見出し画像

002 コミュニケーションスキル

今回は、ポータブルスキルの第一弾として「コミュニケーションスキル」をご紹介します。

コミュニケーションをスキルで攻略する

皆さんは「コミュニケーションスキル」と聞いて、どんな能力をイメージするでしょうか?

噺家さんやお笑いタレントのような「話上手」のスキルでしょうか?
それとも凄腕部長のような「調整上手」のスキルでしょうか?
人によってはスキルではなく、持って生まれたセンスのようなものを想像する人もいるかもしれません。

ある調査によると、20代〜50代の男女6割以上が「コミュニケーション力に自信がない・あまりない」と感じているようです。と同時に、ほぼ同数が「これだけは身に付けたいと思う能力」にコミュニケーション力をあげていることから、「センスは無いけれど、スキルで何とかしたい」と多くの人が考えているようです。

幸いコミュニケーションスキルはポータブルスキルのひとつですので、学び、練習すれば体得が可能です。ただし、コミュニケーションは「聴く」や「問う」など複数の要素からできているので、その攻略は、次のようなステップを踏まざるを得ません。

1. コミュニケーションとは何か?を知る
2. コミュニケーションの構成要素を知る
3. 各要素を個別に攻略する

個別撃破ではなく、全体をまとめて攻略できれば楽なのでしょうが、残念ながらコミュニケーションはそこまで簡単なものではありません…。

コミュニケーションとは?

さてそのコミュニケーションですが、日本語で表現するなら、どのような言葉になるでしょう?

日本語に翻訳するのがこれほど難しい単語を他に思い付きませんが、それでも強引に訳すなら「意思疎通」でしょうか。その意思疎通を辞書で調べると「互いに理解を得て、認識を共有すること」くらいの意味だと掲載されているのですが、そうすると今度はコミュニケーションという言葉から得られるニュアンスが損なわれてしまったような気がします。

そこで今度は「分からない時は分ければよい(分ければ分かる)」という鉄則※に従い、コミュニケーションをそのプロセスに分けてみることにします。
※詳しくは第25回「025 分ける」でご説明します

人の話を聴き、分からない点は質問し(問い)、その返答を受けて今度は話す。 ── この過程を模式的に表したのが図の最上部です。

ところで、私たちは聴いた内容を考えてから質問したり話したりするため、「聴く・問う・話す」のひとつ下には「考える」があり(カオ要素とアタマ要素が会話を円滑にするアクセル=ポジティブ要素に相当します)、さらにその下にはコミュニケーションを妨げる余計な感情(ココロ)や体調(カラダ)がブレーキ=ネガティブ要素として隠れています。

言い換えれば、どれだけ優れたカウンセラが「聴く」力を発揮しようと、どれだけ優れたコーチが「問う」力を駆使しようと、どれだけ優れた噺家が「話す」力を用いようと、緊張するなどしてココロが整っていなかったり、風邪をひくなどしてカラダが万全な状態でなければそれらがブレーキとなって、頭は廻らず話は聴けず、何も問えず、ミスコミュニケーションを量産するだけとなってしまうことを意味しています。

コミュニケーションスキルの攻略法

さて、これでコミュニケーションを構成する要素を把握することができました。あとはこれらを個別に攻略さえすれば、コミュニケーションスキルが体得できることになります。

もっと具体的にいうと、以下のスキルをひとつずつ学べばよい、という話です。

1. 聴く力(傾聴力)… カウンセラの人たちが持つスキル
2. 問う力(質問力)… コーチングのコーチが持つスキル
3. 話す力(会話力)… プレゼンテータや弁護士、ハッカーが持つスキル

さらにそれらを加速させる「考える力」を身に付け、「心を整える力」と「体調を保つ力」に磨きをかければ、まさに〝鬼に金棒〟でしょう。

4. 考える力(思考力)… コンサルタントや研究者が持つスキル
5. 心を整える力(整心力)… アスリートや僧が持つスキル
6. 体調を保つ力(健康力)… 元気すぎる人(?) が持つスキル

次回から、
これらの個別スキルを順にご紹介しますので、ご期待ください!

[参考]これまで&これからの記事

法人/個人を問わず、論理思考やコミュニケーションスキル、メンタルスキルなど各種ビジネススキルを、基礎の基礎から分かりやすくお伝えいたします。   (株)トンパニ https://tongpanyi.co.jp/