【発達障害ASDの長男#8】中学進学について、公立を拒否した息子。

長男は、ASDとADHDグレー、発達性協調運動障害、軽度知的障害が先天的にあり、思春期の頃から、チック症を発症し、そのまま改善されずトゥレット症になりました。現在は20歳になりしっかり働いています。

前回の続きになります。

いよいよ高学年。忍び寄る不穏。。

とうとう5年生となり、高学年となった。

この頃というのは、特に女子の成長が目まぐるしい。今まで、長男をお世話してくれた女の子たちは、どこへやら・・・。

とうとう、息子は女の子から陰口を言われるようになってしまった。

理由は「バカだから。トロいから。会話にならないから。」

一度、私が何気なく息子の下校の様子を窓から覗いていると、息子の後ろに今まではよくお世話してくれていた女の子たちが並んで歩いていた。

私は耳を疑った。

「バーカ」「何言ってんのー?」「わかんないよー」

え??今、なんて言った?バカって言った?

遠かったので気づかなかったが、帰宅した息子の顔を見ると、涙を流して泣いている。

「なんか言われた?」

(今はこんなふうには聞かないと思う。無言でギュッとした方が良かったかな)

「・・・泣」

カッチーン!!私の悪いくせ。すぐにカーっとなって、

窓を開けて、

「ちょっと!!あんたたち!」と声をかけたが、時、既に遅し。。。ずいぶん先まで行ってしまっていた。

(これも、本当に私の喧嘩っ早い悪い癖。。。こんなことしない方がいい)

「大丈夫だよ。お母さんは味方だよ」

それしか言えなかったが、ムカムカが全毛穴から出ていたと思う。

とうとうこういう時期が来たんだな、、と思った。

息子は、こういうことが良くも悪くもあまり経験がなかったため、どうしていいのかわからなかったんだろうと思う。そして、私もわからなかった。

自分の気持ちを説明することなど難しかったし、私が状況から想像するしかなかった。とにかく、家ではのんびり、美味しいご飯を作って、、を心がけた。

一応、担任にはこの話はしておき、注意深く見てもらうようには頼んだが、正直、あまり意味ないかな、と思った。女子は先生のいるところでは、そんな姿を微塵も見せないからだ。

公立には行きたくない、という

5年生の夏休み前に、「○○中へは行きたくない」と言い出した。

どうして?と聞くと、どうやら小学校で中学を見に行く機会があり、授業の様子を見たら、
「黒板に字がたくさん書いてあって、僕にはそういうのが難しい」、と言った。

息子がこうやって自分の意見をはっきり言う、しかも、理由も言える事は
とても珍しかった。それだけ意思は固そうだな、と思った。

はて、困った。そう言われても、受験などできるような頭脳もない。個別級はどうだろう?と思ったけれど、○○中へは行きたくない、というその言葉。。

単に授業だけではなく、全体的に自分といろんなことが合わない、なんか違うと感じたんだと思う。

本格的に調べ始めた。どんな学校が息子に合うのか、と言う以前に、まず、入れるところはどこだ?という話だった。どう考えても偏差値なんか計測不能域だと思うし、一生懸命勉強して、偏差値上げる!みたいなのは全く、イメージがわかなかった。今のあの子を受け入れてくれる学校。。。どこ〜〜〜〜〜?

とりあえず、発達障害を受け入れている学校について、通級で聞いたり、インターネットで調べたり、とにかく情報をあさり、何校か調べた。

夏休みにあった私立中学の合同説明会に行ってみた。なんとなく居辛かった。明らかに周りと我が家では、来る目的が違う気がして。。とりあえず、事前に調べておいた、「発達障害のある子でも受け入れてくれる学校」のリストの順にブースに回った。

人の多いブースはなんとなく、入り辛かった。そして、説明をしてくれる方も、最初は、「どうぞこちらに!」と明るくしてくれるのだが、「あの、発達障害のある子って受け入れ可能ですか?」と聞くと、受け入れてくれると書いてあったはずなのに、難色を示すところもあった。。

しょんぼりして、一応資料だけもらって、別のブースに行く、という感じだった。

「やっぱさー、ダメなんじゃない?しかも、勉強だってついていけてないし。」

「ま、最後、残り1校あるから、そこ行ってご飯でも食べて帰ろっか。」

と言って、最後に入ったブースが、結局、息子が行った学校となった。

行きたい学校が見つかる。

「あのう、すいません、発達障害があるんですが受け入れて頂けると聞いたのですが、、、」

「はい、もちろん!お座りください」

え〜〜〜、神〜〜〜〜!

すごく印象が良かった。発達障害と言ってもどういう特性のあるお子さんですか?とか、学校の授業の進め方や、選考方法などとても詳しく親切に教えてくれた。

息子の特性や知的レベルまでもかなり細かく説明した。それでも、

「大丈夫ですよ」と笑顔で答えてくれた。

気づけばかなり長い時間、話を聞いていた。話が終わって後ろを見たら、たくさんの人がその学校のブースの椅子に座っていて驚いた。

「え?こんなにいるの?同じような人が・・・」

でもさ、「ここ、良さそうだよね。ひとまず見学だね」ということになった。

後日、ちょうど夏休み中に行われた体験会に息子を連れて行ってみることにした。

感触は上々。本人もかなり乗り気になり、

「この学校がいいな〜」と言い出した。

ただ、1人で電車で通学できるのかな?本当に勉強は大丈夫なのかな?

まだまだわからないことがたくさんあったが、とりあえず、我が家も

当初は全く意図していなかった「中学受験」をすることになった。

ゲームとの出会いと友達。

5年生の頃、息子は念願のDSを手にした。最初は使い方もわからなかったのに、これぞ才能なのか、ゲームは日毎に上達した。息子も夢中になって遊んでいた。
手先がすごーく不器用なはずなのに、ゲームは、なぜかうまい。器用に指先も動かしている。。謎だった。ただ、とても肩に力が入っていた。

週に1度の通級と、週に1度のアトリエと、3年の途中から始めた2週に1度のスポーツ教室にはちゃんと通っていた。通級は、私も相変わらず付き添った。

通級では3人程度の小規模グループ指導が行われるようになり、ゲームや運動、歌やリコーダー、様々な場面からコミュニケーションの取り方を学んでいた。
と言っても、うちの場合は、「もう少し自分から関わる」と言うのが目標だった。

友達とはあまり遊びに行く事はなかったが、たまに誘われて友達の家でゲームしてくる〜と言って、自転車でDSを持って出かけていた。
当時、息子の口から出る友達の名前は1人か2人だった。

案外、ゲームがうまい、といううちの息子の側面が、友達とのいいコミュニケーションツールになっていたような気がする。ゲームについて悪い意見も聞くが、私は、それで息子が他の友達と同じ位置で遊べるのは、とても良い事だと思っていた。(ゲームをおしまいにする時間はちゃんと決めていました。)

一方で、お世話していた女の子はとうとう、自分たち自身のことで手一杯になり、お世話などしてくれなくなった。そればかりか、トロい息子が足手まといのような感じすらあった。思春期に入った女子は厳しい。。。

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