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年中休業うつらうつら日記2024年4月26日~5月10日・GW車中泊1週間の記録(名古屋~金沢~富山~新潟~長野~山梨)

24年4月27日(車中泊1日目・金)

20時半ごろ、せいうちくんがGくんちから車を運んできてくれたので、7泊8日の旅に出発。
冷蔵庫で冷やしたり凍らせたりした飲み物をいろいろ車に置いてあるクーラーボックスに入れたが、出発したあとでたっぷり冷やしておいた「1日1杯これで十分」の野菜ジュースを積み忘れたことに気づいた。
必ずなんか抜けがあるんだ。
よそで買えば済むものなのが幸い。。
まずは名古屋を目指し、高速の方が得意な私がハンドルを握って中央高速を走り、名古屋で降りる手前のサービスエリア、内津峠(うつつとうげ、と読む)で眠ったのが0時半時ごろ。

せいうちくんが言うには私は「飛ばし過ぎ」だそうで、「頼むから〇〇キロはやめてくれえ」と懇願された。
そんなに出してた?下り坂とかでたまたま速度出ちゃっただけでしょ。
でもなぁ、右車線走ってると普通に車間あけてるつもりなのに、前の車がどんどんどいてくれて、まるで私が蹴散らしているみたいになっちゃうんだよね。
一般道を走ってる時、Gくんから「わしより車間が狭い」と言われてるし。
人との距離感が近くなりすぎる傾向のせいかしらん。

24年4月27日(2日目・土)

朝は7時に起きて、Gくんが買っておいてくれてせいうちくんが旅行中の衣服を入れておいてくれたコンテナをベッドキットの下から引っ張り出してもらって、昼間の服装になる。9時には名古屋駅前のトヨタ産業技術記念館が開くのを待っていた。

トヨタが織機から始まった会社だとは全く知らなかったよ。
18年間お膝元近くに住んでいたのに。
こないだGくんとの3人旅行で行ったのは富岡製糸場で、絹糸を取っていたわけだが、
トヨタはとりあえず綿布を作っていたようだった。
なるほど、その駆動エンジンから車の商売へ舵を切ったのね。

ブランチには味噌煮込みうどん、と決めていたのでコンビニで朝食を買ったりはしてない。まことやはチェーン店とは言え、市内に「壇渓通りの」と「天白の」しかないので、名古屋の友人に「まことやに行った」「どっちの?」「天白の方」「あー、そっちね」みたいに通じるのが奇妙な感覚だ。

11時過ぎにこないだは金曜で休店だった「壇渓通りのまことや」にすべり込んで最後の席ゲット。
実はもう「お座敷しかあいてないんですが」と言われ、足腰が畳に向かない私はどうしようかと迷っていたら、1人で来ていた女性のお客さんが「あ、私、座敷でいいですよ」と気軽に替わってくれた。
とてもありがたい。何度も頭を下げておいた。
車を駐車場に入れたせいうちくんが現れる頃には2人席のテーブルに座っていられた。

「こないだは最高値の『親子海老天味噌煮込みうどん』を試してみたけど、僕はこれに海老天が不可欠とは思わないなぁ」とせいうちくんも言うし、私もまったく同感なので、今回はせいうちくんが卵で、私は親子(鶏肉と卵入り)。
それでもうどんに1200円とか払うのは少し悲しい。
「すがきやのインスタント味噌煮込みうどんだったら、1食150円ぐらいで食べられるのに」とつい思ってしまう。
しかし、ここでしか食べられない故郷の味だ、しっかり味わっていこう。

食べ進むうちにふと気づいたのは、うどんと汁を交互に食べていてもさっぱり鶏肉に行きあたらないこと。
間違ってせいうちくんの「卵」が来ちゃった?と思い、聞いてみたら、彼のにも鶏肉は入ってないので正真正銘「卵」が来てるようだ。
気になるからお店に人に「鶏肉入ってないんですけど、これ、親子ですよね?」」と確認したら、確認しに行ってくれて、厨房の方から「親子2つっておまえが言ってたぞ」と声が聞こえた。
おかみさんぽい人が謝りに来て、「注文を間違えてしまいました、申し訳ございません。作り直しいたしましょうか、それとも『卵』のお値段にさせていただきましょうか」と聞くので、もう半分以上食べていて、ここで作り直してもらったらたくさん食べられるなぁ、しかし時間が押しちゃうなぁ、ってことでお会計は「卵味噌煮込みうどん2つ」1400円だった。

車に乗り込んで中学からの友達Cちゃんちに行き、彼女自慢のレクサスに乗り換えて今度は「トヨタ博物館」へ。
宙を滑るようなレクサスの乗り心地はディーゼルで15万キロ走った中古の我がキャラバンとは雲泥の差だった。
豊田市まで行くのかと思っていたんだが、実は名古屋市内をちょっと出た長久手市にあるようだ。
広々とした2フロアいっぱいに日本や海外のクラシックカーが展示され、いわゆる「伝説の名車」をいっぱい見た。
せいうちくんはもちろんフィアットの2CVの前で釘付け。
首をかしげるCちゃんに「カリ城のクラリスが乗ってたやつだよ」と言ったら、きょとんと首をかしげていた。
「何、それ?」

うーん、オタク族はすぐに忘れてしまう。
カリ城や未来少年コナンが当たり前に知られていて、金曜ロードショーで「天空の城ラピュタ」を流せば「バルス祭り」が起こる、ってのはあくまで我々側の狭い界隈の出来事で、そういうものと関わりあわずに暮らしている「素っカタギ」の方もいるのだ。
萩尾望都の「ポーの一族」が新連載されたと言ったら買ってくれたCちゃんだが、まったくもって普通の人なんだった。
「いや、せいうちくんの好きなアニメのヒロインが乗ってた車」と答えたら、「あら、そう」と話は終わった。
Cちゃん的には昔の車の頂点はクラウンだったが、今はレクサスであるあたりの方が興味深いだろう。
Cちゃんはレクサスを買い、私はデータとしてのマンガを山のように手に入れて中古キャラバンで車中泊してる。
ずいぶん変わった趣味の友人に普通に接してくれるだけでも充分にCちゃんの度量というものだろう。

たっぷり車の歴史を楽しんだその後は、帰り道に愛知万博跡地にできたかの名高い「モリコロパーク」に寄り、「トトロの森」を見てきた。
Cちゃんもトトロは知ってるのね。
でも、森のあちこちに散在するパビリオン的な建物はよくわからないと言い、「貴女、そういうのくわしいんでしょ。あれは何?」とご下問が下る。
「多分、『千と千尋の神隠し』で両親が入り込んで食べ過ぎてた中華街の入り口じゃないかなぁ」
「ああ、豚になってたわね」(知ってるんじゃん!と心の中でツッコミ)
まさか来られるとは思ってなかったので、我々も全然下調べしてなかった。
Cちゃんが言うには、散策だけならいつでもできるけど、建物の中に入ったりトトロパークで遊ぶには予約とか必要みたいね」、
いや、もう充分堪能しました。

夕刻にはCちゃんちに戻ってキャラバンに乗り換え、彼女行きつけのイタリアン・レストランへ。(「確かにものすごい乗り心地だわ」とCちゃん)
名古屋に来るたびここでもてなしてもらっている。
完全に常連さんのCちゃんは、今はメニューに出してない「白身魚のそば粉クレープ包み」とか「牛肉の赤ワイン煮」とかも私がリクエストしたら頼んでおいてくれたのだ。
とても美味しいイタリアン。
運転もあって私は飲まないから、お酒の大好きなCちゃんの相手はせいうちくんにお願いしよう。
前菜の「カニとアボカドのサラダ仕立て」と魚料理の「白身魚のそば粉クレープ包み」に合わせて白をデキャンターで、牛赤ワイン煮にはやはりデキャンターの赤。
酒好きの2人が飲んでくれた。
あと、私の希望でサーディンのパスタを出してもらった。
どれも少量で、さすがは小食なCちゃん御用達の店だ。

