本当の好きの気持ち

たしか、恋人との一年半記念日であった。
恋人が連れて行ってくれようとしてたスペインバルがまさかの閉店ということが分かり、急遽探して行ってみたスペインバル。  

店に入ると"hola!"と陽気に出迎えられ、その雰囲気からしてもう大好きになった。

なんだか分からないけど美味しいタパスと、パエリアと、なんか当時はよく分からなかったけど色々食べた。お酒も飲んだ。

よく言うけど、本当に好きなものってなんで好きなのかよくわかないんだよね、

恋人だって、なんで好きなのか本当のところはよく分からない。存在そのものが好きだからかもしれない。好きなところを挙げたらきりがないんだけど、それらがあるから好きなのかと問われると、また違う気がするのである。

スペインに関しても同じで、好きの要素はたくさんあれど、なぜ好きかと問われると明確な答えが出てこない。

まあ兎にも角にもその日から私は少しずつスペインの虜となってしまったのだ。

スペインバルはどこだって行きたいし、スペイン語も習得したい。鮮やかで美味しい料理、芸術的な建築、陽気な人柄、全部好き。スペインについて知らないこと、全部知りたい。

これだけ物事に没頭しているのは久しぶりである。

私はどこに向かっていってるのだろう、スペインにこのまま、向かって行くのだろうか。