見出し画像

壊れたいのに壊れない 4

いつから強くなったのだろう?

今始まったことじゃ無い。

小学校の同級生と大人になって再開した。

そんなに仲良かったわけじゃ無いのに、

それでも田舎の知り合いに出会うと懐かしいと思う。

案の定、そんなに会話は弾まない。

大人になったからといって、根本的に合わないものは合わないのだ。

ただ帰り際に、

「少しも変わって無いね。話し方も考え方も。」

そう言われて、えっ?、と、思ったけど、

何度も咀嚼して、なんだか納得した。

結局何も変わっていないんだ。

成長する過程で、色んな言葉を覚えて、器用に使えるようになっても

根本的に変わっていない。

着太りするくらい重ね着しても、中身は一緒らしい。

人間そんなに変われるものでは無い。

自分もその一人だったと気付かされて、なんだか可笑しくなった。

それを考えるともっと昔から変わっていない気がする。

壊れない私を作り出したのは、もっと小さい時の記憶。

幼少期の人間関係だ。

私はもう大人で子供はいないけど、

どんなに小さい子供でもコミュニティは存在していて、

人間関係が成り立っている事を知っている。

5歳にもなれば女子はもう女子なのだ。

リーダーとその取り巻き。

その小さいコミュニティに反抗すると、

総スカンを食らう。

コミュニティに寄り添って生きていける娘は、

その後の人生も上手くやっていける気がする。

私はそれができなかった。

本を読み、草花を観察し、知的好奇心を埋める事の方が何倍も楽しかった。

人形遊びもゲームもあまり好きになれなかった。

仕方ない。楽しくないのだから。

それを楽しいと思えたら幸せだったのだろうか?

あまりそう思っていないけど。

とにかく、その時に生まれて初めて、

いじめというものに触れた。

急に周りから人がいなくなった。

男子も口を聞いてくれなくなった。

のちに、女子が手を回していたと知った。

5歳だょ。

もうすっかり女子は女子なのだ。

私がとった行動は、平常心。

いじめられているという劣等感を敵に見せないこと。

なぜそうしようと思ったのだろう?

よく覚えていないけど、

負けたくなかったんだと思う。

誰に?

自分に。

いじめられている惨めな女の子と思いたくなかったんだ。

ただそれはどうして、効果的だった。

所詮、コミュニティは小さい世界。

属していない女の子と少しずつ話をするようになった。

そんなことが無ければ話すことも無いような、言葉を選ばなければ地味な女の子達。

ただ彼女達は、絵が上手かったり、話が面白かったり、

人間としてボリュームがあった。

私の知らなかった世界を見せてくれた。

男の子もまた、そんな女子の企みにずっと付き合ういわれもなく、

変わらない私を見てか、時の流れせいか、恐らく両方の理由で、また遊ぶようになった。

壊れない女は誕生した。

とても良いスタートだ。

この栄光にしがみついて、

これから長い戦いが続くとは、

私も想像できなかった。 

#恋愛  #日記 #エッセイ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?