野口良平「幕末人物列伝 攘夷と開国」 第一話 大黒屋光太夫(その4)
*ヘッダー画像:「魯西亜国漂舶聞書 巻之二」、山下恒夫編纂『大黒屋光太夫史料集 第二巻』日本評論社より。
〔光太夫ら十一名の漂民、岩穴で休息する図〕=同書キャプション、p386
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第一話 大黒屋光太夫(その4)
【2】(のつづき)
光太夫たちは、ロシア人と先住民の苛酷な支配・被支配関係も理解した。
ロシア人は皇帝の役人の不在を隠れ蓑にして、アレウトにラッコやアザラシを獲らせながら、ろくな代償も与えない。収穫が減じれば半殺