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年中休業うつらうつら日記(2023年4月15日~4月21日)

楽しい旅行シーズンが終わって、4月は休息の時です。ほとんど外にも出ないで本とマンガを読みまくっています。やはり還暦すぎると無理が利かなくなり、なかなか疲れが取れないのを実感します。まだまだ遊びたいのになぁ。今は、老後にいろんな土地にウィークリーかマンスリーで小さな部屋を借り、その地方を遊び倒す妄想に浸っています。

23年4月15日

本当の本当に何もないゆったりしたお休み。
せいうちくんが仕事してなくて、とりあえず目先に迫った用事もない。
こんな日々は久しぶりだ。

昼まで寝倒して、起きて買い物に行き帰ってからはテレビを観る。
「星の降る夜」を観終わったのでひとつ最新のDVDでも観てみるか、と夜に散歩がてら徒歩20分ほどのTSUTAYA に行ってみる。
5月末にもう閉店が決まっている店舗だ。
やはりサブスクの威力は激しく、店に来てまでDVDという有体物を借りようという人は減って来ちゃったんだろうなぁ。

5枚で1200円だったので5枚借りる。
前にテレビドラマで観て面白かった「七人の秘書」映画版はあまり面白くなかった。
次に見た「キャプテン・ノバ」は面白かった。
オランダ産SFアクションもののは初めて見たよ。
1時間半と短めなのと、余計な飾りの一切ない、すっきりしたSFだった。

続いて邦画で「大河への道」。
こないだテレビで「大河ドラマの第1作を作るまでのNHKの苦労」というセミドキュメンタリーを観たのでそういうものかな?と思っていたが、全然違ってた。
千葉の認知度を上げるために中井貴一演じる観光課の職員が「伊能忠敬こそ郷土の偉人。彼を大河ドラマにすれば一気に千葉に注目が集まります!」とプレゼンする。
「でもなぁ、ただ歩いてるだけでしょ?」の冷ややかな対応にもめげずに市長気に入りの脚本家(橋爪功)に脚本の依頼をしに行くが、伊能忠敬の人生には不思議な点がある、と指摘される。
1818年に亡くなったと公式記録にあるのに、地図の発表は3年後の1821年になっており、しかも忠敬の死が公表されたのはさらにその3カ月も先だった。

ここから彼が語り出す伊能忠敬の世界に話は移っていく。
時は江戸時代にさかのぼり、観光課の面々は橋爪伊能の指揮の元、地図作りに励んでいるが、いきなり彼が死んでしまうので地図製作依頼を出してきた幕府には完全に秘密にしたうえで、弟子たちが測量を続け、最後には立派な地図を作り上げる、というお話だ。

確かに、伊能忠敬を扱った「大河ドラマ」はまだない。
絶対面白いのになぁ。地味すぎるかなぁ。
もし実現した暁にはぜひ見たいファンの1人である。
井上ひさしの「4千万歩の男」も大好きな小説だ。

こないだ房総方面に車中泊の旅行で行った時、伊能忠敬関連をすっかり忘れていたのは痛恨だった。
現地には「伊能忠敬資料館」もあるそうだ。
またリベンジマッチで行ってみようかとせいうちくんと話している。
50歳から天文学を学び、日本中を歩き回って80歳ぐらいまで地図を作り続けた伊能忠敬は、どことなくせいうちくんに似てる気がする。

ところで伊能忠敬チームの一員、高橋景保は伊能に天文学を教えた高橋至時の息子で、1928年にシーボルトが日本地図を海外に持ち出そうとした事件に関係しており、獄死している。
この人がよしながふみの「大奥」原作マンガではメガネ女子の天文方役人で、赤面疱瘡の治療法を確立した黒木さんから「ラランデ天文書」をもらって「きゃあ♡」と喜んでいるのが可愛いのでファンである、というのはまた全然別の話。

伊能忠敬をもっと盛り上げよう!
めざせ、大河ドラマ化!

