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【高校情報Ⅰ 問題集・教科書】著作権、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス

■著作権、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス■

教科書のページ数(200ページ前後)の関係だとおもいますが、
出版社違いで教員研修用教材より、かなり省略されている部分があります。
教員研修用教材の内容を重要度順に「ABCDEF」とすると。
A社教科書「ABCF」
B社教科書「ABDE」
みたいな感じです。。

今まで2冊に分けていた教科書を1冊にしたうえで、プログラミングがメインになった分、教科書作る方も何を優先して掲載するか、かなり頭抱えたと思ってます。

私の解説は、「ABCDEF」+αにしています。
バイブルとして網羅したいので、教科書2ページ分が、5~6ページ分になっていますが。。

情報Ⅰ共通テスト対策 書籍出版します!



■資料ダウンロード■

情報教育の底上げが目的なので、資料を修正して、
学校・塾(営利目的含む)の授業等で利用して頂いて問題ありません。
私への連絡不要ですが、利用する際には、
YouTubeチャンネル・情報Ⅰ動画教科書・IT用語動画辞典を
紹介してもらえると嬉しいです。

■問題集
PDF
https://toppakou.com/info1/download/06_著作権/06_【問題】著作権.pdf

紙ベースだと難しいですが、ICT授業ということで1ページに著作権の階層纏めました。エクセル原本も提供しているので、いじってテスト対策等に使ってもらえると嬉しいです。

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GoodNotes
https://toppakou.com/info1/download/06_著作権/06_【問題】著作権.goodnotes

■答え
エクセル原本
https://toppakou.com/info1/download/06_著作権/06_【答え】著作権.xlsx

PDF
https://toppakou.com/info1/download/06_著作権/06_【答え】著作権.pdf


■パワーポイント
https://toppakou.com/info1/download/06_著作権/06_著作権.pptx

■学習指導案
https://toppakou.com/info1/download/06_著作権/【学習指導案】06_著作権.docx


■文字おこし■

前回は知的財産権の内、産業財産権について説明したので、今回は著作権について詳しく説明していきます。

これは、私がさきほど描いた絵です。
この絵を描いた時点で、著作権という権利が発生しています。

著作権は、著作権法という法律で定められていてその目的は
「著作物の公正な利用に留意しつつ、著作者などの権利の保護をはかることによって、文化の発展に寄与すること」になります。

著作権法の著作物は「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」と定義されています。

前回説明した産業財産権と違って、著作権は、この著作物が創作された時点で自動的に付与される権利になります。これを無方式主義と言います。
著作権法は、1899年の明治32年に制定されて、その後時代の変化に合わせて何度も改正されています。

著作権とは非常に範囲が広く、皆が著作権と言っているのは広義の意味での著作権の場合が多いです。
広義の意味の著作権は、著作者の権利である著作権と伝達者の権利である著作隣接権に分かれます。さらに著作者の権利は著作者人格権と著作権(財産権)に分けられます。著作権(財産権)は狭義の意味での著作権となります。

伝達者の権利である著作隣接権は、実演家人格権と財産権に分けられます。

それぞれさらに細分化されるので、まずは著作者人格権から説明していきます。
著作者人格権は著作者の人格的な利益を保護する権利のことで、
公表権、氏名表示権、同一性保持権などがあります。

・公表権 は 著作物を公表するか決める権利
・氏名表示権 は 著作物の公表にあたって、氏名を表示するかしないか、表示するなら実名にするか匿名にするかを決める権利
・同一性保持権 は 著作物の内容などを意に反して改版されない権利なります。

この著作者人格権は、譲渡したり、相続したりすることはできません。
保護期間は、著作者の生存している期間のみで著作者の死後、権利は消滅します。


著作権(財産権)は、著作物の利用を許諾したり禁止したりするための権利で、狭義の著作権と言われることもあります。

数は多いですが、代表的なものを確認していきます。

複製権 著作物を印刷、写真、複写、録音、録画などの方法によって有形的に再製する権利
上演権・演奏権 著作物を公に上演したり、演奏したりする(上演、演奏の録音物を再生することを含む)権利
上映権 著作物を公に上映する権利
公衆送信権・公の伝達権 著作物を自動公衆送信したり、放送したり、有線放送したり、また、それらの公衆送信された著作物を受信装置を使って公に伝達する権利
*自動公衆送信とは、サーバーなどに蓄積された情報を公衆からのアクセスに応じ自動的に送信することをいう。また、そのサーバーに蓄積された段階を送信可能化という。
口述権 言語の著作物を朗読などの方法により口頭で公に伝える(口述の録音物を再生することを含む)権利
展示権 美術の著作物と未発行の写真の著作物の原作品を公に展示する権利
頒布権 映画の著作物の複製物を頒布(販売・貸与など)する権利
譲渡権 映画以外の著作物の原作品又は複製物を公衆へ譲渡する権利
貸与権 映画以外の著作物の複製物を公衆へ貸与する権利
翻訳権・翻案権など 著作物を翻訳、編曲、変形、翻案等する権利(二次的著作物を創作する権利)
二次的著作物の利用権 自分の著作物を原作品とする二次的著作物を利用(上記の各権利に係る行為)することについて、二次的著作物の著作権者が持つものと同じ権利
転載:著作者にはどんな権利がある? | 著作権って何? | 著作権Q&A | 公益社団法人著作権情報センター CRIC
 https://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime2.html