それでもCちゃんはパスタと牛肉はほとんど入らないと言ってひと口ずつ食べた以外は全部私にくれた。
「前にCちゃん、言ってたよね。『やっぱり太る人には太るだけの理由があるんだわね』ってさ」とデザート(もちろんCちゃんは食べない)のクレーム・ブリュレとエスプレッソを平らげながら言ったら、
「あら、私、そんな失礼なこと言ったかしら?」と当惑していた。
いや、本当に言ったし、私もしみじみそう思うよ。
学生時代からほとんど体重が変わらない人にはそれだけの理由があるもんだ。

せいうちくんはいつも私とCちゃんのおしゃべりを黙って聞いていることが多いのだが、今回はなぜかCちゃんと仕事の話をあれこれしていた。
これはやはり、仕事の最前線から身を引いた男の未練なのではと思う。
あとでそう言ったら、「そんなに会社の話ばっかりしてた?うーん、そういうおじさんにはなりたくないと思って、心がけてるんだけど、やっぱり出ちゃうもんかなぁ」と肩を落としていた。

我々の世代は年金が親の代ほど出ないので、自分で増やすしかないとこないだCちゃんが投資のノウハウ本をくれたので、投資が大の苦手のせいうちくんも少し真面目に聞いていた。
「だって、金利は上がらないしインフレは進むし、現金を貯金しているだけじゃ目減りするばっかりだもの」と言うCちゃんに、
「金と国債、どっちがマシ?」と聞いたら、
「金はもう上がり切ってるからねぇ。国債は金利と連動してるわけだし」とやはり多少は株を買って、配当や株主優待を利用するのがいいと教えてくれた。

「美容院代だけでも、カラーも入れたら1万5千円以上する。せいうちくんは指名料のかかるディレクターとかに頼まなければいいって言うんだけど、やっぱり上手いからね、カットとか」とこぼしたら、Cちゃんはきりっとせいうちくんに向き直り、
「せいうちさん、女性はひと月に美容院代だけで1万7千円ぐらいかかるものなの。それは出してあげて」と言ってくれた。
いや、ひと月に1回も行かないよ。節約のため、ふた月に1回だよ。
でもさすがにもう、せいうちくんにバリカンで5センチ長さに切ってもらうゾーンは卒業してしまった気がする。

「せいうちさん、心配性のうさちゃんが心安らかに暮らせるようにしてあげてね。月に5万ぐらいは自由に使っても困らないようにしてあげて」と懇願してくれるCちゃんに、私の方から、
「いや、今、マンガだけで月に10万使わせてもらってる」と言ったら、「まああ」と目をまん丸くしていた。
他人の趣味に口を出す人ではないが、私のマンガ愛にはいささかついていけないものを感じたようだ。

食事が終わって、私がハンドルを握ってCちゃんちまで送る。
「うさちゃん、トイレ行ったり手を洗ったりしたいでしょうから」と私だけ部屋に上げてくれたので、飼い猫に挨拶をし、洗面所をお借りしたら、紙の手提げ袋をくれた。
「貴女がクラブハリエ一番なのは知ってるけど、違うものも試してもらいたくて、先日のイチゴ大福のお礼に、どうぞ」とバームクーヘンをもらってしまったようだ。
そのあと、また一緒に下に来たCちゃんと別れた。
我々のキャラバンは「よくできてるわねぇ。これで寝ながら旅をするのね。うさちゃんが楽しい趣味を持って、私も嬉しいわ。せいうちさん、うさちゃんをよろしくね」との感想のCちゃんと別れ、市内を出て愛知県の道の駅に向かう。

これもまた有名どころの「治一郎」のホール。
美味しいじゃないか。
クラブハリエより卵の味が濃くて、好きかも。
しかもこれ、2つ先の駅でも買えるんだ。
通院でよく行くってのに、簡単に買えちゃうぞ。
私の体重にどう責任をとってくれるのか、Cちゃん。

Cちゃんちを出たあと、小さな橋を渡ろうと左折しようとしたら、橋げたのコンクリに思いきり車体をこすってしまった。
私にとっては2回目の「ガリっ」である。
道の駅に着いてから確認したら、40センチほどの長さに傷が走り、車体も少し凹んでいた。
こういう小さな「ガリっ」はお互い様だから、車用のマニュキアみたいな塗料で塗って済まそう、とGくんとは話がついているが、知らせたらさすがに「マニュキア足りないんじゃないかw」と苦笑された。
しかし、板金を治すような面倒くさいことは一切しないことになっている。
せいうちくんがマニュキアの残り全部使って何とかしてくれた。

23時頃には着いたので、寝支度をしてさすがにおなかはいっぱいでおやつを食べることもなく、せいうちくんはすぐに寝てしまった。

旅行2日目はこのように充実したものになった。
全部、Cちゃんのおかげだ。ありがとう、Cちゃん。

24年4月28日(3日目・日)

朝は8時ごろまで寝ていて、それから車を出して愛知県瀬戸市の焼き物展示館を見る。
もちろん瀬戸はなじみのあるところだし、今回は行けなかったが名古屋市内にはノリタケの展示館もあるし、私が小・中学時代を過ごした鳴海は「ナルミのボーンチャイナ」で有名なところだ。
さすがは織田信長が焼き物を愛しただけのことはある、とヘンな感心の仕方をしてしまった。

その後、航空展示館で戦闘機や飛行機を山ほど見て、せいうちくんがぜひ行きたいと言う関市のフェザーの展示館と日本刀の展示館を見る。
関市は刃物で有名なところなのだそうだ。
鉄屋としては無視できないところらしい。

道の駅「古今伝授の里やまと」でいい温泉(700円、障害者50円引き)にのんびり入った。(「古今」は「古今東西」ではなく「古今和歌集」の方らしい。昔からの知恵を伝授する、と言う意味だろうか)
車の窓には全面内側から目隠しがしてあるので、夫婦2人だけをいいことに足を丸出しにしてシップを貼ってもらった。
Gくんと一緒の時は、彼はいつも温泉に長湯したり休憩室で時間をつぶしたりして、「もうあれこれは終わったのか」と聞いてから戻ってくる紳士だ。
夜はカセットコンロがあってお湯が沸かせるのをいいことに、カップヌードルを食べた。
こういうシチュエーションで食べるとまたいっそう美味しい。
なんだかんだで22時頃寝るが、私は0時頃までiPad Proで佐々大河「ふしぎの国のバード」を読んでいた。
ああ、中島京子の小説「イトウの恋」を買っておけばよかった。

24年4月29日(4日目・月・祝日)

金沢方面に移動。朝は寒いほど。飛騨街道をひた登り、御母衣湖を右側に見ながら白川郷を目指す。
駐車場のいっぱいさとかを見て白川郷は眺めながら通り過ぎるだけにして、岐阜から飛騨山脈を越えて金沢到着!