23年4月16日

宮部みゆき原作の「ぼんくら」という時代劇をこないだ観たばっかりだったが、なんと山のようにたまっているHDDの山から「ぼんくら2」を発見した!
いつかNHKオンデマンドに入るまで観られないと思っていたので嬉しい驚き。
AXNチャンネルでしっかり録画しておいた私、エライ!

前は「名探偵ポワロ」「刑事コロンボ」「名探偵ホームズ」などもCSの中でお高くて知られるAXNミステリチャンネルでしか見られなかったものだが、今ではBSや4Kでじゃかすかやっている。
これらが家のHDDに何セットも入っているので、1本に整理しなければ容量の無駄になるぐらいだ。
ポワロはできれば今やっている4Kで残しておきたいなぁ。

ところで「ぼんくら」は宮部みゆきの中で一番好きなシリーズで、事件が完全に終わる続編の「日暮らし」までドラマ化されているわけだが、3作目の「おまえさん」はやらないのだろうか。
もう弓之助もおでこも少年じゃなくなっちゃって撮れないのかもしれない。
そもそも「己ばかりか人の人生まで誤らせそうな美少年」である弓之助が特に「お人形のように整った顔で、すれ違う人が追いかけて来て二度見する」ほどだと描写されているのに、今も俳優として活躍している加部亜門がそれほどのものでもないうえ、性格が原作に比べておっちょこちょいでちっとも思慮深くない。
おでこの三太郎の方がいい味出しているぐらいだ。
岡っ引きの政五郎も大杉蓮だから、もう撮れないね。

今回、3作目「おまえさん」まで読み返してぼうっとなって、ついでに藤野涼子のデビュー作「ソロモンの偽証」を読み返している。
東野圭吾や島田荘司もいいが、やはり宮部みゆきが頭ひとつ抜けている印象だ。
キムタクを主役に据えた「マスカレード・ホテル」シリーズ、阿部寛の「新参者」シリーズ、福山雅治の「ガリレオ」シリーズと3大イケメン俳優を擁する東野圭吾が映像的には一番成功しているように見えるけどね。

23年4月17日

最近「カルピス」にハマっている。
おなかにくる風邪を軽くひいて、何かさわやかなものが飲みたい!と思ったのよ。
「飲むヨーグルト」や「1日1杯野菜充分」「ゼロコーラ」「ただのお茶」などを試した結果、一番さわやかで滋養を感じ、美味しいのがカルピスだった。

それにしても最近のカルピスはなんて贅沢なんだろう。
昔はお中元セットで来た中のスタンダード白カルピス4本に対して1本だけがオレンジカルピス(場合によってはグレープカルピス)が入っていて、それはもう壮絶な争奪戦だった。
サイズも小さいからすぐなくなるってのに。
夏が終わるまで、特別な日だけ飲ませてもらってその味わいに感動したもんだ。(ちなみにそうめんのピンクや緑の数本は宝物だった。姉妹で奪い合い。今思うと何の価値があったのだろうか。変わった味がするわけでもないのに)

今や、香料の進化か本当に果汁をどっちゃり入れているのか、巨峰カルピスは本当に巨峰の味がするし、桃カルピスは口いっぱいに白桃の甘味が広がる。
神々の飲み物はかくや、と思わせるから、当時「ネクター」なんてものも生まれたんだろうな。ベタ甘すぎて失格だったけど。

さて、私を喜ばせたいせいうちくんはせっせとこの2種類のカルピスを買ってきてくれるのだが、太るのは必至なので、加減しながら楽しんでいきたいと思う。
巨峰、桃以外にもイチゴ、メロンなどがあるようだが、一番興味があるのはマンゴー味。
普通の店ではなかなか見ないのでAmazonで注文してみよう。
なぜか他のカルピスに比べてダントツに高い。
美味しいといいなぁ。

