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日替わり

309
日記。
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2022年10月の記事一覧

天命反転

後部座席から聞いた君の寝息

ASAP

ASAP
내 반쪽 아니 완전 copy
나와 똑같아 내 맘 잘 알아줄
ASAP
꼭 닮은 내 decalcomanie
눈 앞에 나타나줘

(なるはやで
私の半分、というか、完全なコピー
私と全く同じだ、
私の気持ちわかってくれる、そんな
私にそっくりなデカルコマニー
早く目の前に現れてよ)

わかる。
私の半分、じゃなくて、完全なコピーがいい。

代わりなんていない

本当の血なのか
ティントなのか
わからなくなったよ
すべて運のような気がする

冬のたばこ

枯れた昼、交差する原付を待った。女が乗っている。眉毛がなくて、顔はまんまるの球のかたちをしていて、眼球の球体性を感じさせるようなまぶたの厚みをしていて、鼻は赤んぼうのように低く、つるつるのほっぺに付け足したようにちょんと突き出た小さな唇にはたばこがくわえられている。ボアのあるフライトジャケット。

灰色の川を突きぬけていく、エンジンの音とたばこのにおい、それも苦いやつ、メンソールなどではない、もの

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手と財布の因果

進みはじめてすぐ、車輪が自分から回るようになり、ペダルを漕ぐ力があまり要らなくなったころ、うしろの道路からぺたんと音が聞こえた。

なにか薄っぺらくて柔らかいものがアスファルトに叩きつけられた音だった。だれかなにか落としたかしら。しかし、いま通り過ぎてきた道の、音のしたほうに人影はなかったようにおもう。つまり、自転車を漕ぐぼくがなにかポケットのなかのものを落としたのかもしれなかった。まえに家の鍵を

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絶対に殺さない

殺してほしいと言われて怒りに震えた理由は、この世のすべてを蔑んでいるくせにのうのうと甘い汁を吸って生きてきたような人にとって他者から与えられた死は被害者面をするために都合が良すぎる逃げでしかなく、必死で生きていたり、この世にあるものが愛おしくてしかたがないのに死ななければならなかったりする聖なる人々への冒涜でしかないからである。そんなやつのことは5000%殺さないし、狭い檻のなかでまぼろしに気づか

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朽ちゆくもののまるみ

咲いた花ぜんぶ枯らす
すべてが控えめです
美しく生まれたかった
それはみんなそう
花のようにね
お友達を大事にしようね
人のようにね

そりゃあ
とんだlove違いです
子供部屋おじいさんboy

だいじょうぶだよ
きみのおなかもぼくのあたまも
ぜんぶ地球のみた夢
ぜんぶ、ぜんぶね。
深呼吸。

カニ化

カニ化と遺伝子の水平伝播について調べていたら眠れなくなり、体のリズムは一晩で崩れた。わたしはなんてちっぽけなのだろう、いずれカニになる運命なのに。
ミトコンドリアは別のDNAを持っています。いま教師はあたりまえのように言うけれど、それを知った昔のひとたちは、なに気持ち悪いこというとるんと引いたはずである。
こんどはこれ、遺伝子の水平伝播である。ホヤがセルロースを生成できるなら、人間だっていつか何億

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犬合戦

久しぶりに会うひとからおとなになったねと言われる。男の顔になったね、おとなのかたちになったね。
変わり映えしないね、いつまでも子どもみたいだね、そう言われてきてばかりだったので、おとなになれてうれしかった。
その反面実際には、おとなに成りそびれたまま単に体の機関が少しずつ機能をやめはじめていることも感じていた。要するに成長をやめた命に残されているのは老いだということで、体だって脳だってもとをたどれ

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傘のモザイク、濁った多角形のむこうで夜がざらついている。小さな駅に四年の歳月をかけて完成したロータリーの需要のなさ。濡れたあかりだけが水滴になって空から地上への涙。

クロワッサンの皮がさくさくのあまりに口のなかが切り刻まれました。

ぶどうの茎をはさみで切るとき、相当な力が要る。俺握力60ある、そんな気がしてくる。実際は30もなさそう。

セルフで頭をなでて寝た。