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【シリーズ】あるじとしもべのダイアローグ(4)

「しもべゴルァ〜」
「どうしましたあるじ 私は最近阪神タイガースが好調でゴキゲンです」
「何が阪神タイガースやねん ワイを見よ 下半身痛い気ガースやねん」
「え?どういうことですか?」
「おまい人のダジャレをスルーってどーゆーことやねんな」
「あるじ、人じゃなくて猫じゃないですか」
「細かいこと言うな おまいも猫に人間の言葉でしゃべりかけとるやないか」
「まあそれはそうですね 設定上しかたない」
「そんなことはどうでもええねん ワイが言うてるのは今朝の話や」
「ああ、今朝… ハイハイ お疲れ様でしたね今日は」
「お疲れ様でしたやあらへんがな ワイ何回も言うてるやろ ワイはでかい犬と獣医さんがダイキライやて💢 今日も無理矢理カバンいれよって メチャこわかったやんけ」
「怖かったのはわたくしのほうですよ… 昨日オフトンの上にダイビングしてきた時、あれっお股から血が出てる!ってなりましたから…あんなのはじめて見ましたからね」
「血が出てしもうてん 出てしもたもんはしょうがない」
「痛かったでしょうに。しもべとして、あのままあるじを放置できないでしょ…それに早朝はかなり痛そうにしてたじゃないですか だから行きつけの先生のところに今回もお邪魔した次第」
「また点滴打たれたやんけ おまいワイのあのときの苦悶の表情見ましたか?ワイはもうほんとに…でかい犬と点滴だけがダイキライやねん 天敵やねん テンテキだけに」
「ダジャレをおっしゃる余裕はおありのようで」
「まあな ワイはたくましいネコチャンやからね」
「たくましいネコチャンだったら、お股をなめなめするのは我慢しましょうよ」
「アホ デリケートなお股は男子の持って生まれたカルマやないか」
「そうなんですか」
「いやしらんけど たぶん そういうもんやねん せやけど先生も言うとったな エリザベスカラー外してる時期に自分で舐めちゃったからそれで腫れたんやろて」
「ほんと、そんなことってあるんですねえ」
「あるらしいな まあええやないか おかげで原因もわかったし あとはなんとかなるやろ 知らんけど」
「ほんとに早く治るといいんですけどね…そんなわけですから、以後お股なめなめは禁止です エリザベスカラー生活でお願いしますね」
「ワイこれほんといやなんだよな〜 どうしてもつけてないとダメ?」
「ダメです」
「お股がかゆくなっても?」
「だからこそダメです」
「お薬だけで治せっていうの… 人間、マジで猫に対して扱いがひどいって思う」
「あるじのためを思えばこそです お薬もそのままだと全然飲んでくれないから、投薬補助剤というのを取り寄せてるんですよ まったくもう」


「あれおいしいよね しもべのくせになかなかワイのツボを心得とると思うて感心しました」
「あれも決して安くないんですからね…取り寄せにもけっこう日数かかりますし。ともかく、こういうのは早く治しましょう」
「治さなあかんな〜 あー日本に来てからだいぶこの悩みから遠ざかってたけど、急にくるなあこーゆーの」

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「私も油断していました。すみませんね、やはり下部尿路ケアのごはんを維持するべきでしたねえ でもあれ、太りやすいから食べ過ぎに気をつけるようにって先生がアドバイスされてましたでしょ」
「そやねん 日本に来てから体重8kgいきかけたもんな メシウマーだからね長崎は」
「最近はようやく7kgあたりで落ち着きましたね」
「体重もケアして、下部尿路もケアしての人生やねんな…」
「そうです 人生とはケアを続けるというもの」
「なーもうホントにめんどくさい… こんな生活…」
「こんな生活… 何ですか?」
「やってられるケァー!といった風情やんな…」
「…」
「…」
「…いいんですかそれがオチで…」
「…ええんちゃうかな…」

(次回に続く!)

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