見出し画像

【翻訳部アンケート】翻訳者の辞書事情

こんにちは。プロジェクトマネージャーの小沢です。みなさん、辞書や辞典といえばどんなものを頭に思い浮かべますか?紙ですか?それとも電子辞書でしょうか。

この翻訳部noteの中でも、翻訳のセミナーなどでも、翻訳の仕事をするうえで辞書を引くことの大切さがよくうたわれていますが、トップスタジオの翻訳者たちはいったいどんな辞書を使っているのか、とても興味があったので聞いてみました。プロジェクトマネージャーたちにも答えてもらっています。

今回の質問は3つです。

・翻訳作業で使っている辞書はどんなものがありますか?電子か紙かなど含めて教えてください。
・それらの辞書のいいところを教えてください。
・こんな辞書があったらいいなというものはありますか。

まずは1つめと2つめの回答を合わせて見ていきましょう。

翻訳作業で使っている辞書はどんなものがありますか?電子か紙かなど含めて教えてください。それらの辞書のいいところを教えてください。

翻訳者たちが使っている辞書から紹介します!

オフライン辞書で挙がっていたのは、こちら。

・昔々のMicrosoft OfficeについてきたMicrosoft Bookshelf Basic ver.2
・ジーニアス英和大辞典
・ランダムハウス英語辞典
・研究者リーダーズプラス
・広辞苑第四版
・カシオXD-SR20000(電子辞書)

Microsoft Bookshelfはイディオムを検索しやすいらしく、ずっと使っているとのこと。Wikipediaによると、Microsoft Bookshelfはマイクロソフトのオフィススイート「Microsoft Office」に付属されていた辞書ソフトだそうです。英和・和英辞典としては小学館の「プログレッシブ英和中辞典」、国語辞典も入っています。イディオムを検索しやすいというのは魅力的ですね。https://ja.wikipedia.org/wiki/Microsoft_Bookshelf_Basic

ジーニアスは語義がたくさん載っているのがいいという声と、高校時代から使っていて思い入れがあり、かつ文法語法情報が充実していて、英文を書くときに使いやすいという声がありました。ランダムハウスも語義が多いそうです。

カシオXD-SR20000はとにかく英語系の辞書の数が多いのが魅力、とあったので、どんな辞書が入っているのか書きだしてみようと思いましたが、英語の辞書・辞典だけで36冊もあるのでやめました。辞書や辞典以外に、論文やスピーチの英語表現に関する本や、コミュニケーション力を高めるための本も入っています。英語とは関係がありませんが、クラシック名曲1000フレーズや、3000文学作品も楽しめるとか。最近の電子辞書はすごいですね。https://casio.jp/exword/products/XD-SR20000/

Web系で挙がったのはこちら。

・ジャパンナレッジPersonal+R(サブスクリプションサービス)
・研究社 Online Dictionary(サブスクリプションサービス)
・英辞郎 on the WEB
・ロングマン英英辞典
・コウビルド米語 英英辞書(iOSの「辞書 by 物書堂」アプリ)
・goo辞書のデジタル大辞泉(国語辞典)

これら以外にも必要に応じて各種類語辞典を使用しているとのこと。マーケティング翻訳をするようになってからは、表現を練るために類語辞典の使用頻度が増えたそうです。以前は建築系、化学系の辞典を持っていたものの、最近はWebで調べたほうが便利ということで手放してしまったという翻訳者もいました。

オンライン辞書はパソコンから目や手を離すことなく検索できるため作業効率が上がるのがGoodですね。「英辞郎 on the WEB」はイディオム検索が便利で、英日、日英両方を手軽に引くことができ、新しめの使い方が載っていることも多いという理由で使っている人がちらほら。

次に、プロジェクトマネージャーからの回答も紹介します。こちらはオンラインの辞書のみが挙がっていました。

・コトバンク
・英辞郎 on the WEB Pro Lite
・Lingee
・DMM英会話なんてuKnow?

コトバンクのいい点は、1つの辞書だけでなく、複数の辞書、辞典、データベースの結果を比較することができるとのこと。用語解説の信頼性を重視しており、掲載している辞書は実績のある出版社や、その分野においての知識が豊富な企業などから提供されたもので構成されているそうです。日本語から他の言語を調べるときも、日本語の意味や用法を確認するときなどにも重宝しそうです。

英辞郎 on the WEB Pro Lite は例文が豊富で流用ができるということと、LingeeとDMM英会話なんてuKnow?は、英語でメールを書く際に、自然な言い回しになっているかを確認するのに便利だそうです。

やはり、翻訳者とプロジェクトマネージャーでは目的が異なるので、使う辞書の種類が違ってきますね。翻訳者たちの辞書の多さに驚きました。さすがプロですね。

さて、最後の質問にうつりましょう。

こんな辞書があったらいいなというものはありますか。

特にありません、という声もありましたが、なるほど!と思う回答もありました。

世界のあらゆる国と地域の地名、人名を読み上げてくれる辞書。カタカナ表記しなければならないケースもあり、いつも難儀するようです。うなずいていらっしゃる翻訳者の方、多いと思います。

他には、うろ覚えなど曖昧な言葉について、候補を多く挙げてくれるものがあったらいいな、という意見や、例文と、使う時のシチュエーションの説明、関連する画像などがあるといいという意見がありました。

これを読んでくださっているどなたかが夢をかなえてくれるといいですね。

以上、今回は辞書についてのアンケートでした。翻訳のお仕事をされている、もしくは翻訳の勉強をされている方々の参考になればと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?