株式会社トップスタジオ / 翻訳部
トップスタジオ社内のレビューアーと翻訳者が経験から学んだ、「もっと読みやすい、良い訳文を作るためのコツ」をご紹介します。
辞書のようにA~Zのアルファベットごとにその文字で始まる言葉を取り上げて、翻訳部のメンバーが自由に記事を書いています。
こんにちは。レビューアーの阿久津です。今回は、産業翻訳に欠かせない翻訳スタイルガイドについて説明します。特に、翻訳を発注する側のみなさんにお読みいただきたく思います。 産業翻訳におけるスタイルガイド翻訳スタイルガイドとは、ひと言で言うなら、翻訳時の文章に関するさまざまな決まりごとを定めた資料のことです。 多くの場合は、翻訳を依頼する側の企業が社内で作成し、翻訳会社にリファレンスとして渡します。しかし、社内にそういった知見のない企業の場合は、翻訳会社に翻訳とは別料金でスタイ
こんにちは。レビューアーの佐藤です。「英文の意味が正しく訳出されているのに、なぜか読みにくい訳文」というものがあります。そうした訳文によく見られる特徴の1つは、「開けたドアをなかなか閉めない」ことです。翻訳における「ドアの開け閉め」とは何でしょうか?具体例を交えて見ていきましょう。 「開けたドアをなかなか閉めない」翻訳先に説明しておくと、ここで言う「開けたドアをなかなか閉めない」とは、言葉の意味や目的を確定させないまま放置している時間が長いことを指します。ドアを開けたまま、
こんにちは。レビューアーの佐藤です。以前に「原文の情報を無意識にカットしていないか?」という注意喚起の記事を書きました。これは翻訳者なら誰しもはまる落とし穴であり、非常に改善の難しい問題です(もしまだお読みでない場合は、ぜひそちらを先にお読みください)。前の記事では人称代名詞まわりの表現に注目しましたが、今回は別の角度から、この問題に迫ってみたいと思います。 海でひとりでバナナボートで遊ぶさて、この小見出しを見て何か気づいた点はないでしょうか?日本語話者ならば、この一文を見
こんにちは。レビューアーの佐藤です。今回は、"continue"という単語の訳し方のバリエーションについて考えてみます。 いつでも「し続ける」でいいのか?ギリシャ神話のシシフォス(シーシュポス)のエピソードを知っていますか?神の怒りを買い、巨大な岩を山頂まで押し上げる苦役を永遠にし続けることになった人物の話です。今日の本題はギリシャ神話ではなく、"continue"という動詞の訳し方ですが、レビューをしていると、この動詞をひたすら「~し続ける」と訳すタイプの翻訳者に出会うこ
こんにちは。レビューアーの佐藤です。翻訳者から提出された訳文をチェックしていてよく感じるのは、「原文の単語を一つひとつ丁寧に訳したんだろうけど、その文で何を言おうとしているかが見えてないな」ということです。個々の単語やフレーズに向き合うのはもちろん大切ですが、狭い範囲だけを見ていると、重要なことを見落としてしまう場合があります。今日はその具体例として、「未来を表す現在進行形」を取り上げたいと思います。 確かに学校ではそう教わった ―― 「be動詞 + ~ing」は「~してい
こんにちは。レビューアーの佐藤です。今回はちょっと短めに、私が以前、無意識に犯していた間違いを告白して反省したいと思います。たぶん、多くの翻訳者がやってしまっている間違いだと思います。 別に問題ないように見えるけど……いろいろ言う前に、まずは例を見てみましょう。あるメーカーのデジタル戦略の実績を紹介する資料からの抜粋です。 ぱっと見た感じ、特に問題はありません。10人の翻訳者がいたら、9人ぐらいは似たような訳を提出してくるのではないかと思います。ただ、「立ち上げ」の主語で
こんにちは。プロジェクトマネージャーの小沢です。翻訳業界以外の方がCATと聞いて頭に思い描くのは猫、ですよね。私もその一人でした。いっぽう、翻訳業界の人たちが大文字でCATというワードを見たら、CAT(Computer Assisted Translation)ツール、つまり翻訳支援ツールを連想するのではないかと思います。 CATツールは、noteの中でも何度か登場しましたが、実際どのようなツールを使っていて、それぞれどのような利点や欠点があるのかを、トップスタジオの翻訳者
こんにちは、プロジェクトマネージャーの小沢です。今日はハロウィーン当日ですが、ちょっと季節を先取りして、11月に控えているThanksgiving Dayについてです。日本でも11月になると「ブラックフライデー」という言葉が巷にあふれるようになりましたね。わたしもちゃっかり便乗し、何かこの機会に買っておくべきものはないかと目を光らせています。昨年は超特大のプロテインと、小さなスーツケースを購入しました。 「ブラックフライデー」は、アメリカの重要イベント、Thanksgivi