と言っていたらAmazonから3本セットが届いた。
1本857円なので、白カルピス320円よりかなり高い。
しかし美味しい…これは太る…

23年4月18日

マンガは何でも好きだが、ギャグマンガや短編よりは長編のストーリーものが好きかもしれない。
ここのところ「森恒二週間」で、「自殺島」全17巻、「無法島」全6巻、「ホーリーランド」全18巻、「デストロイ×(アンド)レボリューション」全9巻「創世のタイガ」第一部全10巻を読んだ。
10巻以下は長編と呼ばない、いや、むしろ50巻を超えて初めて長編だって気もするが、アベツカサの「葬送のフリーレン」既刊10巻や佐々大河の「ふしぎの国のバード」既刊10巻も伸びしろを考えれば長編に化けるかもしれない。
芥見下々の「呪術廻戦」はもう20巻を超えたし、藤本タツキの「チェンソーマン」も第一部が終わって次章に入って13巻だから期待が持てる。

ホントの大長編はね、一気には読めないのよ。
世界観にあたるというか、ついつい他のもので休憩を取ってしまう。
おかげで羅川万里茂の「ましろのおと」全31巻もお休み中だし、和久井健の「東京卍リベンジャーズ」全31巻も休憩中。
そしてなぜかその間に花咲アキラの「美味しんぼ」全111巻を読みたくなってしまうメダパニ状態。

先日、頼んだ覚えのない「ポカリスエット」の大箱が届いて困惑。
Amazonの履歴を見ても注文してない。
「お茶と間違えて買った?」と、何しろ宛名はうちだから開けてみる。
緩衝材に新聞紙を丸めたのがたくさん入っていて、底から赤坂アカの「かぐや様は告らせたい」今んところの全巻27巻が入っていた。

他にもゆうきまさみの「アトム・ザ・ビギニング」全17巻と唐々煙の「煉獄に笑う」全14巻と「曇天に笑う」全6巻が続けて届いた。こないだの晩、薬でうつらうつらしている間にポチポチッとしてしまったらしい。これぞ大人買い、と胸のすくような思いとともに、来月のAmazonの請求が怖い。

全巻買おうと思うとすべて新巻の値段で出してくることが多いので、最新1巻がかけている状態で買うとそのあと最新巻を別に勝手も結果的にはずいぶんお得になる。
「かぐや様」の「アトム・ザ・ビギニング」もそうやってこれまでのところの既刊全部を入手した。
最近はデータ量を上げてキレイな画質で取っているので、いかな実体のない電子本と言えどもHDDやクラウドのある線を越えると厄介だ。

平安時代の女の子、菅原孝標女(更級日記で後世に名を残した)が親戚のおばさんから「源氏物語(当然写本)」を全部もらって、大喜びで几帳のうちにこもって読みふけっていたという逸話を海野凪子×蛇蔵の「日本人なら知ってきたい日本文学」で読んだ。
「后の位も何にかわせむ(お后の位だって問題にならないわ」とうっとりしながら、そのさまはまさに「ドラゴンボールを与えられた夏休みの小学生男子」のごとくであったという。

ああ、せいうちくんがやっと読み終わったちばてつやの「のたり松太郎」でも読もうかな。
この先の一生、アフロ田中シリーズ60数冊とジョジョシリーズ150巻近くを交互に読んでいけばそれで済むのかもしない、としみじみ思う。

23年4月19日

諫早創の原作でアニメになった「進撃の巨人」、全7回のスペシャルシリーズになったので録画して観る。
時々入る開設のおかげで話がブツ切れになって、まるで参考書を読みながら主筋を勉強しているようになってしまい、アニメの出来としてはイマイチだ。

しかしやはりこの大作は立派なもので、あんなに絵がヘタでどうなるのかと身をよじって心配していたわりに押しも押されもしない名マンガになった。
よくあんなに複雑な世界観を発明したなぁ。
思わず読み返しちゃったよ。