金沢だー!
学生時代につきあってた男子が金沢大学に進学したので時々夜行列車で遊びに来たが、「下宿のおばさんが彼の母親とつながっている」との理由でうっかり目撃されないよう、市内にはあまり行かず、金沢駅で会ったあと電車に乗って少し遠くまで行って泊まったりしていた。(不倫カップルのようだ)

兼六園まわりのあちこちの美術館、どこかに行ってスタンプもらえば無料になる大駐車場をはじめから狙っていた。
どうせどこかには行くだろうから。
でも、今日は能楽の集いがあって管理が大変なのか、特にスタンプをもらわなくても無料になる、と守衛さんが教えてくれた。
まずは大変興味のあった加賀友禅の染め方を勉強するべく「いしかわ生活工芸ミュージアム」へ。
昔、津雲むつみの「夢衣花衣」を読んでからずっと加賀友禅に興味があったんだ。

洗うと消えてしまう露草の青い汁で下絵を描き、そこに糊を乗せて堤防を作り、色が混ざらないようにする。
そこから柄に彩色し、地色をつけてから蒸気で蒸して定着させ、冷たい水で洗う。
この水が冷たければ冷たいほど発色が鮮やかになるそうで、金沢では霊峰白山の水を使っている。
そうやってできるのが加賀友禅で、大変手間のかかった美しい染色である。

兼六園を散策し、池に出っ張った造りの茶屋でお茶を飲んだりあんころ餅を食べたりした。
木々が美しく、年を経た松が多い。
苔までが美しさの中に溶け込むよう配置されている。
日本人独特の審美眼であろう。
その一角にある神社の鳥居も、目の覚めるような朱で彩りを添えていた。

日本刀の展示館には「刀剣女子」と思われる若い女性がたくさん来ていた。
一大ブームを起こし、刀剣界が活性化して鍛冶屋さんも驚いた、というぐらいだからね。
確かに日本刀の美しさはちょっと言葉に困るほどだ。
それをさらに鞘や柄巻でカスタマイズして好みに合わせた名刀を、多くの大名たちが大切にしたのも無理はない。
兼六園やまわりの工芸館、美術館を見て過ごした。
なにもかもがゆったりとしたたたずまいで非常に美しい。
さすがは加賀百万石。芸術や工芸の育つ余地もたっぷりあったことだろう。
名物の九谷焼、せいうちくんは大好きなハイジの小さな絵皿を記念に買った。

友禅会館では「ラブライブ」とのコラボをやっており、オタク男子が集まってきていた。
そして美術館の刀剣展には「刀剣女子」たちが。
友人Kちゃんに勧められたカフェ&古書店の「あうん堂」、ご店主夫妻やお客さんと楽しいおしゃべりができて、いい時間だった。
明日また来ようかと思ったら、定休日なんだって。残念。

サラリーマンの傍らネット古書店をやっていたが、組合に入ろうと思ったら実店舗を持っていなければいけないという資格審査があり、ちょうど奥さんの親御さんの家が空いていたのでそこで奥さんが喫茶店を営み、古書を少しだけ並べて売りながら実際の儲けはネット古書の方で出しているらしい。

中島京子の「イトウの恋」があったらスゴいんだが、と思いながら本棚を見たが、なかった。
吉野朔美の「悪魔が本を連れてくる」があり、著者サイン入りでもあったので、記念にと買う。
帰りに玄関先に置いてある雑誌の中に手塚治虫特集があり、江口寿史なども書いているようなのでそれも買ったが、「へえ、手塚治虫、好きなの?」と店主さんに聞かれてちょっとびっくりした。
吉野朔美を買い、かつ亡くなってることも知ってる人は、たいてい手塚治虫をリスペクトしてるんじゃないんだろうか。

奥さんと、そのダンナさん(古書店主)の叔母さん(年が4歳ほどしか離れてない。ワカメちゃんとタラちゃんの関係のようだと思った)とおしゃべりしていて、「あの人(店主さん)が生まれたのは自宅で、おぎゃあと泣くからふすまを開けてみたら、あの人がたらいに浸かっていた。私、その時4歳だったのよ」というような面白い話を聞いた。
ついついこちらも息子の話をしてしまうものだから、「ほかにお子さんはいらっしゃらないの?」と聞かれ、わりと正直に娘が重度の脳性まひで寝たきりだ、と話してしまった。
「その後、私がずっと具合が悪かったので、下の子はほとんど夫が育ててくれました」と言ったら、「やっぱりショックで具合悪くなるわよね。初めての子で、そんなことが起こったらね」ととても同情してもらえて、なんだか救われた気がした。
これまで、娘の誕生がショックで立ち直れなかった、というのを人に認めてもらう機会がなかったものだから。
行きずりでも、他人が優しくて仕方ないこともあるんだね。

今朝も兼六園から美術館。昨日見た友禅会館のラブライブとのコラボといい、美術館の刀剣乱舞といい、オタク向けの集客すごい。撮影禁止の刀剣を間近から双眼ルーペで凝視している女性は研究者なのか推し刀を愛でる刀剣女子なのか。服装からしてたぶん後者。

石川県はオタクコラボが多いのか、金沢20世紀美術館いったときもオタクイベントでごった返していて、常設展を見るのあきらめて帰ってきてしまった、とFB友達が投稿を見てコメントしてくれた。
まあそれはJOJOだったので、オタクといっていいのかわからないが。


今夜の泊地「道の駅内灘サンセット・パーク」。
残念ながら曇りでサンセットは見られなさそう…
晩ごはん、せいうちくんはせっかく金沢に来たのだからと名物の「のどぐろ」を食べたいと言い、のどぐろの棒寿司を打ってる店に予約して、取りに行っていた。
魚料理の店ばかり並んだ商店街の奥にある店らしい。



サバのバッテラよりひと回り小さい「〆のどぐろ寿司」が1本で3800円。
私はスーパーで買ったねぎとろ巻きといなり寿司を食べていたが、ひと切れもらったらやはり美味かった。
ただ、のどぐろはけっこう脂のある魚なので、私は〆サバの方が好きかも。
お湯も沸かしてカップみそ汁を飲んだせいうちくんは幸せそうだった。
Gくんとの旅行では決してしない贅沢だ。
別にGくんは我々が何を買って食べようが気にしないし別会計なんだが、やはりなんとなく一緒に節約モードに入るようだ。
2人きりだとタガが外れて大盤振る舞いらてしまうみたい。

24年4月30日(5日目・火)

小雨の金沢で美術館で、カフェでイチゴミルク。
贅沢で美味しいイチゴミルクだった。
せいうちくんはチョコレートケーキを食べてた。

富山に入り、能登半島に少し入ると日本で唯一砂浜を走れるとGくんが教えてくれた「千里浜なぎさドライブウェイ」があった。
面白がってタイヤ痕のいっぱいついた砂浜で車を走らせる。
FBに上げたら友人たちから、
「自動車の下面が錆びませんか?」
「海岸沿い、湘南ナンバーの中古車は、錆びリスクで査定が低いとの風説もございます。
鉄にお詳しいご夫妻には釈迦に説法ですが、可愛いクルマのため、お早めに、少なくともボディー下回りは水でご洗浄下さいますよう」
などと反応があって楽しい。
しかし車の下腹を洗うのは考えてなかった。
のちに、せいうちくんは車体横の下の方だと思って一生懸命雑巾で拭いていたのが判明。
底部の、機械やらパイプやらがむき出しになってるとこだよ!

