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周りと同じ時期に、同じ物に興味を持たなきゃダメなんだと気づいてしまった話。

今は、成長が人より何倍も遅い私であるが、昔は、そんなことなかった気がする。

小学2年生の時、私は他の子より早く性に興味を持った。
読んでいた漫画雑誌の中に、性行為を説明するコマを見つけたのである。

初めて、そういうことをして、新しい命ができるんだと知った時、目の前の天地がひっくり返るような、頭がぐるぐるとするような感覚に襲われた気がする。
幼稚園や小学校あたりで、体の一部は、人に見せたらいけない場所で、それについて口にすることは恥ずかしいとされることを知っていた。

だから初めて知って、「えー、そこって恥ずかしい部分なのに、いいの?そんなこと(他人に見せるとか、くっつけること)をしてー!?」と思ったような気もするし。
「そういう”恥ずかしい”場所は語ってもいけないし、人に見せてもいけないって、大人に教わったばかりなのに、大人は、そういうことを裏で普通にしてたの〜?え〜!?なーんだぁ。」と”人間の表裏”、”人間の汚さ”として当時の私に映ったような気もする。

仲良しグループの友達も皆、毎月、同じ漫画雑誌を読んでいた。そこで友達にも、「赤ちゃんを作るために、こういうことをするって漫画に描いてあったんだよ!」と報告した。
しかし、これがまずかった。
後日、グループの皆から、「ママに、あの話をしたら、とんちゃんとは、もう仲良くしないようにって言われたの。だから、ごめんね。」と言われた。
仲良しグループ全員からハブられて、一緒に行動をする人がいなくなってしまった。ただ無視されるのではなく、近づいてきて、嫌な視線を送られたり、悪口を吐かれたりして、また去っていってしまう。「悪魔」というあだ名を付けられた。

暫く、その状態が続き、見かねた担任の先生が、グループに”私と仲良くしない理由”を聞き、”私が下品な話をしたから”という理由とらえた。
「(私が下品な話をしたことについて)それはよくないわね。」と先生が言っていた。
(子どもが性について興味を持ち、友達と話をしたことを否定することが、今の世の中だったら、どう評価されるのかわからないが…)

その後、担任の先生より、私の母親に、ここ最近起こったこと全てが伝えられた。
面談中、母親に話している先生をガラス越しに見た。先生は、怒っているようだった。
面談後、母親は私に、「なんで、その話を言いふらしたのか。」については詰め寄らなかった。
(優しい...)

その後、暫く、私は、友達に何を話し、共有していいのかわからなくなった。再度、友達にいじめられたり、先生に嫌な反応をされたりすることが起こったら嫌だなと思ったのである。
この一連がトラウマとなり、恋愛模様を描いた少女アニメやドラマを観ることができなくなってしまった。

数年後、小学校高学年になり、今度は、周りが性に興味を持ち始めた。
図書室に置いてある人体の本を見て、私が”小2の時に言及していたこと”について、男子が聞こえるくらいの大声で話す。
「お〜い。ここがあれなんだぞ〜。ここをこうして、こうするんだぞ〜。」といった具合に。

そうすると、ヒエラルキー上位の女子が
「やっだ〜◯◯(男子の名前)ってば〜」とつっこむ。

そのざわざわを聞いた先生が
「こらぁっ!そういう話をするのは、やめなさいっ!早く席に着くんだ!」と皆を散らす。
ただ、その声は怒っていない。
にこやかに、嬉しそうに注意している。

既に、興味の時期を数年前に迎えていた私は、「今更かよ。」と横目で、その光景を見ていた。
(クールすぎて、つまらない小学生だなぁ)

そして、「なんで今(高学年)だったら、許されるんだろう。ハマるのに合ってる歳だから?大勢で一斉に騒いでいるから?人と同じ時期に同じ物に興味を持たないと煙たがられるんだなあ。」と思ったのである。

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