今、大内くんは私のおススメのおかざき真里「阿・吽」を経て自分の趣味で沙村広明の「浪よ聞いてくれ」「のたり松太郎」を読み終え、これまた勧められた八十八良の「死の猟犬」「死の稜線」のシリーズを読んでいる。
ハルタ作家らしく女体と武器が大量に出てくるマンガだが、設定がものすごく面白い。
「よくこんな設定考えたね。もうマンガは手塚治虫をはるかに超えてしまったなぁ」というのが彼の意見。
メガネっ娘の「リンちゃん」が私に似ていて好きだそうだ。

雑誌ハルタだけだったころの作品には外れがないが、青騎士Aと青騎士Bとハルタ本誌に分かれたあとは見る影もない。
私も購読をやめてしまった。
それでも青騎士Bに描いていた森薫が体調を崩し、久々の「シャーリー」シリーズの30ページ中5ページを鉛筆で線入れした段階で出さざるを得なかったのは心配だ。
楽しみにしている「乙嫁語り」の新巻も遅れることだろう。
早い回復をお祈りする。

23年4月20日

シップと鎮痛ジェルもらいに整形外科に行ってきた。
今日こそは両手に広がった腱鞘炎を何とかしてもらおうと決意して行ったのだが、そして実際「半年以上治りません!」と訴えたのだが、新しいこととしては両手のレントゲン写真を撮ってくれただけだった。
その結果によると骨や軟骨に異常はなく、これはもう炎症を起こしてるだけだから鎮痛ジェルを小まめに塗ってみてください、ってさ。
前に腱鞘炎になった時に細い注射で薬液を入れてあっという間に治してしまったのとはまた別の種類らしい。

しょうがないからシップもらって帰ろう。
ここの整形外科って月に2回しかシップくれないんだよね。
だからしょうがなく2週にいっぺん通ってる。
しかし再来週はGWだからなかなかタイミングが合わない。
「来週末(4月中)にもらいにきてもいいですか?」と受付の看護師さんに尋ねたら、シップは月に2回しか出せないんだって。
連休始まりの1日か2日だったらやってるから、その時にもらいに来てくださいって。
腰痛と膝痛と腱鞘炎には勝てない。また来よう。

ところが今日、運がいいか悪いのか、
「うさこさんがいつも使ってるシップ、切らしてるのよね~。大きいサイズのやつを半分に切って使ってもらうか、小さめの方ですませておきます?」と聞かれた。

そりゃあもう、大きい方ですよ。
何枚入りかわからないけど、大きいのを切って使うことでたくさんの湿布を手に入れることができる。
だって、倍の大きさなのに入ってる枚数ももらえるパック数もおんなじだったんだよ。
月に2回しかもらえないフルフルの量を今、もらっているが不足気味なので、今後も大きいのをもらえるように運動してみよう。

23年4月21日

手塚治虫×ゆうきまさみ×カサハラテツローの「アトム・ザ・ビギニング」既刊18巻を読んだ。
たいそうたまげた。
こんな企画は浦沢直樹の「PLUTO」以外ないと思っていたからだ。
アトムというロボットが誕生するまでの学生時代の天馬博士とお茶の水博士を中心に、妹のユウラン、スコットランドのノース、スカンク草井からベーコンエッグ、原作「デッドクロス殿下」に出てくる戦闘ロボット「イガ―」まで出てくるアトム愛のカタマリ。

大童澄瞳の「映像研に手を出すな!」でも思ったが、世の中にはメカが好きで好きでしょうがない人たちってのがいるものだ。
機械工学を学んでいるのか、難しい言葉がずらずらと並ぶ。
描かれたメカが本当に稼働するのかどうかがキモなんだろうが、私にその辺の区別はつかない。
宮崎駿の「ラピュタ」の空挺だってあれで本当に飛ぶかどうかなんてわからないもんね。

