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情緒価値で書くコピー

先日、バナー制作の依頼をいただいた。コピー作成が主の依頼であり、それにデザインを施してイメージを追加した。

正直なところ、依頼を受けたとき、どのようなコピーを求められているのかよくわからなかった。

反応を取るためなら、ダイレクトレスポンスコピーといって、メリットベネフィットがはっきりしていて、顧客を今すぐ行動させる煽るようなコピーが有効だ。

なにはなくとも、手応え、ゴールということであれば、迷わずダイレクトレスポンスコピー一択だろう。

でも、ご依頼は違っていた。

わたしがターゲット層と被っているからか、心情がわかるだろうということ。

ということで、恐怖を煽るのではなく、読んでくれる人にプレゼントを渡すような気持ちで書いた。

女性向けの女性に対する思いを込めたコピー。

今すぐ、早くしなきゃ損する!とバーゲンセールに走る女性に向けてではなく、自分に大切なものをきちんと選び取ることができる女性のためのもの。

そういう女性に対しては礼儀が必要だから

「あなたに差し上げたいんです」

という礼儀をもって対することにした。

こうして集まる女性たちと、損したくないという気持ちを煽るのとでは、そのあとのビジネスの様相も全然違ったものになると思う。

だからといって、どこかで聞いたような上部の言葉だと誰の心にも届かない。

顧客が共感する言葉と未来のエールを贈ることができたら、きっとそのメッセージふさわしい人が受けとってくれる。

一方で、恐れを煽るマーケティングに辟易としながらも、それが数字を取れるセオリーだと言われれば、それに従った方がよいとも思うので迷う。

人は得られるチャンスを見逃すことより、失うことを避ける習性があるため、そういうものなのだ。

ただ女性向けのビジネスに関しては、目前の登録率に惑わされるのではなく、全体最適されていた方がよいというのが私の個人的スタンスだ。

男性と女性とでは、基本的に違うのだ。

女性向けのビジネスに関しては、数やパワーを求めていない人がほとんどだ。

メリットやベネフィットによって決めるのではなく、情緒価値をすり合わせながら、価値観の合う人と付き合いたいのが女性だ。

これからの時代は、女性性の時代と言われているだけあって、なおさら情緒や感覚が重要になってくるだろう。

今回のコピーは、そうした仮説も含めた納品であり、きっとオーナーさんもそうして反応率を観察してくださっていることと思う。

そのコピーを見て顧客になった人物が、オーナーからみた理想客であることを願う。



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