今説明したように著作権(財産権)は、経済的利益のための権利であることから、譲渡したり、相続したりすることができます。
保護期間は、著作者が死亡した年の翌年の1月1日から起算して70年間となっています。
映画などは、公開した次の年から起算して70年間となっています。

知的財産権により保護されていた創作物が、権利の保護期間を経過して、社会の公共財産としてだれでも自由に利用できるようになったものをパブリックドメインと言います。

―――
次に、伝達者の権利である著作隣接権について説明していきます。
歌手や俳優等の実演家、放送事業者、CD等の製作者など、著作物などを公衆に伝達する人や事業者を著作隣接者といいます。その人や組織が持つ権利のことを著作隣接権といいます。

著作隣接権は、大きく実演家人格権と財産権に分けられます。
実演家人格権は氏名表示権と同一性保持権ががありますが、これはさっき説明した著作者人格権と同じ権利になります。

財産権は、許諾権と報酬請求権があります。
許諾権は
 録音権・録画兼、送信可能化権、貸与権があります。
・録音権・録画権
 実演家が実演を録音・録画することを他人に許可する権利
・送信可能化権
 実演家が、インターネットなどを利用して、著作物を公衆からの要求に応じて自動的に送信できる状態にすることを他人に許可する権利
・貸与権
 実演家とCD等の製作者が商業用のCD等を貸与することを他人に許可する 権利になります。

報酬請求権は、商業用のレコードの二次使用料を受ける権利や貸与報酬を受ける権利になります。

学校の先生が授業で市販の問題集の問題の一部をコピーして配っていたのは
著作権に違反していないのでしょうか?

著作権法の目的で「公正な利用」がありますが、その立場に立って、例外的な規定が沢山あります。
こちらの文化庁のホームページに例外規定が沢山載っていますが
ここでは代表的なもののみ説明します。

転載
著作物が自由に使える場合 | 文化庁 (bunka.go.jp)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/chosakubutsu_jiyu.html

私的使用のための複製
(第30条)  家庭内で仕事以外の目的のために使用するために,著作物を複製することができる。同様の目的であれば,翻訳,編曲,変形,翻案もできる。

図書館等における複製
(第31条)  公立図書館など政令で定められた図書館で、営利目的でない場合に、著作物の一部分を1人1部のみを複製できる。

引用
(第32条) 論文を記述する際には他人の著作物の文言を使って説明をしたい場合があります。自分自身の著作物に他人の著作物を引用して利用することができます。 
引用にはルールがあって、誰のどの本から、どの部分を引用したかを明確に分かるようにしなければいけません。
引用に用いられる文献は、引用文献と言います。そのまま引用するのではなく、色んな文献を含めて、自分自身の言葉で書き直すなど著作物を創作する際に参考にした文献を参考文献と言います。

教科用図書等への掲載
(第33条)  学校教育の目的上必要と認められる限度で教科書に掲載することができる。※一部抜粋

教育機関における複製等
(第35条)  教育を担任する者やその授業を受ける者(学習者)は,授業の過程で使用するために著作物を複製することができる。

試験問題としての複製等
(第36条)  入学試験や採用試験などの問題として著作物を複製すること,インターネット等を利用して試験を行う際には公衆送信することができる。

視覚障害者等のための複製等
(第37条)  [1]点字によって複製,あるいは,点字データとしてコンピュータへ蓄積しコンピュータ・ネットワークを通じて送信することができる。同様の目的であれば,翻訳もできる。


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他人の著作物を利用する場合は、例外規定に当てはまる場合を除いて、許諾を得る必要があります。
先に、著作者が自ら著作物の利用条件を意思表示できるものとしてクリエイティブ・コモンズ・ライセンスというものがあります。
このようなマークの組み合わせで利用条件を意思表示するものになります。

マークには4種類あって、
BY(表示)
著作者や作品に関する情報を表記しなければならないという意思表示


NC(非営利)
営利目的での利用を禁止する。
もし営利目的で使用したい場合は、直接著作権者にコンタクトを取って許諾を得るなどの必要がある。

ND(改変禁止)
作品自体を改変(加工・編集)せずに、
作品の全部または一部をそのまま利用するようにという意思表示。


SA(継承)
作品の改変は可能だが、もし作品を改変して新しい作品を作った場合には、
その新しい作品にも元の作品と同じライセンスを付けることを要求するアイコン

例えば、「NC(非営利)」と「SA(継承)」の付いた作品を改変して新たな作品を作成した場合は、新しい作品にも「NC(非営利)」と「SA(継承)」のアイコンをつけなければいけません。




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