【車中泊4日目・23年3月17日】

朝に友部SAを出て、布団をたたむ。
3人の人間が寝ていた車内はかなり結露しており、敷布団も裏側はびっしょり濡れていた。
高速を降りてセコマで私は山わさびサンドイッチとポテトサラダサンドと山わさびおにぎりを買い、他のメンバーも好きなものを買ってその辺に車を停めて食べる。

向かう先は茨城県庁の建物。
「なんかデカそうだから挨拶していこう」とGくん。
確かにてっぺん25階のフロアが展望室になっている立派な建物だった。
まわりも庭園風に小洒落ている。
堂々たる威容であった。
上から見下ろして「見ろ、人がゴミのようだ!」とお約束のギャグを言う。

庭の隅には「タイムカプセル」が埋めてあった。
26年後に開けるそうだ。何が入っているんだろう。我々も小中学校の頃やったような気がする。

そのあと、第十五代将軍徳川慶喜の実の父親、徳川斉昭が作った藩校「弘道館」を見に行った。
慶喜と斉昭の親子像などがあり、建物も立派で、「ザ・格式の高い日本家屋」であった。
こういうのが大好きなせいうちくんはテンションが上がって資料を読みまくっていたよ。

さて、今日は1日雨模様の予報ということで、Gくんは最初から野外活動はあきらめていた。
こういう時はカラオケだ。
朝のうちから3時間ぐらいは歌っただろうか。
いつものカラオケはアニソン縛りが多いので、今日は全員好きな歌を目いっぱい歌った。
Gくんのカラオケはなかなかシャウトが利いていて、上手い。
魂がロックな人なんだろう。
しかし太田裕美が好きなのもあって80年代歌謡やアイドルも歌う。
私は中島みゆきとか古いフォークとか。
せいうちくんには必ず1回は米津玄師の「LEMON」を歌ってもらうことになってる。
あの歌、好きなんだ。

カラオケを出て、さすがに記憶がおぼろになってきたが、君津の漁業博物館へ行って鯨のことをあれこれお勉強した気がする。
「雨が降らないうちに」とGくんおススメの温泉施設に行く。
岩盤浴が充実してるそうだ。
「今日は半日、岩盤浴と休憩所と風呂を往復して過ごすぞ!」と軍曹命令が下った。

お風呂となると必然的にせいうちくんと離れてしまうので寂しいんだが、岩盤浴があると「館内着」を着て男女とも一緒に熱い石板の上に寝転がっていられて楽しい。
ただしおしゃべりは禁止なので、ひたすら横に寝てるだけ。

せいうちくんはこの岩盤浴と言うものが大好きで、サウナは暑くて入っていられない、お風呂はすぐにのぼせてしまうタチだが、なぜか岩盤浴だけは長時間入っていられる。
「寝ちゃうからじゃないかなぁ」と本人談。
それって危険行為なのでは?

館内着やバスタオルと一緒に貸してもらった大判のバスタオルのようなものを敷いて寝転がるのだが、せいうちくんが水を飲みにはるか遠く男湯まで行っている間にスタッフのおねーさんが来て、タオルだけ敷いてあるせいうちくんの寝床を見ると、「移動の際はタオルを持ってご移動ください」ってイエローカードを置いて行った。
場所取りを防ぐためなんだろうね。

岩盤浴は苦手なのですぐに立ち去ったが、そのあと館内でうろうろしているせいうちくんを見かけた。
「どうしたの?」と聞くと、水分補給はまめにしたいから水飲み場のある男湯の脱衣室まで何度も往復しているそうだ。
岩盤浴の入り口には施設内の自販機で買った水のボトルをタテに入れ、簡単なアクリル板の蓋とカギがついた「保冷ボックス」がある。
各人、自分の水をカギで開けて飲める仕組みだ。
せいうちくんが岩盤浴に消えて行ったあと、持っていた500ccペットボトルに女湯で冷水を汲んできて保冷ボックスに入れ、岩盤浴中のせいうちくんに「ほら、これ」とカギを渡す。
「水汲んできてくれたの?なんで親切なんだ!」と喜ぶ顔を見て私も満足。

