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20世紀に入るまでは譜面の奴隷はいなかった

※この記事は下記ページを元に自分の意見を追加、まとめています。
http://www.fugue.us/Nyiregyhaziarticle_4.html

19世紀あたりまでは譜面通り演奏しなかったのはクラシックに通じている人には常識だと思うのですが自分は全く知りませんでした。クラシックは最初から譜面通り弾き続けているものだとばっかり思っていたのです。

では何故クラシックは今のようにガチガチに譜面通りの世界になったのでしょうか?

どうやら19世紀のドイツあたりからクラシックでは楽譜を印刷通りに演奏しないといけなくなったようで、これにはおそらく印刷技術が向上し印刷物が安くなったのとレコードという録音媒体が世に出た事が関係しているのだと思います。

そして、正当性・権威を重んじる風潮が強くなり、それが原典至上主義へ繋がり、さらにはレコード録音の発達によって楽譜をそっくりにコピーする完璧性が求められたのでは無いかと思われます

演奏技術が未発達であった時期には演奏技術向上という意味はありましたが、結果として譜面通りに弾けばいいという思考停止した音楽家を音楽学校によって大量生産され、その結果そういった人達が先生と呼ばれ大手を振って活躍するようになったのです。

「譜面通り弾けばいい」という思考停止はこの曲作った人はこの何故この音を選択したのか、なぜこの音の長さなのか、何故このフレーズなのか、こういったを一切考えないで演奏してしまっています。音をなぞるだけです。これでは作曲者がイメージしたものには絶対表現出来ません。

自分が演奏する曲に対し深く考察し、音だけではイメージ出来ないのであれば、その作者が生まれた時代、情勢、背景、そして当時どんな音楽があってどういうものに影響受けたのか、そういった事を知り自分の中のイメージを作り上げ、そしてアウトプットしなければいい演奏は絶対に出来ません。

現在のクラシックで著名な方は譜面通りで弾けた上で上記のような事も行なっているので素晴らしい演奏になっているのだと思います。クラシックではありませんが、演奏がつまらないカバーバンドは譜面面なぞれればそれで完璧と思って思考停止しているわけです。

話が逸れましたが、そうした譜面の奴隷がいない、19世紀以前のクラシックの演奏を聴いてみたいです。

11/22追記

影踏丸さん( https://note.com/kagefumimaru )からコメントを頂きました。下記に引用します。

“21世紀の現在はクラシック音楽で楽譜通りのガチガチな演奏などというのは、少なくともプロの演奏ではまず聴かれませんし、1950年代ぐらいまでの演奏の録音を聴けば、皆かなり好き勝手に演奏しています。クラシック音楽で楽譜通りの演奏が横行したのは、新古典主義の流行した1960年代から80年代にかけてのごく限られた期間のことだと思います。”

なんと今は譜面通りでは無いのですね。クラシックのコンサート行ってみたくなりました、ありがとうございます!

頑張ります!