいたかったなあ。

「8823」とか「エスカルゴ」とか「みそか」とか「恋する凡人」とか「メモリーズ」とか「醒めない」とか。
そんな曲は一切、入っていない。

「空も飛べるはず」を終えてのMC1。
草野「どうも、こんばんわ。
今日はスピッツの猫ちぐらの夕べに、大変な中、ようこそいらっしゃいました。ありがとうございます。
なんかねえ。めちゃめちゃライブ、久しぶりなんですよ。あの、ご存じのとおりもいらっしゃると思いますけど」
三輪「1月だね。大阪でやったね」
草野「1月以来なんで。ちょっと要領が分かんなくてね。忘れて。すごく基本的なことまで忘れちゃったりして」
三輪「大丈夫?ちゃんと呼吸してますか?」
会場:シーン。
田村「そっか、そういうのでさ、いつもだったら、クスクスって笑いが来るけど」
草野「クスクスも禁止なんですか?」
会場:クスクス
三輪「どこまで禁止なの?」
草野「手はどうなの?動いていいの?」
会場:拍手
草野さん手を振って「手はオッケーなの?あ、なるほど、あ、うれし、ありがと」
草野「あとなんか、あの、空も飛べるはずを歌ってる時に、『君と出会った奇跡が』って、こう揺れてる人がいて、よし今日は君のために歌うぞと決めたんだよ、さっき。どこの人かは言わないよ」
三輪「みんな、揺れた方がいいぞ」
草野「有明ガーデンシアター、初めてやる会場でもありますが。まさに、ちょっとこう丸い感じが猫ちぐらな感じがいたします。猫ちぐらの中に、みんなでこもって、楽しい夜を過ごしたいな、と。楽しい夜にしますんで。あの、最後までごゆるりと。今日は、あまり激しい曲はやんないんですけども、ごゆるりとお楽しみにいただけると」
三輪「ほんと、俺きょう、なんかやばいよ。なんか言っても、だれも笑ってくれないんでしょ」
草野「生配信だったらやばいよね。なるべくMC、なるべくカットしないようにいきたいんですけどね。あの、今年のヒット曲メドレーとか言って、『香水』とか歌おうとしたんだけど、それはやめてくれって。それでは、最後までよろしくお願いします」

MC2(「魚」の後)
草野「2020年は本当にイレギュラーな年で、あっという間に過ぎちゃって。そのあいだ、スピッツは予定していたツアーも延期になったりしまして。ステイホームの時期は、メンバーもそうだったと思うんですけど、自分は何者なんだろうってちょっと、バンドマンとしてのアイデンティティーの揺らぎみたいなものがあって。いつのまにか、バンドマンとしての自分というよりも、どうぶつのもりの住民としての自分の方が大きくなってきちゃって。きょうはこうやって、バンドマンとしてのアイデンティティーをまたよみがえらせてくださったという、皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。なんか、終わっちゃいそうなMCですけど、まだまだ続くんですけど。スタッフもこうやって場所をまたつくってくれて。本当に感謝感謝のバンドマンです」
三輪「ま、こういうトーンになるわなあ。衣装自体、白と黒で合わしてるしさ」
会場:シーン
三輪「あれ?」
会場:クスクス
三輪「分かってる、分かってる。通じてるよ。マスクが揺れてるもん」

MC3(僕のギターの後)
草野さんがエッセンシャルワーカーへの感謝を語りつつ、鬼滅の刃のこととか触れて。「猫ちぐら」へ。

アンコール3曲が
「初恋クレイジー」「ウサギのバイク」「ハネモノ」
って、最高じゃない?

MC4(初恋クレイジーの後)
田村「ようやくね。ライブ勘が戻った。今日って、みんな立っちゃいけないんでしょ。声も出したら、いけないとか。みんな制約があって、俺もなんか『いつものライブと違うな』って感じで、やっちゃってた感じがあるんだけど。やっぱライブは、ライブだね。みんながいてくれる限り、ライブだよ」

草野「スタジオでバンドだけでやってるのと全然違うんですよ。熱くなる感じとか。なんかよみがえらせてくれたね」
田村「ほんと、みんなありがとう。これから先どうなるかわかんないじゃん。きょうは一歩踏み出せた気がした。ほんと、みんなありがとう。本当に今日は、楽しかったというよりも、うれしかった。これからもスピッツは続いていくぜ。田村でした」
クージー「できてよかったし、幸せな空間ですね。とても素敵な空間なので、来年とかできるといいですね。きっと、また会えるよ。約束しなくても」
﨑山「本当に今日は楽しかったです。すごい緊張したんですけど、心を燃やせって自分に言い聞かして。ほんとうにもう。ありがとうございました」
三輪「今日は、うれしいというか、感謝の気持ちでいっぱいです。声援もいいんだけどさあ、心のこもった拍手って、すごい伝わるんだなって、きょう改めて、思いました。本当にありがとうございます。延期になっているツアー、来年は必ずやれるといいね。信じて、皆さん、待っててください。僕らも頑張ります。みんなも頑張りましょう。今日はほんとにありがとう」
草野「いい空間、いい空気をみんなで、つくっていただいて、一人一人全員にお礼を言いたいです。ありがとうございました。今日来てくださった1人が欠けてもこれはできなかったと思うんで、一人一人全員です。こんな緩いバンドですけど、面白い歌をこれからも届けようとがんばっていきますので、よろしくお願いします」

その場にいなかったのに、泣けるわ・・・。

2022年10月21日 トラジロウ

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