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あたまのなか@本

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読んだ本の感想や書評について書いています。1冊読んだら、1つ書く。
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#書評

「しっかりしている」と言われるのが嫌な理由

以前、「しっかりしているね」と言われるのが嫌いなことを書いた。 多分、この理由は、「しっかりしなさい」って子どもの頃母に言われたからだと思う。 「お姉ちゃんなんだからしっかりしなさい」 「出先なんだからしっかりして」 20歳になる弟が、先日、母親に向かって、「相当オレを甘やかして育てたよねぇ?美沙(私)に結構ひどいこと言ってたよね。」って言ったらしい。 笑いながら、弟って母親と姉のこと、そう見てたんだ〜と思ってしまった。 どこか、心のなかで”しっかりしていなきゃいけ

発酵の「民族誌」〜発酵文化人類学〜

小倉ヒラクさんの『発酵文化人類学』を読んだ。 発酵文化人類学 微生物から見た社会のカタチ https://www.amazon.co.jp/dp/4863241127/ref=cm_sw_r_cp_api_i_DktPCbFE0MGRB きっかけは、ぬか漬けをはじめたことだった。 結局最後まで読まなかったんだけど、二日酔いの原理がわかってよかった! 私は社会学を専攻していたけど、ゼミの教授が文化人類学も専門だったから、よく受けていて、楽しかった記憶が蘇ってきた。

「普通がいい」という病

『「普通がいい」という病』を読んだ。 やぎぺーさんのツイートを朝見て、出勤前に購入。 心と頭、主観と客観などがよくわかる1冊だった。現代には頭>心の人が多いとか、死ぬことは眠ることと同義だ、とか。 マジョリティとマイノリティの話では、マジョリティは大通りを行くが、マイノリティは小径を行く、という表現で表されていた。 「皆が行っているからそれでいいんだ」と大通りを歩く人は、自分自身で判断をしていないし、そもそもこの道がどこに行くかもわかってない。そういう意味で自分の

なりたいのは「モバイルボヘミアン」

端的に言うと、私は「モバイルボヘミアン」になりたい。 モバイルボヘミアンとは、副題の通り「旅するように働き、生きること」である。ノマドワーカーの一歩先。デジタルデバイスを駆使して、生活と仕事の垣。根なく暮らすことなのだ。 フットワークが軽い性格だ。 あまり先の予定は決めたくないし、世界中のいろんな景色を見たいし、その時のわくわくを大切にしながら生きたいし、身軽でいたいし、自分が大大大好きなものに囲まれて、大大大好きなときめく自分でいたい。 巻末の言葉に動かされた。

人は仮装しながら、仮想の人生を生きている

はあちゅうさんの小説『仮想人生』を読んだ。 前半は重くて暗くて、朝に読むものじゃないな、と思ったくらい。登場人物たちがTwitter上で生きる「仮想」の世界は、色がない世界にみえた。後半かけて物語に色がつき、最後は温かみを感じる物語だった。 登場人物の描写から伝わってくるのは、虚無感、寂しさ、孤独、人には打ち明けられない秘密、受け入れたくない事実などなど…。見たくないものから目を背けるために、自分を守るために、人は仮装しながら、仮想の人生を生きている。Twitterの裏