午後8時ぐらいまでお風呂三昧で、私はサウナで火照った身体を何度も冷水浴でひきしめ、実にいい気持になった。
頭の血管に身体で冷えた血液が流れ込む感覚がたまらない。
サウナ⇔水風呂の往復なら何度でもできそうだ。

露天風呂や様々浴槽がある大浴場も楽しみ、特に露天はいい。
頭が外気に触れているのでスーッと冷たくなってなかなかのぼせないですむ。
何度も出たり入ったり、館内着でうろうろしてGくんを探してみたりせいうちくんの様子を見に行ったり。
そうそう、岩盤浴にはひとつ、ちょっとした冷蔵庫みたいに冷えた部屋があり、岩盤後にそこに入るととても気持ちがよかったぞ。

集合時間になって、それぞれ館内着とタオル類を返して今夜の宿へ。
宿ったって道の駅なんだが、今回は鬼軍曹から、
「あんたらも車中泊の醍醐味を味わえ。わしは今夜、快活CLUBに泊まるから、あんたらだけで車内に泊まれ。ちょうど雨も激しく降ってきそうな予報で、軽バンの薄い屋根を叩く雨音がどれぐらいすさまじいか体験してみるといい」いうミッションが出ている。
快活CLUBで師匠を降ろしたとたんに襲ってくる「この世に2人きり」の心細さ。
せいうちくんはGくんの横で何度も運転してるのに、肝心のGくんがいなくなった途端にハンドルを握るのも怖い、って精神状態に陥った。

「怖いね」
「うん、ここまで安心してこられたのもGくんがいてくれたからななんだね」
「わざわざ我々のために2人車中泊のイベントを作ってくるなんて、素晴らしく気の利く人だ」
「そもそもお風呂に不自由するのを覚悟していたのに、今日はびっくり、温泉入り放題だったからなぁ」
などと話しながら10分ほど行ったところの道の駅に車を停め、まずは雨が降ってきていたので急いで荷台に敷布団を2枚重ねて敷いて、羽根布団を1枚使うことにしてもう1枚は助手席の方の空間に押しやる。

Gくんがいつも手早く手製のカーテンを閉めたり天井にライトを取り付けてくれたりしていたものだから、何をするにももたもたする我々。
それでも何とか車内に安定した空間を作り上げ、おう、今日はちょうど定例ZOOM飲み会の日だ。
Gくんは快活CLUBのパソコン付き個室から、せいうちくんと私は車内からIPad Proで参加を試みる。

うまくつながって、一堂驚くのはGくんと我々が違う画面に映っていること。
「車中泊中じゃなかったの?もう帰ってきたの?」とワイワイ言われる中、2グループに分かれて行動中だと説明する。
「うーん、Gくん、やるなぁ。確かにそれはせいうち夫婦には貴重な体験だ」と長老。
Gくんが適宜FBに流してくれているので我々がどの辺にいるかとか何をしてるか(東映岩を見たとか)はよく把握されていた。
しかし狭い車内で2人で肘をついて寝っ転がりiPad Proの画面をのぞき込んでいるのも疲れるので、すぐにサヨナラさせてもらった。
Gくんはどうしたか知らん。

雨はさほど激しくなく、Gくんの予言したドラムビートのようなMRIのような激しいBGMは聞けなかった。
でも、屋根を叩く音はとても心が鎮まって落ち着き、心地よい眠りを誘ってくれた。
誰も見ていないので思いっきりぎゅうっと抱き合って寝た。
温かかったなぁ。
せいうちくんのぬくもりに包まれてぐっすり眠れたよ。

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