中央に向かう途中で富山の友人に「富山に入ったよ~」とLINEしたら、8番らーめんの存在を教えてくれた。
てっきり1軒だけある存在と思い込み、ファミマと8番らーめん、先に見つけた方で朝ごはん、と思っていたら前方にファミマ発見。
いつもの朝食セットを買って車に戻ってきたら、せいうちくんがGoogleマップで調べていてくれて、チェーン店が山ほどあり、現在地から5分のところにも1軒あるのを知る。
サンドイッチはおやつ用にとっておいて、8番らーめんでミニチャーハンつき野菜塩らーめんと餃子付き野菜しょうゆらーめんのフルセット食べた。
厨房ではコインランドリーのように炒飯作る機械がぐるんぐるん回っており、日頃パラパラでしっとりの炒飯作りに燃えているせいうちくんは「機械に負けた」とがっくり肩を落としていた。それぐらい美味しかった。
名古屋の「すがきや」と同じように、富山県民のソウルフードなのだと思う。
この旅で3回目の、「店に入って食事をした」経験となった。
寒さが続く中、冷たい食事が多いので、あったかいものを食べられたのはとてもありがたかった。

その後新潟に入ると雨が降りはじめ霧が立ち込める、断崖絶壁のカーブまたカーブ。
ハンドルを握っていたので気が気じゃなかった。
道の名は「親不知子不知」。
昔は断崖に細い道がやっとせり出してる鎖場だったんじゃないかと想像した。
運転を替わる場所もなかなか見つからない中、なんとかせいうちくんにハンドル渡したあと、心臓のパクパクが止まらない。
ひと気もなく、まるで心中の道行きだった。
やっと抜けて市街に出た時はほっとしたよ。

いつの間にか長野に入ってスーパーで買い物をした後、イオンの存在に気づく。
珍しいほどの肉厚なアジフライを買えたので良かったとしよう。
道の駅小谷(おたり)の温泉「深山の湯」は800円と最高値。露天風呂とサウナはあったが、設備はそこそこショボかった。
サウナは98度で3分が限界。水風呂は気持ちよかった。
今夜も呪術廻戦チャンネル見て寝よう。
まだ1度もGWらしい渋滞や混雑にはあっていない。

今回の旅には「GWだから」と不参加のGくんからはリアルタイムで千里浜なぎさドライブウェイ教えてもらったり、FBに記事を上げると即反応があったり、旅していてもみんなにつながって支えられてる感じ。
嬉しい。

24年5月1日(6日目・水)

例によって朝の8時頃に泊地を出て、黒部第四ダムへ向かう。
この旅で一番行きたかったところだ。
まずは大きな川が見えてきたが、これが黒部川なのかどうかはわからない。
ダムは渓谷の向こうにあるそうで、まだ全然見えないんだ。

まずは関電の電気バス、ダムまでの往復チケットを買う。
往復で3200円かかる。
高いが、設備投資とメンテナンスを考えれば仕方のないことだろう。
関電のバス待合所まではけっこう遠いので、車いすを借りてせいうちくんに押してもらう。
車いすは乗り場にいったん預け、目的地でまた貸してもらえるそうだ。
上部のトロリーで動力を得ているバスは静かにゆっくり進み始め縦列に並んで薄暗い坑道を走り続け、やがて外の光が差し込み始めたら、そこは両方からのバスが合流する展望台やレストハウスになっていたもの。

とりあえず、ダムの上部分の歩道をゆっくり押してもらって歩いた。
霧がすごい。
湖面やそのむこうの渓谷濃い霧に包まれているが、それでも湖畔には雪だまりが残っているのが見えた。

とにかく壮大である。
日本の電力不足を補うには水力発電をするしかない、と黒四を作った昭和30年代のおじさんたちは偉かった。
ちゃんと将来を見据えていた。
その後、エネルギーを石炭や石油に頼るようになり、近いうちに地球規模で「もうすっからかんです」ってことになるんだろうから、水力、太陽光、風など、ほっといても起こる自然のエネルギーをもっと活用するべきじゃないのか。
たとえそれが少々高くついたとしても、貴重な世界中の資源を守れればいいんじゃないだろうか。
そういう施設を作るために、貴重な石油や石炭は使うべきだろう。

さらに220段の階段を登って展望台に行きたいと言う元気なせいうちくんと別れ、私はレストハウスで休憩していた。
「どこに行ってもTシャツ買うねぇ」と息子に呆れられる定番の黒Tシャツと黒部ダム刻印入りスプーンを記念に買った。
土木工学の重要さを実感し、「親不知子不知」では国土交通省もまた頑張っているなぁと思った。

せいうちくんが戻ってきてから聞いたら、「工事中に出た死者171人の慰霊碑を見たかったんだけど、今は立ち入り禁止になっていて、見られなかった」と言う、
こないだの旅でも「御巣鷹山、日航機墜落の犠牲者慰霊碑」を見に行っていたし、わりと慰霊碑めぐりが好きな人なのね。

レストハウスで記念に「黒四カレー」でも食べればよかったんだが、おなかはすいてなかったので、帰りのバスに乗る。
車いすを返すと、優先案内で乗車させてくれると言い、帰りは2台しかない電気バスの先頭車両に乗せてもらう。
黒部を突っ切って立山連峰の方に抜ける人たちも多いのだろう。
中国からの観光客らしき団体さんが多いのが目立った。
家に帰ったら「黒部の太陽」のDVD観よっと。

その後、ドライブしている間に「日本のへそ」という看板を見た。
そうか、ここが日本のど真ん中なのか。
Gくんだったら絶対降りて写真を撮るね、と言いながらそのまま進む我々。
今夜の泊地は道の駅「オアシスおぶせ」。

途中で大事な身障者手帳を落としたかも、と気づく。
あちこち探したが見つからない。
まあ、明日ゆっくり車中を捜索しようと、今日は寝ることにする。
黒部でバスに乗った時はぜったいあったわけだからね。
夜はとても寒くて、寝袋全体を掛け布団に、銀マットの上で寝た。

24年5月2日(7日目・木)

涼しい晴天の気持ちのいい日。小布施。北斎美術館。立派な観光地になってた。
40年ほど前に友人たちとドライブしている時にたまたま出くわしたのが、まだ町おこしを始めたばかりの「栗の里 小布施」であった。
新築のきれいなお店が並び、緋毛氈を敷いた縁台でお茶とお菓子を試食させてくれた。
いい雰囲気の町づくりだったので、どうなったかとずっと気になっていたのだが、今回、北斎館も新設し、いい観光地になっていたので嬉しかった。
また同じメンツで来たいなぁ、ねぇ、Nさん、Kちゃん。

小布施の駐車場で車のベッドキットの板を全部外して捜索したが、手帳は見つからなかった。
車の中にないことは確信した。
関連施設への聞き込みは帰ってからレシートをもとにやろう。

とりあえず長野県須坂警察署に電話で落とし物の届け出が受理してもらえた。
長野県全体の警察のデータベースで情報を共有してるので、どこで見つかっても県警に連絡が来る。
長野県内の交番に届けば私に連絡してくれるよう頼んだのと、もしこちらで見つかったら遺失物届を取り下げる、ということで。
やれやれ、最悪再発行だが、1か月半から2か月かかるんだよ。
次のGくんとの北海道旅行に間に合わないと相当困る。

せいうちくんは私が簡単なショルダーポーチにいろんなものを詰め込み過ぎるから失くすんだ、と言い、夕食を買う時に寄ったイオンでファスナーできちんと閉まるショルダーバッグを買わされた。
なんでも放り込めて便利だったのに、と少し恨む気持ちだが、落として迷惑かけたのも事実だからしょうがない。

道々通った「真田氏歴史館」を見た。
手帳がないので、お金がかかる。2人で500円。とやかく言うほどの額じゃない。
小学生が団体で来ていた。遠足らしい。
先生が20人ほどを並ばせ、ペアを確認させていた。
「みんな、疲れてイライラしてるだろうけど、元気に帰ろう。お友達にやさしくできるかな。できる人?」と聞くと子供たち全員が「は~い」と声を上げる。
こういう時って、先生自身がイライラしてるんじゃないかしらん。
「先生、ちょっと優しくしてる余裕がないから、みんな、いい子にしててね。そうでないと、先生怒っちゃうかもしれない」と言えたら、日本の教育もちょっとは面白くなりそうなんだが。

