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土偶と呼ばれた女

初めて女子特有のハブるという行為を目の当たりにした、小学5年生。
好きな人の好きな人が仲の良い子だった、小学6年生。
隣の席の男の子に恋した、中学1年生。
初めて彼氏が出来た、中学2年生。
孤独だった、中学3年生。





中学3年生、私は人生で初めて「ぼっち」というものを経験した。
所謂オタクで大人しめだった私は、クラス替えに見事失敗して友達や親しい人が一人もいない中学生活最後の1年を迎えた。
元々体型のことで男子からいじめられているのもあって、新しいクラスに溶け込むことも私にとっては難しいことだった。
修学旅行も体育祭も、笑っている私の写真は1つもない。進路が決まってからは午後から登校するようになり、中学は卒業した。

そんな私は何を血迷ったのか、高校入学直前に髪を染めた。本当に血迷っていた。
中学の頃のように扱われないようにするためなのか、単純に高校デビューがしたかったのか今となってはわからないが、そのまま入学式に出席した。


「明日から黒髪にしてきてね」


当たり前だが、入学式早々指導を受けた。
(ここから3年間頭髪検査では黒髪指導が入り続けた)

が、程なくして前の席の美人な子と仲良くなり順調に高校生活はスタートした。


しかし、高校でもいじめというものは無くなることはなかった。
廊下を歩いていると、ある日突然すれ違いざまにとある言葉を投げつけられるようになった。


「うわ、土偶だ」
「土偶が歩いてるよ」
「本当、土偶みたいだよね」


その言葉たちは他のクラスの全く接点のない女子たちから浴びせられた。
後から知った話だが、主犯格女子の彼氏が私と小学校の頃からの友人ということを知り、嫉妬心からその様な行動に出ていたらしい。
中学2年から会話もしてないような関係だし、そんなくだらねぇ嫉妬心で人の心傷付ける言葉吐き出す口は一生塞いでいて欲しいと今でも思っています。土偶というよりほぼ球体みたいな体型だったし、土偶にも失礼じゃないか?一生分の土偶ワードご馳走様でした。(早口)

今ではクソみそに思っているくらいだが、当時の私にとっては廊下を歩くことすら怖くなるくらいのナイフだった。
美人な友達の横を歩くことも怖くなった。いや、寧ろ申し訳ないとさえ思うようになった。
悪口を浴びせられる私の横を歩く彼女の表情は複雑だった。
言われっぱなしで良いのか?良いわけが無い。
でも、言い返せるだけの根性も完璧な容姿もなかった。本当に悔しかった。悔しいのに何も出来ない自分が嫌だった。
こんな弱いままの自分は嫌だ、そう思い私は自分改造計画──────ダイエットを始めることにした。



……To be continued



【こぼれ話】

中学2年の時に付き合った人とは、付き合っただけだったけどデブでブスな私と付き合ってくれて感謝しかないです。

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