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【翻訳部辞書:G】Gin

こんにちは。プロジェクトマネージャーの小沢です。以前書いた記事にもさらりとお酒の話を書いたことがあるのでお察しの方もいらっしゃるかもしれませんが、お酒が好きです。ビール、ワイン、シャンパン、焼酎、日本酒などなど、基本なんでもいけるクチですが、ここ最近はめっぽうお酒に弱くなってきてしまったので、量は控えるように心がけています。

今日は、昨年の夏にはまったGin(ジン)について調べてみたら面白かったので紹介してみたいと思います。

Gin

まず、「ジン」でネット検索をしてみたら、切れ長の目のイケメン君の写真が出てきて思わずクリックしてしまいました。韓国の歌手グループBTSのメンバーにJIN君という子がいるんですね!仕事の合間にいい目の保養になりました。

話題がそれましたが、お酒のジンについてです。ジンは大麦、ライ麦、じゃがいもなどを原料とした蒸留酒(別名スピリッツ)で、もともとは薬酒として生まれたそうです*1。西洋ネズ(Juniperus communis)というヒノキ科ビャクシン属の針葉樹からとれる、ジュニパーベリー(Juniper berry)という実で香りづけをしてあるのが特徴です*2。そういえばヒノキのような香りがするような…

*1 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%B3_(%E8%92%B8%E7%95%99%E9%85%92)

*2 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%A4%E3%83%A8%E3%82%A6%E3%83%8D%E3%82%BA

では、「蒸留酒」ってなんなのでしょう。お酒好きと公言しながらもこれまで真面目に勉強したことがなかったのでこれを機に調べてみました。

蒸留酒は、醸造酒を蒸留して作ったお酒です*3。では「醸造酒」とはなんなのか?醸造酒は、原料を酵母によりアルコール発酵させて作られたお酒。基本的にアルコール発酵させたままの状態で飲まれるものだそうですね。厳密にいうとそれぞれ製法は異なりますが、ワイン、シードル、ビール、日本酒はこれにあたります*4。

*3 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%92%B8%E7%95%99%E9%85%92

*4 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%86%B8%E9%80%A0%E9%85%92

蒸留酒の代表格は、ジン、泡盛、ウイスキー、焼酎、テキーラ、ブランデー、グラッパ、ラム酒。いかにもアルコール度数の強そうな面々ですね。それでは別名スピリッツと呼ばれる所以はなんなのか…(知らない言葉を調べ始めると芋づる式で他の言葉も気になりますよね。永遠に引き終わらない英英辞典のよう)。

スピリッツ

日本語で、「スピリッツ、お酒、なぜ」というキーワードで検索をして最初に出てきたページ*5にはこう書いてありました。

和訳すれば”精神”という名のお酒「スピリッツ」

(前半略…)

高温で熱してつくられたものがまるで炎から誕生したお酒といわれるようになり、人間の魂にはたらきかけ、肉体を目覚めさせ、また活力を与えるものとなっているから

*5 https://yoshidaya.co.jp/sake-trivia/%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%84/

とあります。ここですぐに納得せずに根拠を求めようとするのが翻訳部に身を置く者の性でしょうか。英語のサイトに似たような話が書いていないかを調べてみました。

すると、こちらのページ にそれらしき記述がありました。なんでも3つの説があるとのこと。

1つ目は、紀元前4世紀にアリストテレスが名付けたとされる説で、蒸留されたビールやワインを飲むと、それを飲んだ人の身体に「精気」を与えたから。ただし、古代ギリシャ語では、スピリットにあたる言葉には“プネウマ”という言葉が使われていたそうなので、信ぴょう性は低いようです。また、当時アルコールの蒸留は一般的ではなかったとのこと。

2つ目は、新約聖書では聖霊(Holy Spirit)として「鳩」、「息」、「炎」、「風」、「水」が挙げられていますが、『使徒言行録』の2章13節で、聖霊が弟子たちに与える影響が、新酒を飲みすぎて酩酊した状態のようだと表現していることから、スピリットとお酒を関連付けたという説。

最後の説は、中近東の錬金術師たちが金を作るためだけではなく、薬を作るために液体を蒸留し、蒸留されたものをその元の液体の「精神(スピリット)」を抽出したと表現したことに起因していると。初めてアルコールためだけに蒸留を始めたのは、Roman Llullというフランシスコ修道士だったとあります。

修道士がお酒?と意外に思いましたが、修道院とお酒の歴史は古いようで、16世紀ごろから薬酒として作られていたようです。そして今でもそのレシピで作られているお酒もあるとのこと。気になります。

最初の日本語のサイトに書いてあった説明でもなるほど、と納得する部分はありましたが、掘り下げてみると奥深いです。

酒は飲んでも飲まれるな

ちょうど帰宅した小4の長女に「仕事で、どうして『精神』や『生命』を表す”Spirit”がお酒の別名として使われたのかを調べている(どんな仕事やねん)」と話をしたら、「お酒を飲みすぎると精神をやられるからじゃないの?」との意見が!そのときは、「たしかに酔っぱらっておかしくなる人もいるけどねぇ~」と笑い飛ばしましたが、ジンとイギリスの歴史を調べていたら、ジンは人を狂わすお酒だったということが書かれている情報を見つけました*6。

*6 https://www.spiritofharrogate.co.uk/blogs/news/why-was-gin-nicknamed-mother-s-ruin

とにかく安く手に入るお酒だったため、多くの民衆が飲むようになり、果ては飲みすぎで育児放棄する女性などもいたため、ジンに”Mother’s Ruin”(母の破滅)という異名がついたとか。調べてみるとジンの商品名としても存在しているようです。

https://www.gincident.co.za/product/mothers-ruin-gin-750-ml/

育児を放棄することはありませんが、ジンの飲みすぎにはくれぐれも気を付けたいと思います。


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