夕方からビーナスラインが山方向に混んでいたのは、学校が終わった子供を連れて行楽に出かける人が多いからではないかと想像する。
道の駅信州蔦木宿つたの湯。
700円でとても広くて良いお風呂。
サウナもジャグジーも水風呂も露天風呂も全部あった。
今夜も「呪術廻戦ちゃんねる」をいくつか見て就寝。

24年5月3日(8日目・金)

朝、駐車場で車に乗り込むとき、手が滑って転倒し、後頭部を強打。痛い。
8時に出てカラオケに向かう。
普段、せいうちくんと2人きりでカラオケする時は彼が1曲入れる間に私が3曲ぐらい入れて歌うペースなんだが、Gくんとカラオケすると、うっかり2曲続けて入れたら割り込み予約されるぐらい順番に厳しいので、どうもその癖がついたらしく、お行儀よく1曲交代で歌っていた。
せいうちくんは私が好きなのと彼が知ってる中で一番新しい歌なのとで必ず米津玄師の「LEMON」を歌ってくれる。
DAM派のGくんがいない今回は堂々とJOYSOUND。曲数が多くてよろしい。
ただ、ここのまねき猫にはソフトクリームがなかった。
代わりにコーンポタージュをがぶがぶ飲み、おなかの足しにしようと思ったところ、せいうちくんが「お湯が出る!」と言って車からカップヌードルを密輸してきた。
持ち込み自由だからかまわないだろう。
生まれて初めて、カラオケ屋の個室でカップヌードル食べたよ。なぜか美味しく感じる。

カラオケ屋を13時頃に出て甲州街道を走っていたら、富士山が見えてきた。
甲府で寄ったブックオフは、出版社にかかわらずタイトル順にコミックスを並べている。これは非常に探しやすくて望ましい。
1軒目では三田紀房の「アルキメデスの大戦」全27巻が50パーセント引きで、さらにキャンペーン中で何もかも20パーセント引きなので、大人買いする。
合計70パーセント引きにはならないと説明を受けたが、冷凍マグロのちっちゃいのみたいな長い塊を抱えて車に戻る。

さらに次に寄ったブックオフでは欲しかった欠落がたくさん埋まって幸せ。
おまけに探していた中島京子の「イトウの恋」文庫本も見つかった。
400円で買ったが、あとでAmazonで調べたら送料込みで千円越えの品であった。
お得に買っちゃったよ。
ついでにBL10巻の大作、丹下道の「恋するインテリジェンス」を大人買いしちゃう。
まったく読んだことない作家さんで、セットでくるんであるので完全なるジャケ買いである。
帰りだからもう荷物が増えてもいいだろう。
今は高橋エイジの「ちるらん 新撰組鎮魂歌」全36巻を読んでいる。

驚いたのは、ブックオフではないが「本、DVD買取。10万本の在庫」と看板の出ていた古本屋。
こういうのもめずらしくていいね、と2人でドアの中に一歩踏み込んだとたん、目の前に「18歳未満立ち入り禁止」の暖簾。
そりゃあブックオフにもそういうコーナーがあったりはするが…いきなりかい!
そして、マンガは申し訳程度の暖簾の脇に並んでいたが、あとは全部エロいDVDばかりであった。
暖簾の隙間から「同人誌」と見えたので、思い切って入ってみたが、男性向けのロリとか巨乳の同人誌ばかりで、女子向けのBLは1冊もないようだった。
地元の人にとってはここの駐車場に停めてるのを見られるのは屈辱なのか、当然のことなのか、測りかねながら「すごいもの見ちゃったね~」とまたひとつ旅の驚きに触れた気がした。

普通に南下するのかと思ってたのに、アドリブの男せいうちくんは大菩薩峠を走って奥多摩湖に向かう。
やめようよ、いちおうGWなんだから観光地は混んでるよ、と声をかけても頑として聞かない。
幸い白樺湖も蓼科もさほど混んでいなかったからいいようなものの、危険な行為をする人だ。

この旅行中、本当にいろんな話をたくさんしたが、特に子育てがほぼ終了したことで自分たちの生活をしていかなきゃね、というあたりをしっかり話し合った。
あとは来し方行く末の来しの方、昔、どうしてもっと早く親に反抗して家を出なかったんだろう、とせいうちくんは振り返っていた。
私のことがずっと好きだったけど、結婚とか家を出る、という考えは全く浮かんでこなかったのだそうだ。
かと言って遊びでつきあってるわけではなく、完全に本気だったが、それが自立に全然結びつかなかったんだって。
ずいぶんと洗脳されてたものだ。
母親という正妻と私という妾の間で「妻にバレたら困る」とだけ思っていたような。
最後は家出して結婚したわけだから、もっと前にケンカして同棲しててもよかったのにな。
そしたら私も心労がかさんで仕事に行けなくなるようなことはなかったかもしれない。
いずれにせよ、過去は変えられないから、今からを大切にしていくだけなんだが。

車中泊でどちらかというとでんぷん質の食事が多くタンパク質と野菜が不足していたので、今夜はステーキに野菜をたくさん炒めてのせよう、と決めて業務スーパーを意識し始めたのが19時頃か。
通過中の道路沿いにある業務スーパーをGoogleさんにさがしてもらって2軒ほど寄ったが、ステーキ肉は全部売り切れていた。
GWだから、出かけないんなら豪勢にステーキ食べよう、というお宅が多いのだろうか。
この際、業スーでなくても、と東村山のあたりで昔よくチェーン店でお世話になったBIG-Aを見つけ、入ってみる。
なんと、ステーキ肉が1枚だけ残っていた!
「半分こしよう。僕はそれ以外に牛切り落とし焼いて食べるから」とついでに野菜や牛乳も買い込み、レジを通ってからステーキの付け合わせに欠かせない「えのき」を買い忘れたことにせいうちくんが気づいてくれて、彼が買い物を袋詰めしてる間に私が走って行ってえのき2袋を買ってきた。
これで少なくとも今日明日は買い物に行かずに済むだろう。

家に帰り着いたのが20時過ぎ。
せいうちくんは、
「もううさちゃんは何もしないで。自分の荷物だけ持って家へあがって、ベッドで横になってて」と言って大きな寝袋から着替えからタバコの吸い殻入れにしていた空き瓶まで全部回収して2往復し、そのあとパーキングに車を入れに行った。
私のミッションはせいぜい傷みやすい肉と牛乳を冷蔵庫に入れるぐらい。
あとは本当にベッドに倒れこんでいた。

いい旅だったなぁ。
いろんな県を回り、いろんな生活ぶりを見た。
温泉にも3回入ったし、富山県民のソウルフード「8番らーめん」も食べた。
上手に回ったのでGW由来の渋滞には一度もあわなかった。
例外は青梅大祭で通行制限になっていたポイントだけだ。
これは、実は息子が10歳ぐらいの時に柔道の試合のあとボーイスカウトのキャンプに送り届けようと車を走らせていた時にもぶつかって、予定を大幅に遅れてしまった因縁の祭りなのだ。
また遭遇するとは思ってもみなかったぞ。

履歴を調べたらルンバが1週間ずっと毎日ホームに戻って充電しながらお掃除していたことが判明。
帰宅した時にもちんまりと靴箱下のホームベースにいた。
日頃、家人がいる時はけっこうあちこちで電源切れを起こしてホームにも帰れず、座り込んでいたものだが、これほどの長い旅の間留守を守っていてくれたとは。感動した。

おうちのお風呂にゆっくり入り、ステーキを食べながら先週の分の大河ドラマを観て、山のような洗濯物を干し、久々の柔らかいベッドで寝る。
旅をしてきたからこその感激だ。
There is no place like home.

