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自分の人生の主役にすらなれない

永遠のダイエッターである私が1番痩せたのは、高校生の頃と言っても過言では無い。


痩せることを誓った私は運動メインのダイエットで健康的に痩せ始め、気付いた頃には例の女子たちにも「土偶」と呼ばれることはなくなった。変貌していく私へ向けた彼女達からの困惑の視線は気持ち良いものにもなってきたし、廊下を歩くことも怖いと思わなくなった。

痩せると胸を張って歩くことが出来るんだ。
人前で笑うことも怖くなくなるんだ。
痩せるだけでこんなにも幸せになれるんだ。
初めて、自分の人生の主役は自分なんだと思えた。


そして同じ頃に年上の彼氏が出来た。
とても穏やかな人でメールや電話も毎日していた。夏祭りも行ったし、寒い冬の散歩デートもした。記念日にはペアリングを買った。大好きだった。世界で一番愛されていると、幸せだと自負していた。
思い出というものは不思議なもので、どんなに辛いことがあったとしても、記憶の中の彼との思い出は幸せだったことしか思い出せない(尚、夫は論外です^-^)。

それでも、絶対的に覚えている辛い記憶というものは存在するわけで。

ある日、彼の同級生に地下アイドルをしている子がいると教えてもらった。どんな子か写真を見せてもらったら、童顔の如何にもな感じの可愛い子だった。いつもだったら可愛い子大好きな私は「めっちゃ可愛いじゃん!」なんてテンションぶち上げで会話を掘り下げる所だったが、おかしな点に気付いてしまった。
彼女の右手薬指の指輪だ。私達のペアリングと全く同じデザインだった。最初は偶然だと思った。いや、思うようにしていた。まさか彼を疑いたくなかった。
けれども疑うことを辞められず、彼女が書いているブログを探し出し見ると、そこには明らかに彼の私物と思わしき物がよく写り込んでいた。そして彼から送られてくる写真にも彼女がよく写り込むことが増えていった。
 

「好きな人が出来た、別れて欲しい」

彼の口からその台詞が出てくるまで、時間はかからなかった。

きっとあの子だ。
女の勘とやらが私にそう告げる。
何故彼があの子の存在を私に教えたのか。きっとあの頃にはもうあの子と付き合っていて、私とは別れたかったのだろう。
ペアリングも同じものにして、なんて姑息な人なんだろう。悔しかった。本当に大好きだったから。大好きな人に汚い裏切り方をされて「わかった」以外の返事が出来ない自分が死ぬほど嫌だった。


自分の人生の主役は自分だ、と。
だから強く生きなさい、と教わって育った。
でも反対に弱い私が出来上がって他者に罵倒される日々が日常だった。
そんな日常が嫌で、強くなるために頑張った。
強くなったら人生の主役になれたと思った。
思っていたのは、私だけだった。


初めて、好きな人に裏切られた17歳の夏。


……To be continued



【こぼれ話】

自分の人生の主役は自分。
この事だけは今でも考えがまとまりません。
「自分がどうしたいか」
「自分がどうするべきか」
それによって自分の人生というものは形成されていく。やるべきことやりたいことをひとつずつやり遂げて人生というものは豊かになっていく。そしてその豊かな人生を謳歌することで人は自分の人生の主役が自分であると実感する。
しかし、幸せというものは脆いです。
まるでガラスの上に立っているかのよう。
あ!今私人生の主役だぞ?なんて思った次の瞬間には、それが幻想だったかのように全て崩れていく。初めから自分の人生の主役なんて空席だったかのように。
ここは自分の本当の思いを書こうと思っているのであえて書かせて頂くと、人と深く付き合うことが怖いなと思っています。現状の事もあるんだとは思いますが。
1人になれば傷付くこともなく自分の人生の主役だと一生錯覚していられそうなのに、1人でいることがとても寂しくなる。本当に面倒な人間だなって思います。
いつか、そんな思いも杞憂だったと思えるような人と出会いたいものです。

そして子どもたちには私みたいな思いを抱くことなく、幸せに生きて欲しいと思っています。



面白可笑しくなんて言っておいて暗い話が続いているから、頑張って次回は笑える部分も書けていけたらいいなア三┏( ^o^)┛

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