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豚ロース生姜焼き、夜中の拷問

だいたいいつもお弁当を作っている。

そういうと聞こえがいいのか知らないが、
「(若い男なのに)すごいね!」
「節約になるもんね!」
など、さまざまにお言葉をいただくことが多い。

べつに男だろうと女だろうと弁当ぐらい作るだろう、と思うし、
節約したくて作ってるんじゃなくて、自分のごはんは自分であてがうものだとも思っているから作るのである。本当に節約しようと思ったら、多分白米だけ食べる。
(とはいえ、週に一回くらいは誰かが自分のために作ってくれるご飯を食べたい)
言っている彼らには特に悪気はないので何も言わないが。

話がそれそうなので本線に戻ると、
いつも日曜日の夜はお弁当タイムである。
土曜日の朝がた、スーパーでその週のメニウを決めて、で弁当を作るよりもほかにやりたいことが目白押しなので、スーパーお弁当タイムはだいたい日曜日にやってくる。しかも寝る前の1時間とかで作ることになる。
もっと余裕を持って行動しようよ、自分・・・と数時間前の自分を呪いながら、重たくなった瞼をこじ開けてせこせこおかずを準備する。

とはいえ、しょせんは性格ずぼらマン。
なにか一品作るので精一杯なので、必然、肉を焼いたやつ!とかチャーハン!とかがメインになる。タッパーに詰めたご飯におかずを載せるだけのお手軽弁当で、だいたい茶色い。世の中でキャラ弁を作っている主夫・主婦の方が見れば卒倒するような出来栄えである。

土曜日は豚ロースが安かったので、生姜焼きに使用。
買って帰ってからすぐジップロックでたれに付け込んだので、味は染みているはず。(この余裕があるならさっさと作れ)
事前に鉄鍋で玉ねぎを炒める。うすぼんやりとあめ色を帯びてきたらさっと取り出して、豚を焼く。両面こんがりと焼きつけて、きつね色になったら玉ねぎを再度投下。すこしかき混ぜて火を通したら出来上がり。

あとは粗熱をとるだけだが、ということは当然フタをしないで自然冷却するということである。熱と一緒ににおいも漂うことになる。ここで、小さな悲劇が起こった。
夜、布団に入って瞼を閉じる・・・目が疲れている、これはよく眠れそう・・・
なんだろう、すごくいい香りがする。
ああ、焦げた醤油の香りだ。このにおい、たまらんよなあ・・・
扉の間から寝室に潜り込んでくる生姜焼きスメルに、脳みそが刺激される。完全に食欲全開モード。寝るどころではなくなってしまった。

かぐわしいにおいは、時に食欲を増進させ、時に安眠を妨害する。

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