結局、この旅での失くし物は片耳のピアス(1回見つけたんだが、そのあとまた寝てる間に外れてた)、身障者手帳、大学入学してすぐ買った花王のルーネットというヒット商品で名高いヘアブラシ。
47年も使ってきたのに、こんなところで失くすとは…最後の温泉まであったのは確かだから、明日、電話して確認しよう。
せいうちくんには「失くし物が多すぎる」と叱られ、旅の途中のイオンでファスナーがしっかり閉まるショルダーバッグを買わされたりしたが、ETCカード事件で彼もちっちゃくなってる現在なので、あまりいじめられずにすみそうだ。
私は人の失敗をあげつらったりしないからね~。

日本の近代化、産業の発展をいろいろ見られた有意義な旅だった。
「ふしぎの国のバード」や「ちるらん 新撰組鎮魂歌」と合わせると、明治維新で日本が世界に巻き込まれていく様子がよくわかる。
すべての知識はマンガから。
そして今回、足でそれを確かめられてよかった。
全行程大地図を掲載しておく。

24年5月4日

まだGくんから車を借りているので、車を使う用事を一気に片づけようと思う。
毎年せいうちくんがまんがくらぶの面々に声を掛けて行っている「休日講座」を今年は6月頭に市のコミセンで調理室を借りてお料理の得意な大先輩に実演を行ってもらい、皆で試食をするのと、せいうちくんより1年先輩で、農家の生まれで大学で原子力をやっていて原発で働いていたこともある人に頼んで「農業と原子力発電」についてお話をお願いする。
その調理室の申し込みをしに行き、先着1名で勝ち取った。(別に競争相手はいなかったようだが)

駐車場料金を浮かすため、ブックオフで狩りをする。
買ってまだ読んでない夏原武×黒丸の「クロサギ」だが、「新・クロサギ」全18巻と「新・クロサギ 完結編」全4巻をバラ買いしてしまう。
ここも20パーセント引き。
買い過ぎなのはわかっているが、なんかもう、止まらなくって。

続いて娘に面会。
お誕生日が近いが、連休が明けてしまうので今日にした。
相変わらずむすっとしているが、大きな日よけのパラソルが立ててあるベランダに出たら、風が涼しいので機嫌がよくなったようだ。
コロナ以来面会規制が厳しく、2人以上で来られないのがもどかしい。
息子とその妻Mちゃんがカナダに行く前に一緒に会えたらいいのにな。
もっともこのお正月に、手違いがあって4人で面会できてしまった瞬間があったので、家族集合写真は撮れている。
息子もきっとカナダに発つ前に自分たちで会いに来るだろう。
別れ際にビッグスマイルを見せてくれたのが嬉しかった。

そのあとは食材の買い物に回り、20時から8時まで12時間で300円のパーキングに数時間早く戻して(1時間100円)、もう家でのんびりすることにした。
アマプラで会員無料の「ゴジラ-1.0」をやっていたので観た。
思ってたのと違う展開だったが、やはり非常に出来がいい。
「元祖・ゴジラ」にもつながっていそうだ。
いろんな意味での「戦後」を見てきた旅だったが、「戦争の終わらない人たち」が救われるのはいいと思う。

そうそう、ルーネットは見つかった!
やはり最後の温泉に置き忘れてきたのだった。
着払いで送ってもらうことにし、あとは待つだけ。

ETCカードも、水曜日に長老と2人で車中泊しながら長老の夏別荘に行く予定のGくんがうちに寄ってくれることになったので、安心。
そしてなんと、障碍者手帳はあっけなくキャラバンの座席の隙間に落ちていたのをGくんが見つけてくれた。
「なんでこんなわかりやすいところに気づかない?」と本気で訝しがっている彼が、ETCカードと交換に受け渡ししてくれる。
ああ、明日になったらせいうちくんが仕事の隙間に遠くの市役所まで行って再発行の手続きをしてしまうところだったよ。
ピアス以外は全部何とかなった!運がいい!

24年5月5日

今日はマンガ友達のミセスAのおうちにお呼ばれ。
ウエストのクッキー詰め合わせを2箱、先に送っておいた。
おみやげにこれしか持っていかないので、彼女のうちでは我々は「ウエストのせいうちさん」と子供たちに認識されているらしい。

夫のミスターAときちんと顔を合わせるのは実に4年以上ぶりである。
間にコロナががっつり居座っていたからね。
ミセスAは千駄木の仮住まいにも今のマンションにも訪ねてくれているので、けっこう会っているのだが。

今回は裁断済みの本のデータ化を実現させてみたかったのだが、一番上の息子が持って出かけてしまったコネクタがないとスキャナとノートPCがつながらないことが判明。
また今度の課題になってしまった。

ピザやたこ焼きをたくさんご馳走になり、ミセスAは私の大好きなフィナンシェを2種類用意していてくれた。
50センチの棒状のバームクーヘンも。
どれも美味しかった!

子供たちが走り回り、ミセスAはよくスイッチ切り替えて年頃の違う子供たちや我々大人と会話できるなぁと驚いた。
卓越した技術である。
ずっとキッチンに入っていた夫Aさんはせいうちくんとあれこれ話す以外はほとんど料理に専念していた。

それなのに、ひと通り食べ終わり、片付けが終わると、妻に、
「うさこさんとゆっくり話したいでしょう。子供たちは僕が散歩に連れて行って遊ばせて来るから」とさらに働いてくれる。
せいうちくんをしのぐ「夫オブ・ザ夫」である。
うちのキャラバンを見てみたいというミスターAのリクエストで、せいうちくんも一緒に出掛け、パーキングに停めてあるのを見せに行くようだ。
束の間、ミセスAと2人きりになり、マンガの話を炸裂させた。

夫や子供がいてはできないようなBL、百合ものにも最近手を出している主婦たち。
意見がぴったり一致した時の恍惚感は言葉にできない。
彼女が「呪術廻戦」読んでくれたらなぁ。
いや、新巻出るたびに回しているから読んではいるんだろうけど、あれは1回読んだだけではとても追いつけない難しい話なんだ。
いつか完結して、セット売りが安くなったらぜひ買ってもらいたいものだが、普通のご家庭では持ちきれない大部だから、難しかろう。
そこでついつい自炊を提案してしまう、というわけだ。

熱く語り合っているところでせいうちくんが帰ってきた。
車を見て、夫Aさんはたいそう興味を持ったらしい。
しかし「130万ですか!高いですねぇ」と言われても、車は高いものなんだよ。
思いきり中古を買って、やっとこの値段だし、家族持ちはこんなボロ車に乗っちゃいけないよ、安全面を考えると。
最近時折カーシェアやレンタカーで「家族全員車でお出かけ」に目覚め始めているらしい。

ミスターAが帰る前にせいうちくんが「もう17時だよ。解散の時間」と通告し、楽しい集いは終わった。
忙しいミセスAとは、涼しくなったら彼女の家の近くの駅前で会うことにしよう。
彼女の移動時間がずいぶん節約できるから。
またマンガの話をしましょうね~ミセスA!
いいマンガが多くて、困っちゃうぐらいなんだから。