こんにちは。プロジェクトマネージャーの小沢です。ここ最近、いろんなテーマのトップ5記事を紹介していますが、今回は翻訳者を目指す人に特に読んでもらいたい記事をピックアップしてご紹介したいと思います。※これまでの各トップ5にランクインしている記事は除きます。 翻訳者との出会いートライアルについて翻訳会社から翻訳の仕事を受ける際の登竜門となる「トライアル」について書いた記事です。特にトップスタジオのトライアルについてと、翻訳以外にこういった点も見ているんですよ、ということを書いて
こんにちは。プロジェクトマネージャーの小沢です。翻訳部辞書シーズン1のWCに続き、2度目のwの担当です。今回は英和辞典をパラパラめくってwから始まる単語探しをしていたのですが、wは意外とネタになりそうな単語が多いことに気が付きました。今回選んだ単語は”Wig”です。辞書の”wig”の挿絵として描かれている、かつらをかぶっている紳士に目が留まりました。 よく学校の音楽室に肖像画が飾られている、ヨーロッパの音楽家たちが身に着けているあれです。そもそも、挿絵の多くない辞書なのにな
こんにちは。プロジェクトマネージャーの小沢です。これまで、「全期間のなかでの人気記事トップ5」と、「【翻訳のヒント」の人気記事トップ5」をご紹介しましたが、今回は「【翻訳部辞書】シリーズのトップ5」をピックアップしてみました。 【翻訳部辞書】は辞書のようにA~Zのアルファベットごとにその文字で始まる言葉を取り上げて、翻訳部のメンバーが自由に書いている記事です。 さっそく5位から見てみましょう! 第5位 【翻訳部辞書:S】 sensitive(小島) 本屋さんでよく見か
こんにちは。プロジェクトマネージャーの小沢です。今回は人気のシリーズ【翻訳のヒント】のトップ5をまとめてみました。翻訳だけでなく、日本語で文章を書くうえでのヒントにもなると思います。※全期間の人気記事トップ5に含まれているものは除きます。 では、第5位から見ていきましょう。 第5位【翻訳のヒント】「行う」の使いすぎに注意(佐藤) 「行う」は「評価を行う」や「回答を行う」など、「名詞+行う」で動詞を表現できてしまうという便利さゆえに、安易に使いすぎてしまいがちな言葉のひと
こんにちは。プロジェクトマネージャーの小沢です。みなさん、ラジオはお聴きになりますか?fはなかなか思い浮かぶ単語がなかったのですが、紙の辞書をめくっていて”fine”、“fun”、”favorite”などのポジティブな単語が目につきました。それらの単語から連想して“FM radio”という単語が降りてきたので、かつてよく聴いていたラジオのことを書いてみます。 ラジオの思い出 むかしはラジオといえばリアルタイムか、もしくはカセットテープやMDに録音しないと聴けないものでした
こんにちは。プロジェクトマネージャーの小沢です。Zはなかなか思い浮かばずまたも動物ネタですが、お気に入りの映画のひとつである、ディズニー映画の『ズートピア』について書いてみたいと思います。 もともと、アニメは観るほうではなかったのですが、6歳と9歳の娘が2人いるもので、子どもが生まれてからはよく観るようになりました。最近は『SPY×FAMILY』の放送を毎週楽しみにしています。 『ズートピア』ってどんな映画?『ズートピア』は、ウサギの新米女性警官、ジュディ・ホップスが「ズ
こんにちは。プロジェクトマネージャーの小沢です。今回はS。去年の9月に、20年ぶりにしたショートヘアにまつわるお話を書こうと思います。 実はわたし、1本1本がうねっているレベルのくせっ毛で、子供のころは鳥山明先生の漫画、『 Dr.スランプ アラレちゃん 』(例えが昭和)の「ガッちゃん」みたいな頭をしていました。なので、基本は髪を伸ばして結ぶのが一番楽なのですが、何年かに一度、「ショートにしたい!!」という想いが爆発します。でも美容師さんに相談しては止められて、結局まと
こんにちは。プロジェクトマネージャーの小沢です。 トップスタジオの翻訳部の部屋noteをはじめてから、約2年になります。今回は、この約2年間でよく読まれた記事のうちトップ5をご紹介したいと思います。noteの[ダッシュボード]には、「全期間」、「年」、「月」、「週」ごとの「ビュー」、「コメント」、「スキ」数を確認できる機能があるので、そのデータから今回のランキングを出しました。 ※noteのダッシュボードに関する記事 それでは、第5位からいってみましょう。 第5位