読んでよかった本たち5月部門

noteの更新はサボり気味ですが、本は月10冊くらいのペースで読んでます。

というわけで5月に読んでよかった本を紹介します。



NHK「100分de名著」ブックス ニーチェ ツァラトゥストラ(西研)

とても面白かったです。
現時点での今年イチかもしれない。

単なる哲学の理解というより生き方ていく上での考え方に一助を与えてくれるような内容でした。

古典を読みたいと常々思っていたけれど、なかなか読む気力が要りそうで、、、と思っていたところ、ちょうど読みやすそうな解説本で信用できそうな本ということで選びました。

Twitterで「暇があったら100分de名著シリーズを読め」って話を見たりしていたのですが、納得の読みやすさ。

ある程度は作者の私見も入るので原書とは少し異なる趣もあるのかもしれませんが、入門にはちょうどいいレベルでした。

(オタクの話になりますがゼノシリーズの根幹にニーチェの思想があるのがきっかけでこの本を選んだので、)一番印象に残った節がこちら。


「自分を信じてはだめだ。お前たちは自分自身で自分の道を見つけなければいけない」



ワンさぶ子の怠惰な冒険(宮下奈都)

小説家・宮下奈都さんのエッセイ。
同じエッセイでいえば「神さまたちの遊ぶ庭」の方が僅差で好きですが、こちらも甲乙つけ難いところ。

タイトルも表紙も犬が出てますが、犬要素は10%くらいで家族の話と自身の話がメインです。

印象に残った節はこのBTSのライブに行った時の一節です。

東京公演最高だと思ったけど、大阪公演も最高だった。とてもとてもよいものを観られてしあわせだった。寿命が延びた。長くなったんじゃなくて太くなった感じ。よいものを観ると、自分もよくなりたいと心から思う。観たもののようになりたいということではなく、自分をまっとうしたいという強い思いで奮い立つ。



髙田明と読む世阿弥 昨日の自分を超えていく(髙田明)

古典に学ぶシリーズ第二弾。

能を大成した世阿弥の教えを現代版にアレンジした解説本とでもいえるでしょうか。

記事を書くときに改めて見返していますが、日常生活にも通ずることがたくさん書かれていて、世阿弥も髙田明もどちらもすごいなと思います。

好きな節がこちら。

世阿弥は『花鏡』に、演者は3つの視点を意識することが重要だと書いています。
1つ目が「秘見」。役者自身の視点です。2つ目が「離見」で、観客が見所(客席)から舞台を見る視点を指します。3つ目が「離見の見」。これは役者が、観客の立場になって自分を見ること。客観的に俯瞰して全体を見る力です。
世阿弥は、観客から自分がどう見られているかを意識しなさいと説いているわけです。その視点を頭に置くのと、置かないのでは、観客への伝わり方は全く違ってくるでしょう。



今回はこんなところです。

お読みいただきありがとうございました。

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