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キノコ収穫男とデートした話

私はサブカルチックなマッシュヘアーの男が好きだ。赤ちゃんプレイが大好きな元カレと別れたあと、実はキノコ収穫が趣味であるというカナダ人男性と数回デートをしたことがある。性癖マッシュヘアーが広範囲にわたった結果、趣味の部分にまで及んでしまった。

私の住むオカナガン地方には、レブルストークというリゾート地があり、夏はマウンテンバイク、冬はスキーなど、さまざまなアウトドアアクティビティが楽しめる場所がある。

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1回目のデート以降、自分が採取したキノコを逐一報告してくるようになった彼は、ついに3回目のデートで「1泊2日でレブルストークの山に行ってキノコを採ろう」と打診してきた。

レブルストーク自体には興味があったため承諾したのだが、このことを友人に報告すると、3回目のデートがいきなり山で開催されることを訝しんでいた。1泊2日と言っていたが、どこに泊まるのかも知らされていない。深刻そうな表情をした友人から「山で殺されないように」と忠告をうけた。

デート当日、彼の車で2時間半かけてレブルストークにたどり着く。到着時間が遅かったこともあり、その日はダウンタウンのレストランでタコスを食べ、パブで酒を飲み、近くのホテルで健全に1泊した。このデートにおける唯一の写真がこれであることからも、いかに健全かが伝わるかと思う。まさかのピン写である。

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そして翌日、少し車を走らせて、目的の山まで向かう。少し奥のほうに入っていくと、キノコが群生している場所を見つけた。まさにジャックスポット。彼は興奮気味に収穫したキノコを、持参したであろうキノコ専用マイバッグに詰めていく。私も彼に習い、きれいで食べられそうなキノコを収穫し、彼のバッグに詰めた。

ふたりの男女が人気のない山奥でもくもくとキノコを収穫している。私はこれを「デート」と呼んだが、はたしてこれは「デート」となのだろうか。収穫したばかりのキノコを手にしながら、そんなことを思った。気づかぬうちに、収穫したキノコ数はおよそ30本に及び、彼のキノコバッグがパンパンになったところで収穫祭の幕は閉じた。

1泊2日のデートもといキノコ収穫の旅を終え、2時間半かけて家に送ってもらった。「せっかくだから、キノコ持って帰りなよ」。去り際に、彼は3本のキノコを私に差し出し、こう言ったのである。


収穫した30本のキノコに対して、私の取り分3本なのは正気か?


同じだけの労力を費やしてキノコを収穫したにもかかわらず、取り分の比率が1(私):9(彼)。どこのブラックキノコ生産企業だ。こんなの労働力の搾取である。私はこれをデートとは認めない。もはや労働組合に駆け込んでもいい(キノコ生産業者は労働組合「UFCW」に加入可能)。

しかし私はそんな自分の思いを伝えることができないまま、すでに走り出した彼の車を見つめた。彼が去ったあと、腑に落ちないながらも、収穫した3本のキノコを調理し、キヌアサラダにして食べたのだった。

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それ以降、彼とは連絡を取っていない。

#2000字のドラマ

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