私が考える「当事者性」

私が主宰する「ピアサポート轍(wadachi)」の規約に書いた前文です。普通、団体の規約や会則などには「前文」なんてないけれど、どこかで私の考えを明確にする場所が欲しかった。できるだけ多くの人に読んでもらいたいと思い、あえてホームページの投稿に載せることにしました。

すべての人が例外なく各人の生涯において何らかの当事者となりうる。社会は自己と他者とによって構成されている。社会の構成員である私たちは、当事者と非当事者とのお互いの言動を鏡として、自己覚知と他者理解とを深める必要がある。
ピアとしての言動は当事者相互の価値観の中で対等に尊重され補完されなければならない。ピアサポートの場として、また専門的知識だけでは理解することのできない体験的知識を交換する場として、私たちはその”場“を提供する。
私たち当事者会に参加した人たちは、当事者会を通して生きづらさを抱えるピアの仲間たちを得た。私たちは点在する様々な立場の当事者を相互に結びつけ、より多くの新しい仲間の交流の場を広げることを目的とする。私たちは「ピアサポート轍(wadachi)」のもと、様々な当事者と非当事者とのネットワークを形成する。また、それぞれの当事者会の質を担保するために当事者会運営者の資質と能力との向上を図る。ネットワークの拡大により私たちの社会にセーフティネットを形成する。セーフティネットを拡げ、生きづらさを抱える当事者の自助努力を促す。当事者相互の言動を鏡として自己覚知と他者理解とを深める。
私たちはありのままの自分とありのままの他者とを受け入れることのできる社会を望む。多様な自他が共生する社会の形成過程において、私たちの当事者活動はその一助となることを目指す。それぞれの多様性が自他ともに対等に尊重される社会の形成を目的とする。
(以上、2020©鈴木俊行)

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