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無知の知と言語化

私はIT関連のことに詳しいと周囲に思われているらしく、先日もタスクバーにニュースと関心事(windows10)を表示させないようにできないか?という相談を持ち掛けられました。以前、twitterでも同じようなツィートが流れていたように、詳しいのではなく、困っている人の代わりに調べているだけなんです。ただ最近、気が付いたのですが、この手の相談って、皆さん「あれ」とか「これ」と言いながら実演して説明するんですよね。今回の場合、「タスクバー」という名称を知っていれば、検索して調べることもできたのでしょうが、知らないので調べることができなかったという訳です。

「無知の知」(正確には不知の自覚のようです)とは、「自分が知らないことを自覚する」という意味をもつ言葉です。現代社会では、インターネットの普及により情報へのアクセスが容易になりました。一見すると、インターネットによって何でも調べることができると思われるかもしれません。しかし、言語化できない事柄については、情報を検索することも容易ではありません。「知らないことを自覚して言語化できる」ーそれが、課題解決の第一歩なのかもしれません。

諸般の事情があって、数年前に私はコーチングに関わることになりました。その当時、コーチングに関しては数冊の本に目を通した程度の知識しかなく、スキル自体は未熟だったと思います。ただ、クライアントが「自分の課題を言語化できていなかった」ので、このままでは課題が解決しないだろうなと感じて、コーチングを引き受けることにしました。

コーチングを通じて、クライアントには幾つかの書籍を読んでもらうことにしました。特に、マーケティングの本は理解しにくいだろうなと思ったこともあり、輪読しながら、私もクライアントと共に理解を深めることにしました。最初にコーチング着手した頃は、課題が言葉にできなかったクライアントだったのですが、気が付くと課題だけではなく、状況を整理し、どうすれば解決できるのかを説明することができるようになっていました。

以前、「つまようじから木の匂いがする」というクレームから考える「バカと無知の壁」というタイトルで橘 玲さんの書籍紹介記事を目にしたことがあります。「自分が知らないことを自覚できない」とこんな奇妙なことが起こるという事例だと思うのですが、日常生活の中で「自分が知らないことを自覚できる」機会ってなかなかないのではないでしょうか?
書籍を選ぶ必要はあるのですが、本を読むことで「自分が知らないことを自覚できる」機会が得られるのではないかと思います。

コーチングでは、本を読むだけでなく、いろいろな取り組みをしたのですが、書籍が役に立ってくれたのは間違いないと思っています。「無知の知と言語化」は、私たちが直面する課題に対して、自覚し、言葉にできる能力を持つことの重要性を示しています。そして、課題を言語化してクライアントから引き出すのが、コーチングだと個人的には考えていました。コーチングを通じて、クライアントが成長していく姿を見て、自分もコーチングスキルをもっと向上させたいと考えるようになりました。継続を希望されたこともあって、コーチングのスキルアップについて、調べてみたのですが、コーチングは私が想像していたのとは、全く違っていました。この話の続きはまた、次回記載できればと思います。

追記
コーチングのスキルアップを考えていたのは、クライアントの次の課題設定をどうしようか迷っていたという背景があります。今回の記事を書くために、いろいろと調べて取捨選択したのですが、その中によさそうなものが見つかりました。言語化おそるべし。そう言えば、樺沢さんが言語化の魔力という本を出されているようです。まだ、読んだことはないのですが、時間ができたら読んでみたいと考えています。


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