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読書感想2024#7 「9割が間違っている 「たんぱく質」の摂り方」

2024年7冊目の読書感想文は「9割が間違っている 「たんぱく質」の摂り方」金津里佳著(青春出版社・2023年発行)です。

私は日頃から健康的な食生活をしていて、食に関する書物も数冊読んで、知識もあると思っていました。しかし、この本を読んでまだまだ知らなかったことがある、むしろちょっと間違った健康法をやっていたかもと気付かされました。

またこの本の趣旨とは少しずれますが、人間の健康にとって良い食事というのは他の動物たちや自然環境にも良いということを改めて認識しました。
その訳は後述するとして、以下に目から鱗が出た箇所をまとめました。

これまでの私の常識を覆す事実


衝撃ポイント1

〜プロテインをおすすめする対象は、咀嚼が困難になったご高齢の方、または大会前のアスリートの方のみです。

この本

ここでいうプロテインというのは、薬局などでもよく売っているプロテインパウダーのことです。私は毎朝ヨーグルトにかけて、そしてトレーニング後も必ず摂取するようにしていました。(だってきんにくんが起きたらまず飲めみたいに言ってたし🥺)
それがアスリート、しかも大会前のタイミングだけでいいというくらいですから、素人には全く必要がないということになります。

なぜ著者はプロテインパウダーをおすすめしないのか。
理由は5つあるそうです。

  1. 消化不良を起こし、体に負担がかかる為

  2. アレルギー反応が起きやすくなる為

  3. 熱処理されたタンパク質は効果が期待できない為

  4. 人工甘味料や香料など不要物質の摂取につながる為

  5. 尿素窒素が上昇し、筋肉が壊される為

まず1と2については、腸粘膜が弛んでいる人やタンパク質が不足している人の場合です。こういった人はプロテインを摂取しても、消化酵素が働かず、消化不良を起こし、さらに未消化のタンパク質は異物として体に認識されるのでアレルギー症状を引き起こす抗体を作りやすくなるのだそうです。

4は例えばザバスなんかは有名ブランドで昔私も常飲していましたが、アスパルテームという合成甘味料が入っていますので、継続して摂取するのはやめたほうがいいですね。

5なんか筋肉のためにプロテインを摂っている人からしたら全くもって本末転倒だということになります。


衝撃ポイント2

~玄米などを食べ続けていると、人は貧血になってしまう

この本

私は毎食玄米でした。理由はほぼ糖質である白米は、体からしたら砂糖を摂取しているみたいなものだ、だから穀物を摂るなら食物繊維やミネラルがある未精製の穀物(玄米)にすべきだ、となんかの本に書いてあったからです。ですが、この本の著者曰く、穀物の外皮に含まれるフィチン酸は鉄や亜鉛と吸着し体外に出してしまうのだそうです。
ですので、常食する場合は、白米と玄米の間である胚芽米をチョイスするといいんじゃないかなと思います。

積極的に摂りたいと思った食材


亜麻仁油

良い油で細胞膜の質が良くなると、血管の流動性が上がり、血流がよくなるので、網膜や体の端の細かい血管まで栄養が届くようになるからです。

この本

最近、温泉卵に亜麻仁油とお醤油をかけたものを毎朝食べていますが、なんとなく肌がモチっと柔らかくなったような気がします。(気のせいかも)

注意が必要な食材


牛肉・豚肉

著者はタンパク質は肉や魚、卵を中心に足りない場合は大豆製品をプラスして摂るのが良いと述べています。肉にはタンパク質だけでなく、ビタミンB群、亜鉛、体で利用しやすいヘム鉄がたっぷり含まれており、目安として1食に150g食べられるようになると良く、ステーキであれば赤身肉が良いとのこと。

しかし私が読んだ別の本では、肉の摂取を積極的に勧めないものも多いです。例えばある本では、赤身肉の定期的な摂取は腎機能を低下させる、また牛や豚の肉は発がん性物質を作ると記載があります。あまり肉ばかり食べるのではなく、やはりバランスよく、魚や大豆製品も摂るようにする必要がありそうです。

さらに肉を食べる場合、大きな注意点があります。
それはその肉の元となった動物がどんな環境で飼育されたかまで意識をする、ということです。この本でも安い肉は、質の悪い飼料で育てられているので、油の質が悪いと書かれています。例えば牛は草食動物で、本来牧草などを啄む生き物ですが、流通している肉の多くはトウモロコシや米などの穀物を餌として与えられており、脂肪の組成が全く変わってしまうのだそうです。

この本の内容から少しズレますが、これは現在の工業式畜産がもたらす弊害でもあります。近代以降、生産性や効率を突き詰めた結果、畜産動物たちは空の下の農場から狭苦しい工場へと押し込められました。そこで穀物や魚粉などを与えられ、脂肪の多い肉(消費者の好む味)をいかに少ないスペースで大量に生産するかという資本主義の犠牲となってしまいました。
十分な換気もされていない場所に動物たちが押し込まれると病原菌が発生します。これを防ぐために抗生物質が投与されます。全世界の抗生物質の6〜7割は畜産に使われているのだそうです。それは何を意味するかというと、抗生物質が含まれた肉を食べ続ければ、食べた人間にも抗生物質が蓄積されていきます。それはつまり細菌が抗生物質に対して、耐性を獲得していくということであり、これまで有効であった多くの感染症に対して抗生物質が効かなるということです。工業式畜産の問題は他にも環境汚染や気候変動など、多くの問題があります。(よく牛のゲップが温室効果ガスに寄与していると言われますが、育て方に問題があるのです。)

質が悪い、さらには病気になりやすくなるリスクが多くの肉にはあるので、スーパーなどで売られている肉は極力摂取しない方がいいです。この本でも勧められていますが、肉はグラスフェッドが最良です。味もとても良いとのこと。そして動物たちの尊厳も守れます。唯一の欠点は価格が高いことですが、健康と自然環境を大切にすることはお金では測れない価値があるのではないでしょうか。
とはいえ私は貧乏なので、時々スーパーの肉(なるべく高く、抗生物質不使用の記載があるもの)を買って、たまーに専門店でグラスフェッド肉(クソ高い)を買ってありがたくいただいています。


まとめ


総じて思うのは、自分たちの商品を売りたいメーカーの情報、そのメーカーに買われた科学者の情報、どこの影響も受けていない情報、そしてそれも時間の経過でどんどんアップデートする。
つまり色んな情報が溢れている今、食という体を構成する一番大切な行為を守るためには常に冷静に積極的に情報を更新していかないといけないんだなと思いました。

最後ふわっとしましたが、お読みいただきありがとうございました。

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