A宅を出ていよいよGくんちに車を返しに行く。
共同所有だから「使わせてもらってる」わけではないんだが、何しろGくんちの庭先に置いてあるのとGくんがネットで車中泊仕様をたくさん調べていろいろ工事をしてくれているので、ホント、お世話になってますって感じ。
せめてもうちょっとゆっくり話す時間を取って「1週間の旅行で車のどこが良かった、悪かった」ぐらいのモニタとしての発言をすべきだと思ったのだが、何しろくたびれていたので早々に帰った。

徒歩10分ほどの駅で電車に乗り、乗り換えてあとは座ったまま家の最寄り駅まであと3駅ほど、のところでGくんから連絡が来た。
「わしのETCカードがないようだが」
せいうちくんが青ざめた。
旅行開始の際、自分のETCカードを入れた時、抜いたGくんのカードをコンソールボックスにでも入れておけばいいものを、自分のカードの代わりにウエストポーチの財布の中にしっかりしまっていたのだ。
そして旅の終わりに自分のETCカードを抜いて、戻す時に気づいてくれよ!って状態になったわけ。

「僕、今から引き返して渡してくる!先に帰ってて」と言うなり立ち上がって電車を降りてしまった。
折悪しく、駅だったんだよなぁ。
私の「Gくんに渡す確認は取れたの?」という声は彼の背中に消えていくのみ。

ここまで来てれば別に1人でも帰れるが、Gくんが今すぐETCカードを必要としているかどうか、次は長老との2人旅のはずだから、長老のカードで間に合わないか、もしくは長老を迎えに行く途中でうちに寄ってくれたら返せるんだが、など色々考えながらGくんと連絡を続ける。
「どうせ使わないし、急がない」と共用Messengerで言ってくれたので、せいうちくんも今日引き返すのは止めて、後日対処にしたらしい。
そういうの、電車に乗ったままでやって、それから返しに行くかどうか決めても大して変わらないと思うんだが。
「思いついたら即、行動」の猪突猛進せいうちくんを久々に見た。
もちろん激しく呆れ、「バカだ…」と思っているよ。

家の駅で花屋に用があったので、そこでせいうちくんを待つ。
案外すぐに戻ってきた。
「あそこでさぁ、話し合わないでいきなりがばっと立つかねぇ」
「面目ない。悪い癖が出た。何より、簡単にキミを1人にしちゃいけなかった」
いや、そこはまあいいとしても、相手と相談してから決めようよ。

車を返して家に帰るまでが旅だとすれば、最後に大きなミソをつけたせいうちくんであった。
今夜は堂々と1人1枚のステーキを食べ、昨日の大河ドラマの録画を観る。
紫式部と清少納言は特に面識はないというのが定説だったはずだが、縁側で一緒に中宮様からもらったお菓子を食べている。
面白くしようと思ったらそうしたいよねー。

あと、長老が教えてくれた「チコちゃんに叱られる」の「電車にはハンドルがないのに、なぜカーブした線路が曲がれるのか」をNHK+で観た。
面白かった。
NHKだからか社名は出なかったが、ヘルメットにしっかり書いてあった。
電車の車輪は日本でただ1か所の工場で全部作っているそうだ。
せいうちくんによればレールのシェアは9割ほどで、あとはJFEなんだって。
その、車輪を全部作っている会社の人が「なぜ脱線せずに曲がれるのか」をチコちゃんに教えてもらうまで知らなかったというのはスキャンダルにならないだろうか?!

夜はもうおなかがいっぱいで、何も食べずに寝た。
A家でのおもてなしがゴージャスすぎた…

24年5月6日

GWも今日で終わり。
最後の日として思いきりのんびりする。
昨日の大河ドラマを観ていなかったのを思い出してあわてて観たり、ためてあった録画の三浦しをん原作ドラマ「舟を編む」が最終話まで終わったので観始めたり。

これは原作も好きだし、雲田はるこのコミックスも大好きなんだが、かなり評判のいいドラマなのに原作と大きく違う、と聞いていて、楽しみにしてたのだ。
確かにずいぶん思い切った変更がなされている。
まじめさん、もう結婚してるし、主人公は辞書編纂部に配属された女性社員だし、びっくりするような仕掛けだ。
でも面白い!
これからしばらくはこれで楽しめそうだ。

長いお休みで、ずっとせいうちくんと一緒にいたのでとても楽しかった。
やはりここ数年の不調は彼が忙しすぎたせいだったみたいだ。
ただ、さすがに1週間の車中泊はちょっと堪えたようで、身体が重くて仕方ない。
日頃ほとんど動かない人間が急に朝から晩まで座ってるってだけでも疲れるところを、運転したり資料館や博物館を見たり、知らない土地を旅したり、疲れない方がおかしい。
せいうちくんですら「いやー、くたびれたねー」と言ってはばからない。

この人はそれで明日から仕事だよ。
私は寝ていればいいけど、GW明けに働き始めるのは大抵の人がちょっとアンニュイになるだろう。
申し訳ないと思いつつも、ここはゆっくり休ませてもらおう。
旅行中に届いたマンガ、ブックオフで買ったマンガが山になってる。
来週はこの山に手をつけなきゃなぁ。

せいうちくんがステーキ肉を買ってきてくれたので、めでたく今夜はステーキ1人1枚。
つけあわせの野菜もたくさんある。
なんか最近ステーキ食べたいんだよね。夏バテの始まり?

24年5月7日

宣言通り、1日中寝ていた。
ベッドに仰向けに横たわり、ホルダーで支えたiPad Proで何度目かわからない荒木飛呂彦の「ジョジョシリーズ」を読み返していたのだ。
いったい何回これを読んだら気が済むのだろう、自分は。
最近、新作の「JOJOLands」第3巻を読んだって言っても、のめりこみ過ぎだろう。
まだまだ未読の山は大きくそびえたっている。

橋本エイジの「ちるらん 新選組鎮魂歌」全36巻を読んだらものすごく面白かったので、未読の山にはまだたくさんのお宝が眠っているに違いないのだ。
でも読んだものを読み返すのも大好き。
自分が長編好きであることは骨身にしみてわかったが、読み返しまで含めていると寿命がいくらあっても足りない。
なのに新選組つながりで安田剛士の「青のミブロ」全13巻を衝動買いしてしまった。

そして、毎日のようにYouTubeの「呪術廻戦ちゃんねる」をいくつも見ている。
特にGW進行で雑誌の発行が1週飛んでいるので、皆さんここまでの情報で「考察」しまくっており、13日の発売日が楽しみでしょうがない。
ネタバレ?そんな小さい話じゃなくなってるんだよなぁ、すでに。
虎杖たち高専チームが憂憂の術式をもとにした「魂を入れ替えての模擬戦訓練」をしてるのなんか、コミックスには全然出てこない、まだ連載上の話だが、全く気にならない。
何気なく虎杖の出生の秘密を知ってしまったのもノーカウントだ。
最終巻を迎えたら、また何度でも何度でも読むんだろうなぁ、私は。

旅行中に、「もうちょっと自動圧力調理器を使おう。今んとこ、息子が急に来るときにカレーを作るためだけに使ってる」と話し合ったので、今日はせいうちくんが「豚の角煮」を作ってくれた。
これが実にいい出来であった。辛子のアクセントと白髪ねぎが素敵。
夏はビタミンBの多い豚肉を食べるといい、とよく言われるので、この夏は角煮とぶっかけそうめんで乗り切ろう。

