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#読書感想文 『全面改訂 第3版 ほったらかし投資術』

まず先に断っておきます(だれに?笑)。
私はお金に疎いです。
投資とか、資産運用とか、苦手な言葉です。

でも…

子どもが生まれて、将来について考え始めたら、なんかちょっとまずい気がしてきました。
生まれてから考えるなよ!って自分でも思いますが、これまで散々、自由にしてきたんだから仕方がない。
お金について深く考えずに生きてこられた幸運に感謝しつつ、少しは勉強した方がいいだろうなぁ、と思っていた矢先…ある訃報が目に入ってきました。

名前を拝見したことはあったものの、どのようなご意見をお持ちの方か、は存じ上げず。
ご経歴など調べてみると、私がまさに気になっているような事についての著書があるではないですか!!!
これも何かの思し召し、と『ほったらかし投資術』を読み始めたのでした。


投資は「長期・分散・低コスト」で

一般的に、投資は
「長期・積立・分散」
と、言われるそうです。

そんな事も知らないの?もっと基本から勉強したら?と言われそうですが、ここは本を手に取った自分の気持ちを尊重…

この本では「長期・積立・分散」ではなく、「長期・分散・低コスト」をしきりに唱えています。
資産家でもない限り、いきなり大きな投資ができる訳がない、つまり「積立」投資することは、もはや当然だし、逆にそれしかできなくない?ということのようです。
だから「積立」を除き、いかに無駄なコストを省くかに注力しましょうということで「低コスト」を重要視しましょう、と書いてあります。

運用コスト(運用管理費用=信託報酬)なんて深く考えたことがなかったわ…だって、年率1.323%とか言われても、「100万円預けたら1万3000円ぐらいってことでしょ?仕方なくない?」としか思わなかったわけで。
そんな短期的な思考しかできない私のような読者のために、こんなことが書いてあります。

追加的に支払ったり、口座から引き落とされたりするわけではないので、一見あまり「取られた感」がないのですが、保有資産全体に対してかかるコストとして馬鹿にならない金額を抜かれています。年率1.323%であっても、例えば100万円を10年間運用すれば、その間に13万2300円も手数料として抜かれるという計算になります。

第3章 実際に始めてみよう!

そう「長期」の視点が抜け落ちていたんですね。
10年で考えると非常に大きな額であることに気が付きます。
「つみたてNISA」が開始したことで、運用管理費用(信託報酬)は安く抑えられているものが多くなっているそうですが、言われなければ「必要経費なら仕方ないや〜」と思ってしまう私のような人には、ありがたい御指南です。

上がろうと下がろうと付き合えばいい

そして、投資=売って買ってを繰り返して利益を得る、と考えている私のようなド素人に、この本はその考え方自体がNGであると諭してくれます。
「利益確定させないと、投資が成功したことにならない」と思ってしまうのは、やはり脳みそが貧困なんでしょうか…汗

買った株式(本書の投資では全世界株のインデックス・ファンド)を、お金の必要が生じるまで一切売らないと決めることです。

「投資は勝ち負けではない」、「売り買いすることではなくて、持っていることが投資なのだ」という二つのポイントを胸に刻んで淡々と投資を続けることが、恐らくは最適に近い意思決定になります。
投資は、止めないことが大事です。

第五章 「ほったらかし投資」実践の勘所

持っていることが投資なのだ
深く、深く、心に刻もうと思います…はい。

投資でうまいことやっている人は、「売り抜けた」とか「利益を得た」とか言っている気がしますが、そこで利益を得たとしても、結局それを早々に使ってしまっては意味がないわけで。
だからと言って、得た利益をさらにどんなところに投資すべきか、常に考えるのはかなりしんどいです(少なくとも私のような「興味があること以外、関心を持てない」ような人には)。

冷静に考えて、投資のプロであっても利益を生み続けることは難しいんだから、それを私のような素人が興味だけでやろうだなんてそもそも無理。
だからこそ、市場相場に連動するインデックス・ファンドに投資をして、それに付き合えばいい、というのが「ほったらかし投資」の考え方のようです。

相場に関して、考えたり悩んだりすることは、自然な事ですし悪くはありません。

(…中略…)

しかし、それ以上に、他人が考えた予想やアドバイスにどんな価値があるのかに想像力を巡らせることが大事なのだと強調しておきます(殆ど無価値です!)。

第五章 「ほったらかし投資」実践の勘所

「市場は間違えることがあるとしても、概ね正しい価値を形成するのだろう」と考えて、「上げ相場にも下げ相場にも、全て付き合う」と決めるのが、自分が他人よりも優れた情報や解釈能力をもっていないことを自覚する「賢い投資家」の行動ルール

第五章 「ほったらかし投資」実践の勘所

そうだよね、やっぱり「上手い儲け話」なんてないし、ど素人が上手くできることなんて、ないんだよね、と安心したのでした。

「投資してる感」が欲しいだけかもしれない

昨今の(今更?!笑)「つみたてNISA」ブームで、自分も世の流れに乗りたい、乗っといた方がいいのかもしれない、と思った単純な私。
株主優待目的で、いくつか国内株式は持っていたものの、もちろん財務諸表を分析して買ったわけでも、チャートを分析したわけでもありません!
(自慢するわけではありませんが…)
つまり、思いつきでやってきたわけです。

投資が上手くできない人として、下記の3パターンが上げられていました。
なんだか、耳が痛い。

第一に、投資を始めることが億劫な人。
第二に、投資を続ける胆力がない人。
第三に、上手くやろうとして動き過ぎる人。

第五章 「ほったらかし投資」実践の勘所

少なくとも、(第一の)証券口座を持っていた自分を褒めつつ、
第二、第三のパターンは反省をしようと思いました。

売ったり、買ったり、金融商品の話ができる風の方が、「投資してる感」があってちゃんと考えてるかのように振る舞える気がしていたのですが、結局プロではないわけで。
世の中にそんな上手い話はないわけで。
だったら、コツコツ積み立てて、投資を続けて、ちょっとのリターンを「よしよし」と眺めるぐらいが自分には合っているのかもしれない、と心を入れ替えました。

「時間」も大切な資産だから

昨年の秋に第一子が誕生し、今年の春には職場復帰を予定している私。
ますます時間が惜しい!
この本の第1章にこんなことが書いてありました。

重要なのは、投資にたいした手間をかけることなく(ほぼほったらかしで)、仕事や趣味をエンジョイしながら、この利益を得ることができたという事実です。私にとっては、このことが一番ありがたいのです。
もちろん、同じ期間でもっとたくさん儲けた方々も、たくさんいらっしゃると思います。私が得た利益は、まさに「市場の平均」程度です。それでも、長期間市場に居続けることで、資本主義経済がゆっくり成長するおこぼれにあずかる程度の利益であれば、たいした手間もかけずに得ることができるということです。

第1章 ほったらかし投資と人生のお金

そりゃ一攫千金できれば、嬉しいです。
でも、そのために時間を費やして四六時中投資銘柄の株価をチェックするような生活は私にはできない。
逆を言えば、時間がある方はそれをやればいいですよね!

この本を読んで、なんだか焦りみたいなものが消え、できることをコツコツやるしかないんだな〜、心が穏やかになったのでした。
お金的にも、意思的にも継続できるかが肝になってきますが、2024年の1冊目の読書として非常に有意義なものになりました。

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