私の腕をギュッと掴んだ老婆の話
こんばんは、とらぎつねです。
怪談風なタイトルにしましたが、私の祖母の思い出話です(笑)
昨日で30日連続投稿を終えたので、今日はちょっと短い記事で箸休めします。
母方の祖父母とは小学校低学年時代に数年、一緒に住んでいた時期がありました。
祖母はもともと温厚な人で、とっても優しかったことをよく覚えています。
いつもニコニコ、ちょっとふくよかな祖母は「まるい、やわらかい」イメージそのものです。
そんな祖母はしかし、くも膜下出血や癌などの大病を患い、ついに私が小学校高学年のときに亡くなってしまいます。
思い出は、亡くなる直前。
祖母が集中治療室に入ってしまった頃です。
この頃はもう呼吸器をつけ、私と母は防護服みたいなものを着て面会に行った記憶があります。
場所はもう普通の病室ではなく、祖母も苦しそうで喋ることもできていませんでした。
ただ意識ははっきりしており、苦しそうな祖母と目が合ったことは覚えています。
そして長居もできないため、ちょっと顔を見て帰るという時。
祖母が私の腕をギュッと掴んできました。
母親に「ほら、行くよ」と反対の手を引かれたのですが、祖母が強く強く掴んだまま離しません。
あの優しかった祖母が、腕が痛くなるくらい握っているのです。
しかしその内力尽きたのか、だらんと腕を垂らして私の腕は離されました。
「ばあちゃん、寂しかったから行って欲しくなかったのかな」
と、当時の私は考えていました。
しかし今になって思います。
あれは祖母からの「遺言」だったのではないかと。
もう喋れない祖母は、私の腕を全力で掴むことでしか表現できなかったのではないか。
「強く生きなさい」「ばあちゃんのこと忘れないでね」「幸せにね」
そんな想いがあの時のばあちゃんの左手にはあったのではないかと思うんです。
私はこれまでの人生経験の中で、ときどき運が良かったなと思う場面が何度かありました。
自分は守護霊強いのかな?と思っているのですが、ばあちゃんが見ていてくれているなら嬉しく思います。
皆さんは肉親との別れは経験していますでしょうか。
また近い内、ばあちゃんと、今はじいちゃんも一緒の納骨堂に遺骨がありますので、会いに行ってみようかと思います。
みなさんもぜひ。今年はあまり密集しないほうがいいでしょうから、お盆を避けてお参りしてはいかがでしょうか。
きっといつでも歓迎してくれますよ。
それでは、また次回。
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