24年5月7日

今日から長老と2人で車中泊1泊はさんで長老の山小屋に行く予定のGくんが、彼を迎えに行く前にうちに寄ってくれた。
せいうちくんが間違えて持って行ってしまってたGくんのETCカードを渡し、私が車の中に落っことしてあわや再申請するところだった障碍者手帳(とついでにタバコをひと箱)を受け取って、これからまた旅に出るGくんを見送る。
長老はまっすぐ山荘に行こうとこだわっていたが、GくんはGくんで「車中泊はマストだぞ」と譲らなかったので、結局途中で1泊しながら向かうらしい。
定例ZOOM会のグループで相談してくれてるおかげで、他の皆にも様子がわかる。
我々も夏にはGくんとの3人チームで泊まりに行きたいものだ。
Gくん、涼しそうな泊地の目星をつけといてね~。

24年5月8日

心療内科の面談日。
薬を減らして、1か月ご無沙汰だったので、ドクターはけっこう心配してくれていたようだ。
「夫と2人で1週間の車中泊に行きました。金沢も行ったし黒四ダムも見てきました。疲れたけど、楽しかったです。薬は十分足りました」との報告に、たいそう喜んでくれた。
これから2か月に1種類ぐらいずつ減薬していきたいそうだ。

頑固な不眠なのに、車の中だと不思議とよく眠れ、普段と同じかそれ以下の薬の量でも朝までぐっすりだった。
普段だと夜中に必ず起きてしまうのに。
ドクターは首をひねりながら、
「車、っていう空間がいいのかもしれないね。他の患者さんでも、いるんだよ。眠れなかったのが、周りを仕切って狭い空間にしたらよく眠れるようになったって人。安心するのかなぁ」とつぶやいていた。
いっそ、天蓋付きのベッドにしてまわりに布を垂らしてみるといいのかもしれない。

「ダンナさんにとってあなたは神様のような人だよ。あなたがいるおかげで生活に張りが出て、結果、仕事にも打ち込んで成果を出せた。あなたは『自分は何もしていない』って言うけど、大きな仕事をしてるんだよ。あなたがいるから夜の付き合いもしないで家に帰ってて、おかげで脂っこいものやお酒をたくさん摂って成人病になるのも免れてる。見た目がシュッとしててうらやましいもの」と最後の方はいささか脱線してる気もするが、とにかく我々夫婦はこれでいいんだそうだ。

「確かに、身体を動かすのは気にならない人なので、車中泊の終わりにも『キミは自分の荷物だけ持って郵便物見るだけで、あとはベッドで横になってて』と言って、寝袋や衣類、食料品やゴミまで2往復して全部運んでくれました。そのうえ、すべてのものをもとあった場所に戻すか、洗濯に回すかも決めて、すっかり綺麗にしてくれました。それが苦にならないのなら、私は寝てて参謀役をやって、兵隊として動くのはあの人でいいんじゃないかと思います」
「その通りだよ。ダンナさんは考えるのは苦手なんだから、そこをサポートしてあげればいいんだよ。ぴったりの組み合わせの夫婦だね!」とドクター嬉しそう。

さっそく今回から薬を少し減らすことにして、短時間睡眠薬を2種類のんでいたところをマイスリー1錠で代替してもらう。
あとはだんだん日中の不安を少なくして、日中薬を減らす方向かな。

せいうちくんが出社日だったので、帰りにドミノでピザ買ってきてくれた。
ダブルチーズの大きいの半分こしながら観る「舟を編む」は最高だ。

24年5月9日

珍しく早く起きられたので、朝一番の整形外科に行ってみる。
これから2週間ごとにシップを鎮痛ジェルをもらいながら6月末の北海道行き車中泊をやると考えると、この木曜に始めるのが一番無駄なくもらえるのだ。
前回処方されてから2週間経たないと次のシップがもらえない、という縛りは案外キツイ。

ついでにキャラバンの助手席に登ろうとして取っ手をつかんだ手が滑り、駐車場のコンクリ地面にお尻、背中、頭の順に打ち付けた時の首の痛みがまだとれないことと、左手の人差し指の付け根がかなり痛みを持つようになってきたことを告げると、とりあえずレントゲンを撮ろうと言う。

いったん診察室を出て、レントゲンの係の人が首を4枚、左手を3枚とってくれるのを待って、再び待合室へ。
予想通り朝の整形外科は混んでいるので、ずいぶん待ち時間があった。
久しぶりに紙の本で中島京子の「イトウの恋」を読み始めちゃったよ。

次に診察室に呼ばれた時は、
「頸椎は大丈夫。左手は、人差し指の付け根の軟骨がすり減ってきてるね。痛みはそのせい。鎮痛ジェル塗って様子見て」。

両膝も軟骨がすり減り切ってるからシップと鎮痛ジェルで様子見てるんじゃなかったっけ?
もちろん私が体重を落とすことと筋力をつけるのが一番いいのだが、これがまったく進まないからなぁ。
教えてもらってる筋力つける体操、お風呂上りに出も毎日やるか。

それから図書館に寄って予約した本がやっと回ってきたのを借りて、スーパーに寄って買い物して、帰ろうと思って大事なことに気がついた。
駅ビルの端にあるお花屋さんに、月曜にお墓参りに行く、息子妻Mちゃんが小さい時亡くなってしまったお父さんにお供えする花を頼んでおくんだった。
「お墓参り用の2つに分けられる花束ください。息子が結婚した相手のお父さまのお墓に始 初めてお墓参りするので、2人が沖縄で結婚したことがご報告できるよう、両方に白い百合を1本ずつ入れて、あとは青とか沖縄の海を表現する花束にしたいんです。あ、でもトロピカルな感じではなく。予算は両方で4千円ほどでお願いします」と相談。

花屋さんはイメージ勝負だから、どういうひとにどういう目的であげたいのかを伝えるのが大事だと思っている。
だから細かいところまで話した。
イメージ通りの花束ができているといいのだが。
朝の9時、開店直後に受け取って、大宮のそのまた彼方に行く、これもまた旅であろう。

帰ったらせいうちくんが何だか心配そうな顔をして出てきた。
「あんまり遅いから、Gくんと長老のあとを追って山荘に向かってしまったかと思ったよ」
そりゃあ確かに面白そうだから行きたいとは言ったが、あなたを置いてくわけがないじゃないか。
とは言え、全く連絡を入れずに「整形外科行ってくる」だけで2時間は長かったね。
仕事してるから気にしてないんだと思ってたよ、ごめんね。

今夜は「ぶっかけそうめん」にしようと思って足りなかったみょうがを買ってきたけど、気温が妙に低くて寒いよね。
またステーキ食べて元気つけるか。

24年5月10日

心臓の検診日。
連休明けの金曜のせいか、昼の終わりごろに行ったのに無茶苦茶混んでいた。
終わるまで1時間以上待ったよ。
この時間に行ってこんなに待つのは珍しい。
やはり今週は混むんだなぁと思った。
しかし来週火曜には薬が切れるし、月曜は息子妻Mちゃんの早世したお父さまのお墓参りに朝から出かける。
今日しか行くタイミングはないのでしょうがない。

ワーファリン値は「2.9」と高めだったんだが、あまり動じない江口のりこ似の女医さんは「ま、いいでしょう」とさっぱりしたもの。
前にかかっていたドクターは数値にいちいちあわてふためいて薬の量を増やしたり減らしたりして、結果、ワーファリン値の乱高下を招いていたものだが。

次は北海道旅行に行く直前に薬もらおうと、6週間後分お願いする。
今日はあと、月曜のために美容院に行って髪を切ってもらえば今週の用事はすべて終わり、のんびりする週末が待っている。
マンションの部屋の真下で重力場発生装置を使っているのかと思うぐらい、身体が重くてだるいのが2人とも続いているので、今週末はゆっくりするぞー。

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