「誰が勇者を殺したか」感想
「誰が勇者を殺したか」(駄犬著)を読みました。
もともとweb版を読んでいて非常に面白かった記憶があり書店に寄ったときに見つけて、内容が加筆されていると聞いていたので購入しました。
魔王を倒した後、亡くなった勇者の足跡を辿るために行われた調査として、勇者パーティーの仲間達の話を聞くという構成なのだが、「話→勇者視点での当時→仲間視点での当時」という流れを繰り返すことにより勇者がどのような人物だったのか、彼らが勇者に対してどのような感情を抱いているのかということを鮮明に描写している作品。
先程の流れを踏まえつつ、勇者の内面を掘り下げながら物語を進める構成の上手さが非常に際立つ作品。彼らの勇者への感情と、勇者からの彼らへの感情が同時に流れ込んでき、物語の登場人物全員をいつの間にか自然と好きになってしまう。
web版にはなかった仲間視点での当時の描写が追加されたことで物語の奥行きが増し、読み応えも増した「誰が勇者を殺したか」をぜひ文庫で読んでほしいです。
追記
作者さんは44から小説を書き始められたらしくそれから約1年でこの作品を書き上げられたとのこと。凄まじい才能とかいうレベルではない。
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